表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/16

レジスタンスの裏には?

彼はフェアが好きだ。


それ故に時折に敵に塩を送るのだ。


それは傲慢な事なのだろうか?










ウゥーーゥン!!ウゥーーゥン!!


突如組織内の警報が鳴り、緊急の用事だということが皆の緊張感を高める。


『ジョーカー様、各隊の隊長、副隊長の皆さまは至急会議室にお集まりください。』

夜の皆が食事を終え身を休めていた所であったので少しの怠惰感も高まった。




会議室には残すところジョーカー一人となり、彼もそんなに経たずに入ってきて直ぐに話し始めた。


「私は此処に来る前に要件を聞きましたが皆さんは?」

皆まだだと言う。


「手短にいきます。ルソンの方々率いる抵抗勢力レジスタンスの人達が私達の所有する医療施設の周りで騒ぎを起こしており警備の人達では手が回らないそうです。そこで、ハート隊、クローバー隊、ダイヤ隊の三隊の人達は出撃して下さい。」

光輝の隊はスペード隊にあたる。


暴徒鎮圧に際して三隊派遣等今までにない事であるので皆は少し困惑気味になった。


「三隊を使う事に意味はある。詳細は移動中に話す。ぐずぐずしていて逃げられては意味が無い。よってこの会議は終了だ。」

一方的に話され一方的に終わらされるという傲慢な態度に怪訝な顔を見せるがそれでも行動に移るのは早く、会議室は瞬く間に静まり返った。




車での移動中に彼は無線で話し始めた。

『今回の暴徒は今までの者達とは違い一応の武装を整えてきているそうだ。そこでこの者達の背後に僅かだが資金の元がある感じもある。だが、一番の理由は見せしめだ。レジスタンスの人には残念ですが、消えてもらいます。なお、そのさいに逃げ出す者が居れば一先ず左右と上は良く確認しながら追って下さい。では、C隊は前からD、H隊は左右から攻めて後ろは空けといて下さい。恐らく貴方達の姿を見たら下がってくれるでしょう。』

さぁ、どう来るかな?暴徒の諸君。

そして、いつ抵抗は反乱に変わるのかな?


それとも、いっそ屈伏してくれると俺としてはありがたいのだがな。

そうしてくれるとこちら側も待遇を出来るだけ考えてもいいものを…。


だが、どうせやるのなら最後までやりきって欲しい気もするけどね。






数分後にアレク隊長から通信が入った。

『J、敵隊は我々を見ると直ぐに全員左側に待機しているD隊の方に向かった。』

『お前達は相手がお前達が常に追ってきていると分かる様な位置にいるなり、アピールをするなりしておき、D隊とC隊の中間点に向かう人も数人作って下さい。』

『分かった。』


「……ふぅ。」

通信がきれるとアレク隊長は大きく一息ついた。

「…隊長、あいつは、Jは何考えてるんですかね?最近細かい指示が多くないですか?」

エディは隊長の顔色を見ながら言う。

隊長はエディの顔を一瞥した。

「……分からん。だが、結果があるからな。」

その現状では余り意見が出来ないのだ。



彼は直ぐにD隊と連絡を取った。

『2分後程の俺の合図で前方のビルや建物を崩せ。やり方は問わない。』

『ハイ、分かりました。』


H隊にも連絡を入れる。

『少数班とそれの援護に分けろ。少数班は先ほど話した後方の待機ポイントに急げ。残りの者はC班と連絡を取りつつ包囲網をせばめていけ。援護に向かう用意も怠るな。』

『了解しました。』


「では、6、7、9は先ほど話したポイントへ、気を付けろよ。後の者はC班との幅を詰めるのだ。」

三人は直ぐに動いて行った。


「スタンリー隊長、三人で大丈夫でしょうか?」

隊員の一人が心配そうに言った。

「……心配するな。我々にはあのお方が付いているのだぞ。従っていれば問題が出ても万事解決だ。」

H隊の隊長は少しJを神聖視している所があるのだ。


それというのも、彼はこの隊でも数少ないルソン人の隊員であり、この組織内は多くがセビルア人とは言ってもセビルア人は国籍がそうというだけで一時期解放的な事もあり他国籍な面があるのだ。ルソン人は髪質の特徴や赤茶けた肌色、澄んだブルーの瞳など目立った特徴があるため見分けがつく。

当時既に組織内におり母国の民と戦いもして実績も上げたが、扱いは悪い上に周りから奇異の目でみられる事もしばしばだった。


そんな時に彼から声が掛かったのだ。

彼が来た後軍の人数も増えナンバーを与えられるのは厳しいという状況の中で声が掛かったのだ。


「君は人種を除けばそこそこの実績はあるようだから、空き番になった6に入ってもらうよ。」

嬉しかった。彼は歓喜したのだ。ここに来て一番の喜びかもしれない。彼も人間だ。独りで生きることに虚無感を感じていた。必要とされないという感情は苦痛を与えた。だが、認められたのだ。実績は確かにあるのだが、Jの狙いはマスコットの役割が大きかったが、彼はそんな事は知らない。


そして、この後の言葉を聞いて一生仕える事を決めたのだった。

「分かるかい。君を、ルソンの人間を登用する事の意味が…。皆は困惑気味だったよ。まだ納得していない人もいる。…だからヘマをしないでもらいたい。勿論信用はしている。だが、俺を切り捨てる用意も向こうにはあるんだ。

簡単に言おうか。お前が俺の申し出を受けるなら、言わば君と俺は運命を共にするということだ。お前の失敗は俺の失態として向こうは攻めるだろう今の感じだと恐らく切られる。そして、俺がここを止めさせられたらお前はどうなると思う。現状は今より悪くなるだろうね。

