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薄幸の手紙  作者: zail
2/6

第二話 ツンダラって何ですか?

 前回までのあらすじ。

 何か、壁に血で告白された相手に無理やり異世界に連れてこられた。

 お約束通り帰れないと思ったら至極あっさり帰れると言われて弄られた。

 凄く恥ずかしかったです。相手が基本あんまり喋らないヤツでよかったと思います。

 ……主に俺の精神衛生情的に。でも凄く恥ずかしかったです。

 つーか異世界に放り出されて行き来自由って何だ。何でそんな中途半端にお約束を無視するんだ。……うん、俺としては凄く助かるけどね? ありがちな元の世界かこの世界かを選ばなくて良いし。

「で、重要度の高いと思われる疑問が解決したところで、これからのことを話し合おうか」

「駄目」

 そう言って手を伸ばしてくる自称魔王の姪のメイ。

「……訊きたくないけど理由を聞こうか」

「撫で撫で」

 畜生、覚えてやがった。や、手を伸ばしてる時点でわかってたけど。

「……あれだ、この話し合いが終われば思う存分撫でさせてやるから。な?」

「いや」

「いやでも――」

「や」

「しかし――」

「や」

「だが――……あの、その開かれた手は何でしょうか?」

「鉄の爪」

「……あいあんくろー?」

「そうとも言う」

「ちなみに、威力設定はどれくらい?」

「……ぐちゃってならない程度?」

 訊くな。首傾げて可愛らしく言うな。言ってることの内容とのギャップでかえって怖すぎる。

「わかった。撫でていい。撫でていいからアイアンクローはやめてくれ」

「うんっ」

 わぉい、すっげーいい笑顔。……あれ? 明確に表情が変わったの初めてかも知れん。さっきの「ぷっ」は無表情だったし。……アレは不気味だった。


 撫で撫で


「んぅぅ―――」

 すっげぇご満悦の様子。

 またもや凄く恥ずかしいです。


 撫で撫で


 顔の温度が上昇するのがよくわかります。

「んぅぅ――♪」

 こいつの機嫌は急上昇です。

 俺の血も急上昇です。


 撫で撫で

 

「顔、真っ赤」

「喧しい」


 撫で撫で


「……楽しいか?」

「うん、凄く」

 見りゃ、わかるんだけどな。すげえ眩しい。すげえ可愛い。

 何だか憎むに憎めません。

 でも恥ずい。




 その後、撫で撫で――精神に大ダメージを与える――攻撃は30分にも及んだ。




「で、話を戻そう。これからのことについてだが――」

「顔、真っ赤」

「喧しいっ! 話の腰を折るなっ!!」

「……し、仕方ないわねー」

 何で急に喋り方変わった? 欠片もやる気が感じられない。口調だけならツンデレと取れないことも無いような気がする。まぁ、いいや。気にしてられん。

「自由にこっちとあっちを行き来できることに間違いは無いんだな?」

「うん」

 戻った。

「こっちに居なきゃいけない理由はあるのか?」

「わたしの家がいい」

「そんだけ?」

「うん」

「……俺の部屋じゃ駄目なのか?」

「わたしの家がいい」

「でも俺の部屋に戻せるんだよな?」

「うん」

「じゃあ、俺の部屋でも――」

「いや」

「……俺を向こうに戻すのは?」

「……条件次第」

「して、その条件とは?」

「わたしと一緒に寝る」

「ぶふぅっ!!」

 爆 弾 発 言 !!

