【お試し版】東方チェイサー
こんにちはこんばんは大河太郎です。
この度お友達に「博麗神社例大祭に一緒に出ないか?」とお誘いされました。そのため1つ小説を書き下ろしました!
作者は二次創作を書いたことがなかったので新鮮な体験が出来たと感じています。
ありがとう!!
というわけでそれの冒頭部分を事前公開いたします!
続きが気になる方は是非我らのサークルにおいでください。
サークル名は『野生のMATCH』
『い13b』にてお待ちしております!
これは夢である。
博麗神社の巫女である博麗霊夢は気付いた。職業柄異変には敏感なのである。
体が動かない。空も飛べない。それ以前に体が硬い《・》。何より周りを囲む4つの巨大な人影。巨大という言葉すら生温いほど大きな生物は仲間たちと談笑している。
これが現実だとしたら幾つもの異変が同時に起こっている大事件だ。もしも、もしも現実だとしたら非常に癪に障るが信頼できる者たちが解決してくれるだろう。自分は今は耐えるだけだ。そのため夢だと仮定した。
そう考えると気が楽になる。自分が置かれている状況を確認しよう。顔は動かないが五感は正常なのでフルで働かせる。
まず自分が居る場所だ。何か固いものの上に立っているらしくしっかりとしている。しかし厚紙の上にいるような感触が足裏から伝わってくる。
次に見える先にあるものだ。梯子のような道が視界の果てまで続いている。そのマス目の中には文字が書かれている。……若干思い当たる節はあるが流石にないだろうと頭を振る。
さらに視界の端に映るものは身長程もある白く四角い物体。恐らく立方体であろうそれには黒点が3つ並んでいた。微かに見える面にも黒点が2つ並んでいる。明らかにサイコロだ。足下をよく見ると『START』の文字が。やはりこれは双六のようだ。霊夢は双六のマスの上に立っている!!
「じゃあ始めようか」
巨大な人その1が言った。
「暗黒照光遊戯【ゴールチェイサーver.双六】を!!」
ダークネスゲームって何!! 闇なのか光なのかハッキリしろ!! 正直いってダサいわ!! 霊夢は叫んだ。心の中で。だって口が動かないのだもの。
「まずは俺の番だ! サイコロの目は……【1】!!」
霊夢の体はひとりでに動きだした。どうして!なんで! 自分の意思に反して勝手に動く体に驚愕した。
足下を見ると文字が書いてある。
『STARTに戻る』
文字が発光! 霊夢の体も光出した! 体が足がひとりでに後退していく! なんということだ。霊夢は戦慄した。マスの効果が強制的に行われるのなら酷い《・》内容だった場合取り返しのつかないことになる!! なんてこった。霊夢は青ざめた。
「次は俺の番! いくぜっ! ……【3】!」
他のコマはどんなものか。霊夢は見やる。先の尖った黒い帽子に白のリボン。ドレスのような黒色の魔女服。白いエプロン付き。金色の髪の毛にウェーブのかかったロングヘアー。……魔理沙じゃないか!! 霊夢は今日何度目か分からないほど驚いた。
「マスの効果は『今日があなたの誕生月ならGOALする。その場合左隣りの人にケーキを奢ってもらう。おめでとう!』俺誕生月じゃないから何もなしかぁ」
次の人もサイコロを振る。【2】。『1回休み』。コマになっているのはチルノ。二人目はもう驚かない。
「最後は私だな。……【6】。『全てのプレイヤーの中で最も背が小さいのなら5ポイント獲得する。30ポイントでGOALにワープする』。みんな身長いくつだ」
「171」
「167」
「163」
「173。一番デカいのは俺か」
コマになっている文も心なしかどやっている。むかつく。癪に障るのでキッと睨みつけておく。
「よし。俺のターンだな! ……【5】! 『プレイヤー全員で1から5本までの指を立てる。立った指の合計が偶数の場合、奇数本の指を立てていたプレイヤーはSTARTに戻る。全員偶数本の指を立てていた場合、全員STARTに戻る』! いくぞ。せーの! 4!」
「2!」
「1!」
「2」
危ない! 霊夢は叫びそうになった。こんなゲーム早く終わらせるに限るのに。またスタートになんて戻されたくは無い。ひとまず戻らずに済みそうで安心した。
次の人もサイコロを振る。出たのは【4】。マスには何も書かれていない。魔理沙はホッとした表情をしていた。次のマスには『持ち歌を歌う』と書かれていたからだ。
3人目は1回休みのため飛ばされた。四人目は【5】。
『任意のプレイヤーの前にハ《・》リ《・》セ《・》ン《・》ボ《・》ン《・》を置く。手番終了時にハリセンボンが置かれたままならば、そのプレイヤーは無数の矢に射抜かれてポイントを失う。刺さった矢の数は自己申告だ。ただし他のプレイヤーに認められなければ350本の矢に刺される』
霊夢は自分が選ばれないように願った。奇しくもその願いは叶えられることとなった。
選ばれたのはチルノでした。