過去⑦ ー悲しい勇者の話ー
勇者がキレたのは
魔王になる前、女神時代に
私が見たとある勇者と女神の話
キレた勇者が4人の天使と互角に近い戦闘をしている
本能で抑えていた力がキレて解放されているのだろう
4大天使とわたりあえる人間なんてこの世に存在する
なんて思わなかった
しかし勇者が急にキレた理由はなんだ?
勇者は天使が作った別次元に結界をはられている為
現在外で行われている戦争の状況はわからない
私はそう思いモニタで戦場を見た
武の国が劣勢ではあるが
持ち堪えている
王がいない?
そう思い城内に画面を移した
王が側近達に指示を出し終え
自らも戦場に赴こうとしていた
そこへ年配の貴族が現れた
どうやら相談役としている
先代王の元側近達であった
現国王は若い
先代が亡くなり若くして王位を継承した
破天荒ながらも民衆からの指示も多く
また家臣達からも信頼を置かれていた
ただ、王に測位した後
しばらくして側近や家臣を先代時代から
全て入れ替えたのだった
自分自身で選んだ者達を家臣に加えた
それは身分や出生を問わずだった
先代の側近達には職を奪う事はせず
相談役として残ってもらう事にしたのだったが
貴族でもない民衆の中から側近が選ばれた事や
冒険者の中から家臣に招かれた者が
自分たちと同じ立場になった事が許せず
そして国政から外された事に対しても不満がつのり
一部の相談役達との間に
暗い影を落とす事になった
その一部の相談役達が
王を呼び止めていたのだった
現在の戦況に関する話のようだった
数名の相談役が王を部屋に招き
地図を見ながら話混んでいる
王が険しい顔をしている所を見る限り
相談役から王への助言なのだろう
しかし王はどうも納得がいかない感じにも見える
私はモニタ越しに気になる事があった
相談役の数名に暗い影が見える
これは魔族の影?
モニタ画面からではよく見えないが
薄らと影がぼやけて映る
もちろん人間の目には見えない
王と相談役達の会議が破断に
終わろうとしていた
王に飲み物が差し出され
会話に没頭し喉が渇いた王は
水と思われる物を飲み干した
部屋を出ようとした王の足がふらつき
そして倒れた
家臣達が言う
国を守る為だと
今回の戦争は王個人の我がままでもあった
勇者と女神を守ると決めた王が帝国諸国との間に
溝を深め、そして戦争となってしまった
その結果、前回の戦争後
国は多大なる被害をうける事となった
相談役達からすると
国を守る事を優先して欲しかったのだろう
勇者と女神は国を病気から救ってくれた
その中には王妃もいた
王としては国、王妃を守ってくれた勇者達に一生の恩義がある
そう家臣達に言っていたのだったが
相談役達からすれば
それで国が滅んでしまっては元も子もない
そういう意見が多く出たのだった
一度目の戦争が終わった後に
帝国との和解を求めなかった王に対して
相談役達の不満がさらに募った
そこに国政から外された時からの闇が
魔族に入り込む隙を与えた
一度目の戦争前から魔族はずっと傍観を決めていたが
人の心の闇をさらに大きくし深く落とす為に
相談役の一部の人間達にそっと囁く
帝国との和解への道
王を暗殺し首を差し出せば
帝国との和解が成立
国は守られ、自分たちも王政に復帰する事になり
そうなれば国が立ち直り、繁栄していく事になる
魔族達もまた勇者を憎む物
魔王を圧倒したのにも関わらず
情けをかけ、和解に持ち込もうとした
魔族に屈辱を与えた
今回の戦争に加担はしていないが
自分たちが手を下すよりも
自分が守る相手
人の手によって粛清されれば
こんなに楽しい事はない
そういう魂胆から帝国からの和解の持ちかけが
あったかのように暗躍していたのだった
そして相談役達の手によって
王は戦場に向かう事なく
暗殺された
続く
魔族の暗躍続く




