ながれぼし
「冬童話2022」参加作品です。
童話を書いたことがないのに、いきなり参加してみました。
助けて…
助けて…
キラキラとまたたく星のすきまからきこえるささやき
***********************************
息をはくと真っ白だった。
木の枝につもった雪を落としながら歩く。
「こんちゃん、いっしょにいこう」
声をかけてきたのは同級生のまい。
「いいよ」
毎朝通る道では、誰かしらが声をかけてかけられ自然とグループになって登校する。
がさん、どさっ。
がさん、どさっ。
ずーっと続く並木道。
すっかり白くそまった世界はどこをさわってもたくさんの雪が落ちてきた。
「きょう、たのしみだね」
まいがいう「きょう」は学校のお泊り会だ。
「わたし、やっぱりだめだって」
『学校なんか寒いのに、発作が出たらどうするの?』
もう大丈夫だ、重ね着をすれば暖かい、毛布を2枚もっていく。
色々いってみたが、結局だめだった。
発作がひどいと死ぬこともある、と言われるともう何も言えない。
「…そっか」
そこから無言のまま、学校まで歩いた。
夜の空気は、凍るようだ。
今日は天気もよかったので、空は満点の星空。
今にも落ちてきそうなたくさんの星たちがまたたいている。
すーーーーー。
ひとつ星が流れた。
今夜は流星群ということもあって、お泊り会が実施されている。
屋上で観測会をするのだという。
すーーーーーーきらきらっ。
ひとつ、とても大きな流れ星。
「たすけて」
声がきこえた。
「たすけて」
すぐ近くで。
「たすけて」
窓から手を伸ばす。
「たすけて」
ここからじゃ届かない。
「たすけて」
遠い星空の向こうのような。
きらりきらりきらり。
すぐそばで助けを求めるような。
きらりきらりきらり。
「わたし、たすけられる?」
こたえてしまった。
********************************
「参加させてやればよかった」
「楽しみにしていたのに。。」
まいはそんな大人たちの声をきいた。
もう手遅れなのに。もういないのに。
どうして外に出てしまったのだろう?
どうして上着をきていなかったのだろう?
どうして誰もきづかなかったのだろう?
まいは星空を見上げる。
「たすけて」
声が聞こえた気がした。
fin
童話っぽくなったでしょうか?
え?ホラー?気のせいです。