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トレビシックの蒸気機関車

 定置式蒸気機関はワットの時代に発達した。そして自動車を作ったフランス軍人も居た。それを鉄道に生かそうとする英国の鉱山技師、リチャード・トレビシックがいまここに居た。


 彼は蒸気機関の高圧化に取り組んだ。ワットは三気圧を上回る機関を作らせなかったが、トレビシックにはそのような枷はなかった。そして高圧化による様々なメリットも見つけ出した。ボイラ圧力が大きければシリンダ径を縮小しても出力が大きくできると言うことを。そして彼はそれに貨車を牽かせようと考えた。定置でロープで引くという方向にいかずに、自走させようというのは、技術者のロマンか何かであろうか。

 そして複動とした。複動とは、シリンダ内のピストンがの両面で給排気が行われるもので、前から後ろにピストンが動くときは前から蒸気が供給され、後ろ側は排気行程が行われる。反対にピストンが後ろから前に動くときは後ろから蒸気が供給され、前側は排気行程となる。そのようなものである。これは四方弁とか言われているが、私はその四方弁を知らない。


 彼は蒸気機関で動く自動車を作り、デモンストレーションを行っている。後にこの自動車は故障した。しかも運転士はボイラの火を落とさずその場を離れたため、機関自体が完全に損壊した。

 翌年に蒸気機関車の設計がされたが、これは走ったかどうか知らん。このときの構造は罐焚きが大変だと思う。


 そして彼の蒸気機関でボイラ爆発事故が発生した。ワットはこれをもって高圧蒸気機関にたいするネガティブキャンペーンを打っている。

 それにたいしてトレビシックは安全弁の改良と熔栓とけせんの設置で対応した。安全弁はこの時まで凄まじく雑な構造で、当時ボイラ技師は何故か殆ど動作しないように弄っていた。ベテランの証だったそうだが、まあそんなことをいってられない。で、熔栓とはなにか。それは鉛でできた栓で、火室天板についている。で、火室天板が露出するほど水位が下がったとき、この熔栓が熔け落ち、ボイラ内の蒸気が火室に急激に吹き込むことで消火すると言うものである。後の時代の蒸気機関車では消火するまでは至らないものの、警告として機能していた。それらの作用は正しかった。


 そして彼は蒸気機関車を実際に作り上げた。それはひとつ、画期的な点がある。強制通風である。蒸気機関車では、シリンダ排気を煙突に吹き込み、不圧を作り出すことで火室から煙突にかけての空気を吸出し、燃焼効率を向上させるものである。蒸気機関車においてはこの強制通風が非常に重要である。煙突が高くできないからだ。煙突が高くできるのならこれは要らない。まあ、この機関車は上にあった橋に煙突をぶつけているが。で、結局線路が馬車軌道であったがため、線路を破壊したというオチがついたが。

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