砂利道でのスライディングは危険だよ
超短編ストーリーです。
元気が出ない…落ち込んでいる…
そんな時に是非読んで下さい。
定期的に更新していきますので、宜しくお願いします
1ボブ
ボブがジッとこちらを見つめている。
メガネのレンズの奥から鋭い眼光でこちらを見つめている。
背筋に恐怖を覚えた瞬間、ボブが吹き出した。
どうやら睨めっこをしていたようだ。
2ボブ
眉間にしわを寄せながらハンドルを握るジョン。闇夜に浮かぶ街灯が通り過ぎる中、カーナビゲーションシステムが直進と指示するが、ジョンは右にハンドルを切り、ニヤリと笑った。どうやら裏道を知っているようだ。
3ボブ
深く深呼吸し、空を見上げ、少し目をつむると、両腕を大きく振って反動をつけ、天高くジャンプした。
「ゴッ」
鈍い打突音の少し後に、ボビーの悲鳴がこだまする
どうやらボビーは膝から着地したようだ。
4ボブ
ゴードンは牛乳を飲みながら、お辞儀の練習をしている。
両手を太ももにあてがい、90度まで勢いよく腰を曲げると、机の角に頭をぶつけて崩れ落ちた。
5ボブ
自宅の庭で、両肩を激しく上下させているゴードン。その表情は真剣そのものだ。
隣で眉間にシワを寄せながらゴードンを見つめる父親らしき男性。
しばらく見つめていると、首を横に振り、ため息まじりにゴードンを止めると、父親らしき男性は、物凄い速さで両肩を上下させ始めた。
どうやら、何かの特訓をしているようだ。
6ボブ
コーヒーを飲みながら牛乳を飲んでいるジョージ。何か悩み事があるような表情でため息をついては、コーヒーと牛乳を交互に飲んでいる。
何かを思いついたのか、急に立ち上がると、スクワットを始め、15回ほど繰り返すと、元の位置に座り、コーヒーと牛乳を交互に飲み始めた。
どうやらジョージは思いついた事をすぐに行動に移すタイプのようだ。
7ボブ
ボブの目がいつもより一段と輝いている。
夕食に大好物の唐揚げが並べられているからだ。
笑いが絶えない一家だんらんの時。
「ねぇ、父さん…」
ボブが口を開くと、父親の顔が引きつり、辺りは凍りついた。
「今日から父さんの事、ファルコンと呼びなさいと言ったはずだろ!」
どうやら今朝、決め事があったようだ。
8ボブ
白いテーブルの上にメガネが2つ並べられている。
真剣な表情で構えるベン。
横に付き添うのは、ストップウォッチを持つボブ。
「スタート!」
ボブの掛け声と共にベンは並べられていた2つのメガネを物凄いスピードで交互に着脱し始めた。
「はうっ…!」
どうやらメガネのフレームが目に入ってしまったようだ。
9ボブ
シュッシュッ…
シュッシュッ、シュッシュッ…
軽快なフットワークでシャドーボクシングをしているトム。
シャドー(相手)をイメージして体を振り、ワンツー、アッパーを繰り出す腕からは汗が飛び散る。
大柄な体格の相手をイメージしているのか、繰り出すパンチの軌道は上方向。
しばらくすると、突然しゃがみ込み、低い体勢で体を振りながら、ジャブを繰り出し始めたトム。
どうやらシャドー(相手)を小型犬に変更したようだ。
10ボブ
ボブとマークがじゃれ合うようにスパーリングをしている。
そんな2人を少し離れた所でトムは寂しそうに見つめていると、ボブの右ストレートがマークの顔面をとらえた。
「痛っ」
マークが顔を歪める。
「ごめん…当てるつもりはなかったんだよ…」
そうボブが駆け寄ると、マークはニコリと笑い
「ヘッドギアしなきゃな」と、心配そうに見つめるボブと水筒に入っている甘酒を飲みながら2人は去って行ってしまった。
静まり返ったそこを後にするトム。
自宅に戻ったトムは自分の部屋の真ん中で目をつむり、仁王立ちをしている。
クワッと目を見開くと、物凄いスピードで頭を動かし始めた。
「一速…2速…」
頭でシフトチェンジを始めたトム。
どうやらヘッドギアを勘違いしているようだ。
11ボブ
ボブとジェイコブは大草原に寝転び、雲ひとつない青空を見つめていた。
優しい風が頬を撫で、髪を揺らす。
「なぁ、ボブ…今、何考えてる…?」
「僕かい…?自転車のサドルになりたいなぁって思って…」
「フッ…僕もそう思ってたところだよ…」
サァーッ…
また、優しい風が2人の頬を撫で通り過ぎた
12ボブ
「ねぇ、父さん、人間って人生の三分の一を睡眠時間に費やしているって知ってた?」
ロバートは食卓の場でそう切り出すと、父親は咀嚼し、噛み砕いた肉をゴクリと飲み込むと、眉間にしわを寄せ、間が空いた。
「父さんはそんなに寝ていない」
そう言い放つと、席を立ち、その場を後にした。
そして、翌朝…
父親の目の下にはクマのようなものが浮かび上がっている。
「母さん…父さん寝てないの…?」
「プライドが高い男って素敵…」
