後日談
悪の無い悪、後日談
『ちわ〜』
魔王様が魔女の事務所のドアを開けて
入ってくる
『約束の品、もらいに来たよ〜』
そう言ってにこやかに事務所のソファーに座り
テーブルの上に置いてあるお菓子を
ぱくつく魔王様
『わざわざすまないね
これお詫びのスーツだ』
先日魔女と魔王様の戯れで
魔王様のスーツがボロボロになってしまったので
そのお詫びとして魔女が魔王様にスーツを
買って返すという約束をしたのだ
魔女は自分の机の上に置いてある
袋2つを持って魔王様の元まで行き
ソッと手渡す
『あざ〜す』
受け取った袋二つを目の前のテーブルに置き
中を開けて確認する
『2着もくれるなんて
なんか申し訳ないな!』
ニコニコ笑顔で袋から1着目のスーツを取り出し
色合いを見て満足げな魔王様
更にもう1つの袋を開けてスーツを取り出しながら
魔女の方に顔を向け
『いいじゃん、センスあるね〜お前』
そんな事を言いながらもう1着を持ち上げて
固まる魔王様
・・・・・・・・・・・。
『おぃ、これ女性用だよね
スカートだよな、これわ』
ジーっとスーツを見てる魔王様を
ニヤニヤ顔で見てる魔女
『あれ間違ってるか?』
わかってる癖にわざといやらしく聞く魔女
『いや、なんというか、間違っては〜
ないがぁ』
魔王様が頭の中で朝陽の体で
この女性用のスーツを
着た状況を想像してみたが
カオスな状況が目に浮かぶ
うう〜着てみたい
魔界にはないファッションを試してみたい
しかし、今は自分の体ではないこの状況では
想像と違う自分が出来上ってしまう
頭を抱えて苦悩する魔王様
その姿を楽しむ魔女
『てめぇ〜わざとこんなの用意しやがって〜
そのにやけた顔、ぶん殴ってやるわ〜』
魔王様が魔女に飛びかかる
『あは、この前の続きかい?
その体では勝負ならんと思うけどな』
魔女がかかってこいというポーズをとる
『あの時は本気じゃなかったんだよ!』
ワンパンで負けた魔王様
ひっくり返ってキュ〜となってる所に
事務所の奥からパソコンパーツやら
なにやらたくさんもって目の前が見えない
男が魔王様の顔を踏む
『女性用のスーツ持って
なんで俺の靴の下にいるんですか?朝陽さん』
足を上げてびっくりした顔で
上から見下ろすのは須磨だった
『もしかしてそういうのが着たかったんですか?』
真顔で言われた
『ちゃうわアホ
いや違わないんだが
いろいろと訳があるんだよ』
ひっくり返った状態から起き上がって
元気そうな須磨を見て一安心する魔王様
『別にいいんじゃないんですか
悪魔もいるような世界なんだし』
ガッツポーズをとる魔女を遠い目で見る須磨
『勝手にいろいろ悟ってんじゃねーよ』
と須磨の頭をポンっと叩いて
スーツを持って帰ろうとする魔王様
『じゃーなこれ貰って行くからな!』
スーツを両手にもってドカドカと事務所を
出て行こうとする魔王様だが
負けた悔しさから机の上に置いてあった
お菓子を全てスーツの袋に入れた
『須磨!他の奴らも真面目に働けよ〜帰る!!』
ドアを開けた時だった
『はい!がんばりますよ』
須磨が笑顔で答えたのを横目に見た魔王様は
少し笑って事務所を後にした
終わり
ほんとにシリーズの終わりです




