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悪意の無い悪 6.5

長くなったので6.5話になっちゃいました

 とあるファミリーレストラン


 『おぃ!なんで飯食ってんだよ!!!』


魔王様がハンバーグをフォークに刺した状態で

目の前に座っている魔女に文句を言っている。


 『なんで?ってお腹空いてるだろ?昼過ぎてるし』


魔女はさぞ当たり前かのようにキョトンとした顔で

魔王様の問いに返答した。


 『まぁ減っているといえば、もぐもぐもごもご

 しかし、早く行かないと奴らがにげてモグモグ』


文句を言いつつもハンバーグにご満悦な魔王様


 『大丈夫さ、奴ら全員揃うのは夜だ

 今から行っても全員確保できないしな

 危険を察知した奴が逃げてしまっては意味がない

 あ、このイチゴのパフェを一つ』


魔女が店員を呼びデザートを注文しながら魔王様を諭す


 『ふたつだ!私も食べる

 そうか、なら急いで来ることもなかったか』


勢いが空回ってしまったかのようで気が抜けてしまった

魔王様は、ため息ついてファミレスのソファー型の椅子に

深く腰を落として、コップのジュースをストローで飲み干す。


 ズズズゥー


『まぁそうでもないさ、打ち合わせというか

 段取りの話でもしてからの方がいいだろ』


魔王様が早くデータを取り返したい気持ちを

察してはいるが、今行っても全員を確保できない

はやる気持ちは魔女も魔王様も同じではあるが

相手のメンバー全員を確保しなければ意味がないのだ

魔女の説明はこうだ


 『まず、これがあいつらの事務所の見取り図だ

 入り口は一つだし3階だから逃げ道はなしだ

 入り口押さえとけば逃げられる事もないし

 まさか飛び降りる勇気もないだろう

 なので全員揃った事を確認したら

 普通に入り口から入って全員確保!』


と魔女が魔王様に説明してきたのだが


 『え?そんだけ?特に何って打ち合わせなくないか?』


魔王様はあまりにもざっくりした説明にパフェのスプーンも

とまる。ここのパフェはソフトクリームが下にコーンフレークで

埋まってないタイプだ。底まで苺とソフトクリームが楽しめる。


 『うん、まぁ相手は素人の子供だしね

 武器とか出てくるとは思えないし

 追い詰められた事を考えての逃走経路なんて

 考えていないだろうしね

 自分たちが悪い事してるとう意識じゃないから

 誰かに追われてるという危機感もない

 なので普通に入り口から入っても

 誰?って感じだろうね〜

 楽でいいけどな』


魔女の言う事に納得した魔王様は

それなら自分のする事は終わった後かと思い


 『じゃ私の出番なんてないだろうから

 外で待ってるよ、ってか見てるよ』


魔王様は一緒に行ったところで

何か相手に響く言葉があるわけでもなさそうだし

説得できる口上があるわけでもないので

足手まといというか、魔女が何か喋ってるのを

ぼーっと見てるだけになりそうなので

置物と化しそうなので外で待ってる事を

魔女に伝えといた


 一応の段取りの話をした意味があったかもしれない


ただ飯を食ってるわけじゃないぞと自分に言い聞かせ

会社で今大変な田口を思い浮かべて手をあわせ

なんとなぁく罪悪感を抱えつつも

パフェを満喫して、がんばれっと思う魔王様でした


続きます

のんびり続きます

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