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大卒も支援学校卒も波乱の春です

 トイレ以外で病室を出ることはなかったのですが、調子良い時には下の自販機まで行けるようになったよ!(コーラんめえ)

 飲んでいいか知らんが食事制限有とは聞いてませんからね。飲んじゃった後の検査も特に異変なしだったので大丈夫なはずっ。


 ようやく会社にゆっくり電話できる状態になったので、ありとあらゆるやりかけ仕事の確認ができました。

 入院になる少し前からやべーなあ、という気配があり、こりゃ一週間くらい休むかもという予感もあったので、診察前にデスクひっくり返して共用ロッカーに仕事をぶち込んでたのでした。

 結果として一週間どころの騒ぎじゃなくなってしまいましたが……。

 会社には平謝りするしかなかったのですが、諸々のことはロッカーに放り込んでいたおかげで事なきを得ました。虫の知らせは無視しちゃダメですね!


 ただひとつ完全なやり残しがありまして、四月に入社予定のAさんのことです。特別支援学校をこの春卒業の男の子です。

 色々なことがスムーズにいくわけではないので、会社としても専任でトレーナーをつけて配慮するなど色々と対応しています。

 現場実習って言うんですかね、学校のカリキュラムにそういうのがあり、二年生の頃から何度かインターンも受け入れてまして、その上で入社していただくのです。


 それ以外にも、幾度と本人や担任の先生、保護者と面談したり、こちらからも学校に出向いたりして、長く一緒にお仕事をやっていけそうかどうか見極め、たくさん準備をするわけです。メインで一緒に仕事することになるトレーナーがね。

 彼は今ごろ最後の春休みを楽しんでいると思いますが、まさか肝心のトレーナーが病院にぶち込まれ真っ最中とは思ってもいないでしょうね。来週までに復帰とか不可能です。


 トレーナーの代打はまだ決まってません。厳密に言うと決まっているのだが、私は知る由もないのです。同じくこの春大学を卒業する、新入社員の子に丸投げされる模様です。その子も己の配属は入社式後に知ることになるわけなので、今ごろは卒業旅行だなんだと人生最後のバカンスを満喫していることでしょう。会社って本当にクソですよね。


 トレーナーとて、専門知識や経験があるような社員が任されるわけじゃないのです。私だって始めは、前任者が異動になったからとかなんとかで日の浅い内に丸投げに近い形でバトンタッチされた身なので。

 ほら、新入社員なんて電話番か椅子を温めることくらいしかできないじゃない?

 要するに手が空いている奴に丸投げするシステムなので、会社って本当にクソですよね。


 ところで、Aさん以外にも私の課にはすでに三人いるのです。形式上私がトレーナーという扱いになっているのですが、彼らについては今更手取り足取り何かを教えなければいけない、という水準ではありませんので、私がいようがいまいがあまり関係ありません。

 これはクレペリン検査か? みたいな、私たちがやったら確実に心を病みそうな地道な作業でも、とても丁寧な仕事をしてくれるのです。隣で付きっきりにならなきゃいけないのなんてイレギュラーが発生した時くらいで、基本的なことは彼らにお任せしていて大丈夫なのです。

 しかし入りたてのAさんはそういうわけにはいきませんよねー。そのためのトレーナーなのにねー。


 部長がゆるーい人で、それがせめてもの救いです。しょっちゅう連れ立って一緒にお昼ご飯食べてたりします。何か困りごとがあれば部長に直談判することもあるようです。

 むしろ困ってるのは私の方で、いるはずの場所にいない! となり散々探し回った挙げ句、部長と勝手にティータイムしてたとかいうことが月一の頻度で勃発しているくらいです。


 課長は真面目なので、勝手ティータイムはダメだよと注意してくれますが、リフレッシュも大切なのは分かっていますのであくまで注意のみです。最小限のユーモアは通じます。

 私はそういうわけにはいかないんですけどねっ。どうせ勝手ティータイムだろと分かっていても、もし体調不良とかで行き倒れでもしていたらシバかれるの私ですからねっ。


 そんなもの+入りたてなAさんのことが一気に降りかかって新人さんは大丈夫なのだろうか。他の社員は絶妙にクソっていうか、お局の巣窟なのであまりアテに出来ません。Aさんのことなんて二の次三の次くらいの無責任さを持っていないと新人さん自身が潰れます。

 トレーナーくらい他の人にしたら良いのに、誰も名乗り出ないあたりマジでお察し。


 結局、専門家でも何でもない我々にとって頼みの綱は、これまで育ててきた保護者や先生たちだけなのです。何かあったら「どうしましょ?」と彼らに聞き、対症療法のような表面的対策しかできません。

 会社は労働の見返りを賃金という形で支払っているわけですから、それ以上のことは配慮すると言えども限定された範囲に留まるのです。

 それは新人さんにも当てはまることでして、来週から彼らを襲うであろう波乱を思うとハラキリ跡の痛みがぶり返しそうです。

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