イエスかノーの二択でいこう。シンプルなのが良い。出来れば比喩を使って答えるのは止めてもらいたい。」

スタンリーは二つ返事でそれを承諾した。


「ははっ、お前はいつか後悔するね。俺についた不幸を、俺と出会った運命を……。」



そうした経緯があったりして今では隊長位である。

彼が隊長になる少し前辺りからの事だが、隊に特色が出始めたのだ。具体的にはH隊が潜入や追跡といったぐあいだ。そして今ではH隊は少し独立した部隊だったりもする。








「くそっ、ヤバいぞ。後ろからずっと追ってきてやがる。」

レジスタンスの一人が時折後ろから聞こえる銃声に焦って打ち返して言った。

「ああ、分かってる。でも、相手は慎重にきてるみたいだから大丈夫だと思うぞ。」


「でも、相手も大した事無いのかもね。私達みたいな武器持って少し訓練積んだだけの相手にこの様じゃしれてるかも。フランコは当たらないのに発砲しないでよ。」

一人の子が皮肉めいて言う。

「まぁ、そうは言ってもな、ラト。相手は軍隊だぞ。」


「オルターさんは少し考え過ぎだって、あんな奴らなんか……」


ドッゴーーッン!!


話しながら走っていると数十メートルは先であったが、凄まじい音と供にビルが全壊し、残骸が直ぐ近くに降ってくる。


「ど…どうすんだよ。やべぇんじゃねぇか?これ?後ろからも来てるしオルターさん!!これじゃあ何処行っても…」

「く、えっと……。」

「左か右かどうするの。それとも後ろを突破する?」

全員の顔がオルターの方に向けられる。


「じゃあ……ひ」

『右だ!!』

突然オルターが持っていた無線機から声が出る。が、誰もが焦りを感じていたこともあって皆がそれを彼の指示だとして、右に向かって走りだす。


「オルターさん、後ろから敵が姿を見せました。」

「あ、ああそうか。」


そして、又オルターの無線から声がし出した。

『取り合えず質問に答えて下さい。そんなに疑問に思っても答えて問題はないことだと思います。貴方が皆を纏めていて指示の通せる人物なんですね?』

「………ああ。」

さっきと違って今度は小さな声量であり、オルターは疑問には思ったが無線の周波を知っている程の者なら大丈夫では?と思い正直に答える。


『今からアドバイスをしますが、聞きいれていただいても流してもらっても構いません。まず、このままだといずれ追い付かれて全滅します。』

思わず無線機を落としそうになった。それというのも、少し前に頭の中に全員の死ぬ姿を想像しており、その光景が再び浮かんだからである。


『そこで、生存確率を上げるために二班に分けましょう。一般は軽い武器以外は捨てるかもう一方の班に渡して全力で前を駆けます。幸い敵は前にはいないようなので逃げられるでしょう。もう一方の班には貰って強化した武装で後方に備える。』

彼はこれが囮を作る作戦だとわかり、苦い顔をする。

「だ…だが、それは。」


『無論これは犠牲が出る。だが、むざむざと死ぬ訳でもない。前方をいく人達は近くにあるであろう拠点についたら足に乗って遠くに行って下さい。そこも直に危なくなる。後方の者はその拠点まで下がってきたらまだ勝機もでるかも知れません。武装もセビルアの奴らと変わらなくなるでしょう。では、生きていられたらまた。』

通信は途絶える。


オルターは顔を歪めて考え出す。この結論を手間取ってもいけないという焦りや、受けてはいけないという考え、全滅という言葉の重圧、囮という作戦の重さ、どんどんと深みにはまっていったが、

「…オルターさん。やりましょう。」

近くで聞いていた者が言って、オルターの返事を待たずに彼は皆に聞いた事を指示として説明した。


皆悔しそうな言葉になって、辛そうな表情になる。


それでも、数人の者が顔を見合わせると表情を力強いものに変えると囮を買って出た。

この作戦の一つの肝は囮となるものが居るかでもあり、無線を掛けた相手も直ぐには決まらないだろうと考えていた。この作戦は囮を早く作ればそれだけ生存率は上がるのである。

オルターも囮になろうとしたが、それはこの場では許されなかった。


囮の者の一人には妻子を持つものがおり、首飾りを外して届けてくれとオルターの手に掴ませた。


他の者もしっかりと挨拶を交わしていよいよ作戦は実行された。






『J、敵兵が前と後ろの二つに別れたがどうする?』

『後方を見てるだけでいい。お前達は前方を考えるな。後、誰でもいいから車を3台程回収しておけ。』

……忙しいな。それにしてもこんなにも決断が速いとはな。少し予想外だったぞ。


『H隊お前達は横にそれて後方の隊を追う形になれ。拠点らしき所に敵が入ったら知らせろ。』

『…ハイ。』


ふふっ、ふふふふっ、彼は司令室で悪党笑いを浮かべて、右手の無線と左手の無線を上に投げたりして手遊びをしだした。


これで奴らにも生きるチャンスは与えた。後はチャンスを生かすも殺すもお前等しだいだ。

経験の少ない愚か者共が、経験豊富で武装も上のあいつらと戦ってどうなるか、……みものかな?


まぁ、相手が何を基準として勝利と呼ぶかは分からないんだけど…。

もしも生き残る事がそれなら相手にも十分勝機はあるかもしれないな。

でも相手は余り考え事をしないタイプらしいな。

それにしても何のためにこんなことをしたんだ?……調べさせるか。



それはさておいて、負けでも勝ちでも生き残ってもらわないと少し困るのだがね。












少し更新が滞ってしまいましたね。


さて、少し戦争っぽくなりましたかねぇ。

これからを期待して欲しいです。自分的にはまだ序章ですから。


キャラ見せが終わってからが本編かな?


まだまだ一杯後続が控えてますし……以上で報告終わります。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