僕の心の溝の出来上がり
この小説の彼とは清涼高校で新しい部活を立ち上げる人物です。
僕は異端、この世の異端、この世の摂理から外れた孤独で孤高の人間。
僕はようちえんのころから、いや、もっと前からだったと思う。とり分け聞き分けが良かった。
ゆえに周りの子たちと同じようではなかった。
他の子たちがとくさつせんたいもののアニメでかたりかけてくる新の正義なる物にはまっている時、僕はせいじかやぎいん、テレビのゲストがときおりかたるうその正義にきょうみをそそられた。
みんながすな場やゆうぐであそんでいる時、一人で本を読みながらそれをながめているのが好きだった。
僕は一人がきらいじゃなかった。
でも、いやじゃないけど好きなわけでもない。
けれど、あまり僕の周りに人はいなかった。
いつも母さんがいただけだ。
僕の父さんは自分のしゅぎはしんでもつらぬくといった頭のかたい人げんだった。
昔から、どれだけ昔からかしらなかったけど、父さんは自分のせいぎという物をまげるのは見たことがなかった。
ゆえに、異端だった。
母さんは、かなりのひねくれ者でひきょうな人げんだった。
それに、さみしがり屋でもあった。
かなりのひねくれ者でランキングでもあればせかいで100位いないには入れるんじゃないかってぐらいひねくれていていつもかなりつっぱっていた。
ゆえに、異端だった。
だが、父はいそがしい人だった。
なにせ動くはんいがせかいたんいだったからだ。
そして、いつも母さんはかわいがり方というのがよく分からなかったから、いつも僕をいじってあそんでいた。
そうして9歳になった。
だが、彼の9年はあまつさえ長かった。
この時、彼は人生のターニングポイントを迎えることになった。
普通の日本人なら20を過ぎたころに迎える転機を、まだ二桁にも満たない歳にも関わらず、である。
この時、彼は学校では完全に浮いた存在になっていて、遂にずっと話しかけてくれていた子も離れて行った――彼が怖くなったのだ。
いつも顔には冷淡な微笑みを浮かべ、自分たちとは別次元の考えを持っている・・・・・彼が。
でも、彼にはまだ両親が居たのだ。
この存在は彼にとっては最後の綱だった。
それは嵐の日の海に浮かぶ船の様な彼の心を地球に繋ぎ止めて置ける唯一の物だった。
でも、その綱はもう長い事繋がれていたみたいで随分脆くなっていた。
彼から友という存在がなくなったこの日遂に彼は両親から離れてしまった。
自分の父の主義と真っ向から戦い、母のひねくれから卑怯に攻め、二人を・・・・・・・・・・・・・・・・・・飲み込んだ。
その瞬間彼はこの世の唯一の支えを失くした。
そして、異端の中でさへ異端になった。
外れ者の中の外れ者。
世界から、弾きだされてしまった。
今まではなんだかんだと言っても人が嫌いではなかったのだが、この時ばかりは憎まずにはいられなかったみたいだった。
人でなく……この世を…。
この話しは彼がこの世を憎み始めてから、高校生になって新しい部活を立ち上げるまでの物語である。