囚われの御姫様―ファースト
永らく更新できなくて済みませんでした。
また何時になることか知れませんが・・・。
私は昔からお城の外を眺めることしかできずにいた。
お城の外は危ないからと教えられて、ずっとお城で暮らしてきて、でも興味はあったし何度も何度も外へ出たいと思い何度夢見たことか。
でも、今は何時でも出て行ける。
彼が出してくれたから……。
―――囚われの御姫様―――
ある晴れた晴天の下で彼は数人を集めて訳を直ぐに把握するには容易では無い事を言い出した。
「結婚式に招待されたから行ってくる、お前等同行してくれ。」
「「「「へ?」」」」
この場に呼び出されたのは全部で四人でまずは光輝、アレクにエディ、エレナである。
「面白そうだな、うまいもんも食えるんだろ?」
「ああ、いっぱいあるぞ。」
「おいおい、他にあるだろ聞くこと。」
「そうそう、そんな直ぐ言われたって着るものどうするのよ。」
「心配するな、ドレスを数着買ってある。結構盛大な結婚式だから良いものを用意してある。」
「そうなの、良かった。」
「それも違うだろ。」
「ああ、お前の言う通りだな。警備は4人で足りるのか?それに2人はまだ半人前だぞ。」
「それも多分大丈夫だ。そこの警備は万全だからな。」
「そこもやはりぬかりはないか。」
「隊長も一番まともな事言ってますけど少しずれてますよ。」
この組織の中では一番と呼んでいい程のまともな精神の持ち主であるエディはいまや完全な突っ込み要因である。
「取り敢えず予定話すぞ。
結婚式自体は三日後だ。だが、さっきも言ったが盛大に行うらしくてな二日後には披露宴が行われる。明日には現地についておくつもりだから今から準備して来てくれ、一時間もあれば済むだろ。じゃあ、外に集合だから解散してくれ。」
皆は直ぐに部屋を後にした。
「あいつは何を企んでるんだろ。」
部屋の外にでてすぐにエディがポツリと零した。
「さあ知らねえし特に興味ねえな。今はどんな料理が出るのか楽しみで頭いっぱいだぜ。」
光輝は食うことばっかりである。
「私もそんなに気にはならないわね。てか、気にしたら負けな気がしてるし。絶対時が来たら話すとか言って教えてくれないだろうしね。」
案外エレナは普通に答えた。
最後に隊長の意見の番となって皆眼だけを向ける。
「まあジョーカーの事だ。何か考えがあってのことなんだろう。あいつはいつも掴めない感じだからないまきにしても仕方がないだろう。俺は言われたことをやる、それだけだ。」
言われたことをやる、とは固を持っていないようであるがそれ自体も確固とした意見であり考えである。だから、そんな隊長をエディや他の隊員達は目指してついて行くのであり今彼が考えるなと言われた彼はこれ以上の詮索を止めにした。
「いつの間にこんなにたくさんの服を部屋に運んだのよ。」
彼女が部屋のドアを開けると数十着の服と大きな鏡が堂々と並べられており、服を見てみようと近付いてみると紙が置かれていた。
『この中から二着を選んでハンガーに書いてある番号を此処に書いておけ。手に取るのもよし着るのも切るのも自由にしていいが、早くしろよ。』
早くしろって言われても、……全部試着してみたいし。
徐に何とも無しに紙の裏も見てみるとそこにも文字があった。
『P.S 日本には【馬子にも衣装】という諺もあるのだ。慎重に選べ。』
違う国の言葉が入っていて読めない所もあったが、後で光輝にでも聞こうと流すことにしてポケットにしまい服を手に取った。
「う〜ん、これも捨てがたいわね。」
早く済まそうとは分かっていてもそこは女の子な訳でかなり服を着てかなり悩んでいた。
「やっぱり……これかな。」
「俺もそれが一番いいと思うぜ。」
「そうね、…うん一着目はこれにして二着目は…」
「三番目に着た奴なんてどうだ。」
「うん、あれは…」
ジャキッ
愛刀を彼の後ろから喉元に突き付ける。
そこまでの動作は彼に何もさせない程の完璧な動きだった。
「お前、そんな動きが出来たんだな。凄い成長だぞ、嬉しいぜ。ところで、いくら女の子に密着されているとはいえども刃物突き付けられてたらドキドキはするけど嬉しい方じゃないんですが、それにその顔めちゃめちゃ怖いんですけど。」
彼女は満面の笑みを浮かべていた。
「ふふふふっ、怖いですって御冗談を。何時からいらしてたんですか?」
彼女の笑顔見るのひっさしぶりだなー。クリアするのがものすっげえハイリスクだけどな。
「今来たばっかりですよ〜、覗きなんて犯罪行為を俺がやるなら大胆かつ繊細になんてやり方時によってはするかもだけど普通はやらな痛って〜、一皮切れてるぞ血がでてるから、それにジョークだよ。」
まだ見ぬ神よ、今この場この一瞬だけ信じます。どうか俺に打開策を下さい。彼女、何を言っても聞かないどころかどんどんオーラが噴き出ています。
そして、ドアが開き誰かが入ってきた。
「…ッ!!どうしたんですか!?」
入ってきたのは婦長のミハネさんで若いのに他にも料理や掃除、洗濯とにかくいろんなことができるスーパーな人で今年になって漢字の画数が三画になる一つ手前まできて相当焦ってきている
みたいだが、このことは絶対のタブーとなっている。
「今、とんでもない程までの礼の失ったことを考えたり何かしてくれやがりませんでしたか?」
彼に料理人の命を向けながら尋ねた。
「いえいえ、誤解ですよ。考えていたのは精々お綺麗だなって位です。」
「ところでなんでそんな状態なんですか?」
さっきまでとは打って変わった声である。
「それはですね「覗かれました。」
「エレナちゃん首を撥ねて一撃絶命なんてだめよ。ちゃんと○ンスターボールでも捕まえれる位まで弱らせてからじゃないと。」
「それもそうですね。軽率でした。」
エレナは彼に突き付けていた刀を鞘に収めてミハネさんの所にいった。
彼は浴びていたオーラから解放されたことにより抜け出していった緊張によりへなへなと床に座り込んでしまった。
かみいぃぃぃぃ!!くそっ、そうだったな。お前は俺が嫌いだったんだったよな。
お前に頼んだ俺が愚かだったぜ。もういい、お前の助けなど期待はするが当てにはしない。自分の力で生き残ってやる。
あの二人はドアの近くにいるのでドアからの脱出は無理っぽそうだな。となるとやっぱり三階とはいえども………窓しかねえんだけどエレナさんに腕を掴まれました。
「いやですねぇ、何処に行くんですか?これからが良いところなんでしょ。」
彼らは俺の帰りを信じて一生待っていてくれるだろうか?あの日あの時約束を交わした誓いの地で……冗談はほどほどだな。
「お前が時間に遅刻するなんて珍しい事もあるんだな。ところで何であいつはあんなに機嫌がいいんだ?あんなに笑顔なのはかなりレアだぜ。」
「彼女の笑顔をみるのはたいへんだったよ。そのためにはまず誰かが不幸せにならなきゃあならないからな。それよりも時間だからもう出るぞ。ヘリに乗れ。」
皆が搭乗した。運転するのは隊長である。
「エディ、俺が到着するまで冗談の大切さと危険性を教えてやろう。」