「か、母さん…」
13ボブ
屈強な男達の中に、1人華奢な男が目を見開き、表情1つ変えず座っている。
ボブだ。
目の前のテーブルには熱々のソーセージがはさまったホットドッグが並べられている。
ホットドッグの早食い大会だ。
大声援が響き渡る中、屈強な男達は今か今かとスタートの合図を待っている。
ボブは表情一つ変えず、前を見据えている。
「バンッ」
スタートの合図と共に、より一層声援が大きくなる。
男達はホットドッグを口に詰め込むと、強靭なアゴで咀嚼し、水で流し込んでいる。
次から次へとホットドッグが運ばれてくる。
一方、ボブはスタート前と変わらず前を見据えたまま、座っているだけだ。
10分間でいくつ食べられるかのこの大会も残りわずか3分…
1人、じっと座っているボブ…
時計の針が残り2分にさしかかったその時、ボブの表情が変わり、突然、目の前のコップの水を飲み干すと、空になったコップにまた水を注ぎ、一気にまた飲み干す。
何かに取り憑かれたかのように、がむしゃらに水を飲みまくるボブ。
みんながホットドッグを口に詰め込んでいる中、ケチャップやマスタードを入れ、味を変えながら1人、水を飲んでいるボブ。
「ピーッ」
終了の合図のホイッスルが鳴り響くと、ボブはコップをバンッとテーブルに置き、誇らしげに座っていた。
14ボブ
ジミーは父親の顔を見ては落ち着かない様子で窓から外を眺めている。
「父さん、まだ?」
「もう少しで来るさ…」
父親がそう言った直後、遠くから
「ブゥォォッン」と甲高い音が聞こえ、それがだんだん近づいて来る。
「あっ、ホセだ!」
ジミーは慌てて外に飛び出す。
ランボルギーニ アベンタドール
男なら誰でも憧れるスーパーカーから顔を出すのは父親の友人のホセだ。
「うぁぁっ、やっぱりカッコイイ!」
目を輝かせジミーが言うと、ホセが車から降りて、こう言った。
「ジミー、カッコイイのは見た目だけじゃないぞ」
ホセはそう言いながらジミーの父親の顔を見ると、2人は小さく頷き、父親は車の後ろへと回り込み、掛けていた眼鏡を外し折りたたむと、小さくうなり続けるマフラーにそれを入れた。
そして、父親の「GO!」の合図でホセはアクセルを思いっきり踏み込む。
まさに闘牛の様な雄叫びがマフラーから放たれると、勢いよく眼鏡が飛び出し、壁に当たって割れた。
「どうだ…凄いだろ…」
「父さん、僕、一生懸命働いて、この車、手に入れるよ…」
ホセは涙を浮かべ何度も小さく頷いていた。
15ボブ
時刻は夜の9時半
テーブルには母親手作りのパスタが並べられてある。
少し遅めの夕食だ。
「父さん…車のキーを貸して…」
マイケルはそう言うと、父親は数秒黙り込み、無言のまま、マイケルに車のキーを手渡した。
片手にパスタの入った皿を持ち、マイケルは外に飛び出すと、車のドアを開け、エンジンをかけ、ヘッドライトを点灯させた。
漆黒の闇を照らし出すヘッドライト。
マイケルは車の前方に回り込むと、眩しそうに顔をしかめながら仁王立ちし、ヘッドライトに照らされながら、フォークでパスタを上手に巻き取り、食べ始めた。
それからどれくらい経った頃だろう、空になった皿を片手に、リビングに戻ってきたマイケル。
「どうだった?」
父親はボソリと尋ねる。
「うん……少し恥ずかしかったよ…」
「そうか…時期に慣れるさ。」
どうやら何かの特訓をしていたらしい。
16ボブ
辺りをキョロキョロと見回して、何やら落ち着かない様子で歩いているボビー。
ふと立ち止まると、そこはウォーレンの家の玄関前だ。
インターホンのボタンに指をかざし、再び辺りを見回すボビー。
異常がないことを確認すると、インターホンのボタンを押した。
「ピンポーン」
少しの間が空く
「犬は爬虫類か?」
インターホンからウォーレンの声が聞こえた。
ボビーはインターホンに顔を近づけ小さく囁く。
「クジラの仲間だよ」
少しの間が空くと、ガチャッとドアの鍵が開く音がした。
どうやらこれが施錠の合言葉の様だ。
17ボブ
「ねぇ、父さん、犬の嗅覚は人間の100万倍〜1億倍って知ってた?」
ロバートは食卓の場でそう切り出すと、父親は咀嚼し、噛み砕いた肉をゴクリと飲み込むと、眉間にしわを寄せ、間が空いた。
「父さんは3倍だ」
そう言い放つと、目をつむり、鼻をヒクヒクさせ、壁を伝いながらその場を後にした。
「プライドが高い男って素敵…」
「か、母さん…」
18ボブ
「おはよう」
「あら、ビル、おはよう」
「いやー、母さん、実はね夢の中にロバが出てきてね…」
「へぇ…で、そのロバは最後にどうなったの?」
何気ない朝の会話に、途中、低い声がそれを切り裂いた。
「ロバだと…?ポニーの可能性はないのか?」
「と、父さん…」
元気でましたか?