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聖女は秘密の皇帝に抱かれる  作者: アルケミスト


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 尻には、不可抗力だがネツに何度も触れられてしまった。


 そのことに関してツェリルはそれほど引きずっていないが、ドゥラコンは気にしていたのだ。


「ネツには……」


 だが、実際にドゥラコンの口からその名前が出た瞬間、ツェリルは大きく体を揺らしてしまった。


 すぐに抵抗したとはいえ、ネツにもじかにここを見られ、舐められてしまったことは、絶対にドゥラコンに知られたくない。


 しかし、ツェリルの反応で何かを悟ったらしいドゥラコンは、少しの間をおいていきなりツェリルの陰部を舌で弄り始めた。


 強い衝擊と初めての感触に思わず泣き声を上げると、すぐにそれはやんだ。


「……っ、あいつ、一度殴らんと気がすまん」


「な、殴るなんて……っ、私が、悪いからっ。お願い、ネツ殿には何も……っ」


 信頼で結びついている二人を、自分のことなどでいがみ合わせたくないツェリルの懇願に、ドゥラコンは昂った感情を逃がすように大きく息を吐いた。


「こんな時、他の男の名を呼ぶな」


「え……」


「頼む、ツェリル」


 こんなふうに、気弱に名前を呼ぶなど反則だ。


 どうしたってドゥラコンの思いを受け入れなければならないではないか。


 それでも、言葉で了承するのは困難過ぎて、ツェリルは身体の力を緩めることで受け入れるという意思表示をした。


「足を広げろ」


 ほら、まただ。


 ツェリルが受け入れたことを悟ったドゥラコンは、もう偉そうに命令してくる。


 ツェリルは唇を噛みしめ、思い切って足を開いた。


 しばらくして、まるで褒めるように尻全体を撫でられ、そこにくちづけされるのがわかる。


 何度も何度も、愛おしそうにそんな場所にくちづけを落としたドゥラコンは、改めてそのもっと奥、陰唇にまで舌を伸ばしてきた。


「ひゃぁっ」


 淫らな水音を響かせながら、ドゥラコンはそこを舌で舐め続ける。


 亀裂にそって舌を這わせ、時々中へ侵入しようとするその動きに、ツェリルは敷布をしっかり握りしめて耐えていた。


 強烈な羞恥と共に感じるのは、むず痒いような感覚だ。


 これにいつまで耐えればいいのか、時間の感覚もまったくなくなる。


 舌の愛撫と同時に、尻も両手で揉まれ続けた。


 もう十分、ネツの感触は消えた。


「あっ、あんっ、あっ」


 噛みしめていたはずの唇はいつの間にか解けて、ツェリルは耳を覆いたくなるほどの甘い声を上げながら腰を揺らしていた。


 もう、このままでは恥ずかしい欲求を口にしてしまいそうだ。


 我慢ができない。


 そう思った頃、ようやく下肢を弄る舌の感触がなくなった。


 力なく足を投げ出していると、腰を持たれて軽々と仰向けに返される。


 目の前にいたドゥラコンは意地の悪い顔をしているかと思っていたが、ツェリルが戸惑うほどに熱っぽい眼差しでこちらを見ていた。


 濡れた唇はいったいなぜかと考え、先ほどまでの行為を思い出して泣きそうな気分になる。


「……馬鹿……」


「皇太子に向かって馬鹿と言うのはお前くらいだ」


「だ、って……」


「このくらいで音を上げられていては、夫婦で楽しむにはまだ時間がかかりそうだな」


「ふ、ふう、ふ?」


「まあ、いつまで経っても初々しい妻の方が可愛いが」


 勝手なことをと言いたい文句は、ドゥラコンのくちづけで塞がれた。


 そのまま侵入してきた舌に唾液を舐め取られ、すぐに息が上がる。


 その間にドゥラコンの手は乳房に伸びた。


 下肢への愛撫のせいであさましく尖った乳首を指の腹で捏ねられ、痛みと痺れで思わず口の中の舌に歯を立てた。


 一瞬だけ顰めたものの、ドゥラコンはすぐに愛撫を再開してきた。


 柔らかな膨らみを揉み上げ、中心に向けて焦らすように指先を這わせていく。


「……んぁっ」


 やがてくちづけは解かれ、ドゥラコンの頭は胸元へと沈んでいった。


 すぐに乳首を口に含まれ舌で何度もしゃぶられる。


 もう片方の乳房は手で愛撫を続けられ、ツェリルは次第に着恥を凌駕する快感に身を震わせていった。


 ドゥラコンに触れられるところが、どこもかしこも気持ちが良くてたまらない。


 淫らな反応を隠したくても、すべてをさらけ出している今では無駄にも思えた。


 それよりもと、ツェリルは潤んだ眼差しで自分の身体を夢中で貪る男をじっと見た。


 浅黒く日焼けした身体にはほどよい筋肉がしっかりとついていて、普段女遊びばかりしているのではないかと思ったツェリルの疑惑を打ち消す。


 乱れた黒髪や、顔や肌に滲んだ汗に、ドゥラコン自身感じているのだというのがわかった。


 そんな余裕のなさに、ドゥラコンも必死なのだと思えて嬉しくなった。


 誰が見ても男らしく、逞しく、何より次期皇帝としての資質を持った最上の男。


 そんな相手にこんなにも激しい愛をぶつけられるなんて、これも神の導きゆえだろうか。


(私はもう、聖女じゃない)

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