お薬で異世界転移、抱き枕にて帰還
二月からずっと入院、赤字で(劇)と書かれた点滴に繋がれている状態だったわけですが、副作用と思われる症状により血液やら尿検査やらの数値が悪化しまくったのが先週のことです。
そりゃあ(劇)と書かれてるくらいなんだからそのくらいのリスクは当然あるのです。
そのため別の薬に切り替えることになったのですが、今回それに(劇)の文字はない!
このお薬はなんだろなーと、投入前にググってみました。
副作用:心停止
(´・ω・`)……?
これよりハイな副作用って「死亡」しかなくね? とか思っても気にしてはいけません。このお薬がテキメンに効果をもたらしてくれるハズなのです。
それを投入したあとは以下略って感じの酷い目にあったのですが、胸部の苦しみ的な記憶はありませんので、副作用:心停止は発動していないと思います。
以下略、その後。
よくドラマとかではよくある、何かしらで気絶→目覚めると見知らぬ景色が広がってる……って展開、現実にあるんですねー。知らなかったなー。
これがなろうだったらそこは異世界のハズですが、残念ながら現代日本です。白を基調とした風景に己の肉体はベッドの上だったら疑いようもなく病院です。
そして次に確認すべきはゲットしたチート能力ではありません。何か肉体でロストしたパーツはないかの確認が先です。
目玉は動くなーとか、首も動くなー、腕も動くなー、という具合です。私はこの時点で下半身の感覚をロストしていたのですが、左足首と右足の指だけは動いていたので、とりあえず末端までパーツが保持されていることを確認できました。
現実でこのような目にあった時、マイナスの何かは生じていても、プラスの何かはまずもって有り得ません。まずは損なわれた物がないか確認した方が良いよ!
あ、でも誰にも等しく与えられてる召喚魔法ならあります。その名もナースコール!
目覚めたものの下腹部周辺が痛いのなんのって……。動けないのにめっちゃ痛いので、ナースコール連打です。
長いこと入院していると医師・看護士はもちろんのこと、清掃スタッフすらも全員顔見知りです。しかし呼べども呼べどもニューフェイスな看護士様しか現れません。
私、病室移動どころか病院移動しちゃったみたいです。救急搬送という名の異世界転移であります!ヽ(^0^)ノ
ロストしたパーツはなかったのですが、脇腹あたりに覚えのない手術跡が出現していました。オペられてるー。下半身の感覚ないのは麻酔の影響ですね!ヽ(^0^)ノ
救急車の厄介になる前に自分で歩いて病院に行ったのに、これはどういうことでしょう?
後から聞くに、救急車の中でちゃんと名前とかの受け答えはしていたそうです。手術台の上でも、麻酔科医と麻酔が効いてるかの会話もしていたそうです。この辺り記憶にないので、頭のヒューズはぶっ飛んだようです。
心停止してたら会話出来ないですから、やっぱり副作用:心停止だけは回避してました。
体力・気力ともにゼロ状態でオペられてるので、そのあと数日間のしんどさったらもうね……。
痛み止めを点滴していたのですが、何故か痛いのはズバンとやられた腹ではなく背中です。痛み止めなしで眠ることもできないのです。
ぶっ込まれてるカテーテルを外すためにはトイレに行けなければならぬのですが、背中に走る激痛。なんとか歩いてみるものの天地がひっくり返るような目眩に襲われ、座ることもままならず。
前の病院にいたとき、それこそ救急搬送されるほんの小一時間前までトイレくらいトコトコ行けたのにどういうこと?
背中は痛み止めでやり過ごせるが、問題は強烈な目眩。車椅子にも座ってられないと何にも進まないんですわ。考えられる原因は貧血くらいですが、その数値の問題もなく。オペに際して輸血せねばならぬ事態にもなっていないのです。
食欲は不思議とあったのですが、目が回りテーブルは傾いて見える。そんな状態で食えるかっ。
スープなどは水平を保っているので傾いているのは私の視界だけなのですが、貧血要素は何もないのです。貧血としか言い表せない症状だけど貧血ではないのです。それにマジの貧血だったら食欲を感じることすらないよね?
貧血らしき症状を訴える→色々とチェックするも問題なし→貧血らしき症状を訴えるの無限ループです。
しかもここは関係者全員顔見知りになれる規模ではないのです。数日やそこらで看護士全制覇とか有り得ない、いわゆる三次医療機関なのです。
ナースコールの度に「貧血のような症状はあるけれども、現在のところ貧血になるような数値は出ていないので貧血ではない何かです。でも座れないほど目眩が酷いです」的な説明をするわけですが、やはり私は貧血でないし、自覚としてもこれは貧血でないと分かり始めているのです。
完全にウザ絡みしているだけの迷惑患者です。
その内、ナース服はピンクのはずが青っぽい服の看護士がやってきました。
自己紹介とともにネームプレートをチラッとみせてそっと私の視界から消してくれましたが、完全に「心療内科」とか書いてありましたね。青い服も「とりあえず落ち着けや」ってことですねヽ(^0^)ノ
カクカクシカジカ落ち着いて説明するものの、貧血のような症状があるのは事実なのです。
私は病院to病院搬送コースです。精神的に参っちゃって的な可能性もわずかに否定出来ませんが、心療内科召喚された今、これ以上は本気のウザ絡みになるので私は諦めることにしました。
だってここの入院生活も長引く可能性があるじゃない? 看護士だけは敵に回しちゃいかんぜよ!
諦めたのに、なぜか横になっていても目眩に襲われるようになりました。このナイトメアはいつまで続くのでしょう。
ふと見上げると痛み止めの点滴が終了しています。全量入ったので間もなく痛みがなくなるはずです。そこで私はあることに気がつきました。
痛みが引く→横になっていても目眩増強→目眩の原因、コイツ(痛み止め)じゃね?
ググってやりたいものの、起き上がることもできず、薬品の名前が見えません。とりあえず点滴は空っぽになったことを伝えるためナースコールぽちー。
またしてもニューフェイスな看護士さんだったので思い切って言ってみた。
私「点滴が入りきったら目眩が強くなりました」
看護士「この痛み止め強いやつなんで、副作用で目眩とかありますよー」
私(結局副作用かよwwwww)
痛み止めを軽めのやつにチェンジしたら嘘みたく目眩解消、動けるようになりました。
私のウザ絡みはちゃんと根拠があったと証明されたので、クレーマー患者に堕ちたわけじゃなくて良かったです。
副作用:心停止をぶっ込まれて以来、目眩の原因が判明するまでの間、ずーっと同じ姿勢で横たわっていたのです。
前提として長期入院しているためすでに私の背中はバッキバキで、前の病院でも抱き枕なしには辛くて辛くて……。そんな状態で仰向け寝を続けたら背中も崩壊しますよ。
ハラキリ部分は痛み止めなしでも耐えられるようになったので、意を決して痛み止めでなく抱き枕に頼ることにしました。
わずか一晩で現実世界に帰還!
もともと腰痛持ちの方。長期入院が決定したら何より先に抱き枕の準備をオススメします。でないと腰は本体より先にお亡くなりになります。




