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21話

そして席に着き、それぞれ注文をした。


「ああ、焼くのは頼んだわよ」


「頼む」


そこまでは問題無かったのだが、俺は3人分のお好み焼きを作ることを命じられた。


「夏目先輩?」


志田先輩は分かるとしても、夏目先輩は何なんだ。自分で選んだ店でしょうが。


「適材適所よ。出来る人に仕事を任せる事が組織運営には必要なの」


「組織って、あの部活は2人しか居ないんですが」


「何人だろうが人が居れば立派な組織よ」


何だこの人。無敵すぎない?


まあ、やらない選択肢なんて最初から無いんですけど。


ただプロじゃないから結構厳しいと思うんですけどね。そもそもヘラは二つまでしか同時に使えませんしね!



と心の中で全力の言い訳を済ませた所で、美味しいお好み焼き作りへと取り組むことになった。



一度も作った事が無かったので結構警戒していたが、案外上手に出来た。冷静に考えたらただ焼くだけの作業でこの俺が失敗するわけがありませんでした。


「美味しい。今回は褒めてあげるわ」


「流石は後輩君だ。なんでもできるな」


報酬はお二人からのお褒めの御言葉と、俺の分のお好み焼き代でした。飯を食うまで死ぬほど大変だったけれど、これでおつりが100円位返って来ました。



「で、結局どうするんですか?」


昼食を食べたまでは良いものの、何も問題は解決していなかった。


「そうね、今から古本屋に直行するのは辞めておきたいわね。匂いが移ってしまうわ」


と思ったが、案外解決しそうだった。本当にこの人志田先輩を振り切るためだけに店を選んだんだな。


「じゃあ私に付き合うんだ。服選びにさあ行くぞ」


「仕方ないわね。少しくらい付き合ってあげるわ」


飯を食べて満足したのか、単に服屋なら良いと思ったのか、真意は分からないが志田先輩の買い物に付き合うことに。



「志田先輩?」


「どうした?入るぞ」


「はい……」


「面白いわね。次の話の参考になるわ」


何となく違和感はあったよ。クールビューティーが特徴の筈の志田先輩が純白の洋服、それもワンピースを着用していた時にさ。イメージと違いすぎるんだもん。


でも、ここまでだとは思わなかったよ。



俺たちが来たのは当然女性服のお店。


ではどんなジャンルなのか。ゴシックロリィタです。


色々迷った挙句のそれではなく、真っ先に来たのがここだから確実に好きですね。


「えっと、志田先輩。こういうのが好きなんですか?」


「ああ、だから普段はこういう服ばかり着ているぞ。今日は試着しやすいように普通の服だがな」


「なるほど、もしかして可愛い物がお好きなんですか?」


「そうじゃない女子なんて居ないと思うが?」


「確かにそうですね」


意外な真実だった。あのクールビューティーな俺の理想のお姉さんが、実はこういったものが好きだったとは。このギャップは最高に推せる。


別に否定的な感情は無いよね。だって姉だし。最初から無条件で満点なんだから何があっても満点を切らないんですよ。


それにだ。クールビューティーということは、志田先輩は美人なんですよ。そんなお方がゴシックロリィタを着てみてください。最高に似合うとは思いませんか。


もう今からワクワクドキドキですよね。


「ここら辺の服は後輩君に分からないとは思うが、付き合ってくれ」


「勿論」


こんな貴重な機会を逃してたまるものですか。



ちなみに服を買いに来ていない方の夏目先輩は、志田先輩を完全に無視して服の写真を撮ったり、何かをメモしたり、実際に試着してみたりと色々勝手にやっている。


試着しているんなら俺にも見せて欲しいです。試着室の中で一人満足しないでください。小説用の資料としてじゃなくて、俺にもサービスを。


「まずは一着目だ」


なんてことを考えていると、一着目を着た志田先輩が試着室から出てきた。


「おお……」


初手は王道?なのかよく分からないが、全身真っ黒で病み系のロリィタ。


元々クールビューティー系なので、似合わないなんてわけもなく。


「どうだ?」


「素晴らしいです。カッコかわいいです」


ファンタジー世界に出てきそうなカッコよさと、総合的な可愛さが融合して無敵にすら思えてくる。実際無敵なんですが。


「そうか、良かった」


俺が素直に褒めると、志田先輩は嬉しそうな反応をしていた。こんなに素晴らしい格好だが、褒められる機会が少なかったのだろう。是非とも褒めねば。


「もっと見たいです」


「ああ、そうか。楽しみにしていてくれ」


やたらご機嫌になった志田先輩は、店内から大量に服を確保してから試着室に入った。


「待たせたな」


「どうだ?」


「カッコいいです!」


「綺麗です……」


「流石志田先輩!」


それからというものの、俺は最高に素晴らしい志田先輩の姿を堪能することが出来た。最早世界一の幸せ者だと言っても良いかもしれない。


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