「汚い」

「だまらっしゃい。何でいきなり添い寝なんだ」

「そうしたい」

「で、それは――」

「わたしの家で寝る」

 ちっ。

 ん? いや、待てよ? それなら万が一にもこいつの存在がばれるってことは無いか。

「仕方ない。許可してあげよう」

「う、嬉しくなんて無いんだからねー」

 またなんか変になった。さっき同様欠片もやる気が感じられない。

 再びスルー。

 頬は若干緩んでます。ホント若干だけど。

「さて、じゃあもう少し具体的に決めていこうか」

「うん」

「寝るときはこっちで寝ると」

「うん」

「朝学校へ行くことは可能なのか?」

「うん、できる」

「……その間お前は何してるんだ?」

「……一緒に?」

 もう少し物事を考えてから言ってくれ、ホントに。

「戸籍その他諸々の無いお前がどうやって転入する気だ」

「……駄目?」

「駄目とか言う以前の問題で、不可能だ」

「……むぅ」

「まぁその辺は自分で考えてくれ」

「わかった」

「で、纏めるとだ。朝起きて向こうに行って、俺は学校、お前は何かやる。帰ってきたら何らかの用事が無い限りはこっちに来て寝る。以下リピートってことでいいか?」

「うん、いい」

「休みの日はどうする?」

「ずっとこっち?」

 訊くな。

「そういう訳にもいかんだろ。連絡あるかも知れないし。いや、待てよ。それだと平日でも連絡受けられないことになるか。……参った」

「大丈夫」

「へ? いや何が?」

「連絡」

 もっとちゃんと説明してくれ。誰だ、こんな風に育てたのは。……呼んだところで勝てないんだろうなぁ……。

「向こうとこっちで連絡する手段はあるのか?」

「ん。現界の調査の時造られた」

「俺の携帯やらにも使えるのか?」

「多分」

「出来なかったら?」

「……わたしの家で寝るの我慢する」

 おお、何と。素敵なまでのごーいんぐまいうぇいが折れた。

「……いいのか?」

「友達と会えないのは寂しい」

「いや、まぁそうなんだが」

 それはそれで少し厄介なんだが……。隠すのとか。

「伝手はあるから何とかして貰うまでの辛抱」

「研究者に知り合いでも?」

「えっへん」

 いや、だから胸を張るのはやめてくれ。俺の精神の安定の為に。

「んじゃ、そっち方面は大丈夫か。駄目だったらそんとき考えよう」

 何とかなるさがモットーだZE。

「うん」

「休みの日は連絡が無ければこっちで過ごす、か?」

「うん」

「でもさ、遊ぶのは向こうのがいいんじゃないかと思うわけだが」

「あ……。うん、少し興味ある」

「その辺は臨機応変に行こうか。向こうで遊ぶ時は全面的に任せろ」

「うんっ!」

 ああ、また微妙な笑顔。いいね、中身はアレだけど。

 ……なんで遊ぶことよりも、撫でる時の笑顔のほうがいいんだろうか? 微笑と満面の笑顔。あれー? これってまた撫でられるフラグですか?

「まぁ、こんな感じでいいのか? 必要に迫られたら随時決めていこう」

「うん」

 ……こいつ、さっきから「うん」ばっかりだな。何回言った? 当てられた君は凄いぞ!

「移動は全面的に任せた。頼りにしてる」

 むしろ頼りにするしかありません。

「あ、貴方の為じゃないんだからねー」

 ごめんなさい、もうスルー出来ません。

「……あー、さっきから気になってたんだが、その喋り方は何だ?」

「ツンダラ」

 …………ツンダラ?

「いや、何だそれ?」

「ツンツンしてダラけるの」

「素直にツンデレじゃ駄目なのか?」

「ん、新ジャンル」

 そんなジャンル捨ててしまえ。

「そんなジャンル捨ててしまえ」

 声に出ちまいました。

「……え――?」

 茫然自失です。

「ふ、ふぇ……」

 ギャ――――ッ!!? やべっ、泣きかけてる!?

 あああああ、そんなこと言ってる内に――いや、言ってないけど、目に涙がどんどん溜まってダム決壊寸前私達の村はあそこに沈むのかって落ち着け俺!

「い、いや! アレだ! 新ジャンルの開発は大事だよな!? うん、お前はすげえよ!!? だから泣き止んでくださいお願いしますっ!!!」

「わた、し――凄、い?」

「うん! 凄い凄い! 偉い偉い!!」

「…………えへへ」

「ぐふっ!」

 さっきの撫で撫でを上回る威力の笑顔が――っ!! 回路断線! 3番コード繋げ! ああ、こっちは水漏れが! 板で塞げ! 動力停止! 気合だ!


 ――――落ち着け俺ぇぇぇえええっ!!! クールになれ。ビークールだ! ……これでクールになったやつがいないだと? 俺がその初めての人間になればいいだけだ!

「あの、その頭は?」

「撫でて」

「えー、いや、その……」

「撫でて」

 ああ、その涙が残ってる眼で見ないでっ!


 ポン


 撫で撫で


「えへへ……」

 敵攻撃力増加!! 回路断線!! すべての回路がブチ切れました!! 修復負荷です!! ああ、動力が爆発したっ!?


 大口叩いてごめんなさい。僕は冷静になれませんでした。

 つーか恥ずい。兎に角恥ずい!




 撫で撫でに満足したのは一時間後のことだった。




「行こう」

「いや、何処に?」

「連絡」

「ああ、連絡取れるようにってことね」

「うん」

 いや、もう何て言うかね――疲れた。この一言に尽きる。

勢いだけで書いてます。細かい設定は考えるか考えないかすら考えてません。

ツンダラはこれが最初だと信じてます。違ったらごめんなさい。

次回は新キャラ登場の予感です。主人公の名前も出すつもりです。


感想待ってます。切実に。

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