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僕の彼女は異世界人  作者: 藤乃叶夢
第一章 地球来訪編
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第四話 彼女の同居計画

「え、俺魔力あるの?いや、逆に俺以外って魔力ある人通らなかったの?」


魔力なんて自覚も何も無いから全然わからん。一般人の俺に魔力があるなら他の人にも大なり小なり魔力があるんじゃないかと思うんだが。


「ええ、トーヤさん以外・・・少なくともこの二日見たこちらの世界の方々からは魔力が感じられませんでした。あ、あとアキさんからも魔力を感じますよ?」


 俺と姉貴は顔を見合わせ唖然とした。アリスは魔力の持つ人間に協力して欲しくて声を掛けたのだろうか?


「私が元の世界に帰るにしろ、魔王を探すにしろ私一人の魔力では限界がありますし、この世界の協力者が欲しいと思っていたんです。それに、魔法を見せても信用できるかどうかも関係しますし」


これってもしかして憧れの魔法使いに?!



 「えっと、それって俺と姉貴も魔法が使えるかもしれないってこと!?」


俺はちょっと興奮して尋ねた。しかたがないだろう?魔法とか最近読んでる本とかの影響で憧れてたんだから。


 「使えるとは思いますけど、そう簡単に覚えれるわけじゃないんですよ?」


ですよねー・・・・ちょっと期待してた俺がいましたよ。小説みたいにチート的な流れ期待したのに・・・。

 微妙に落ち込んでいるとアリスが提案をしてきた


「トーヤさんもアキさんも魔法とか使ってみたいですよね?帰還の目処か魔王が見つかるまでお教えしましょうか?」


 む、魔法教えて貰うのは嬉しいな、姉も興味があるようだし。


「ですので、教えている間ここに住まわせてください」


「本音は?」


「行く場所無いのでご飯と宿のお世話してください・・・。もう野営とかご飯無しとか辛いんです!」


 身寄りも知り合いも居ない異世界で公園野宿とか確かにきついよな、二日何も食べてなかったみたいだし。だがしかし、この家の財政は姉が担っているのだ!俺の一存では決めれない。


 「姉貴、アリス住まわせてもいいかな?」


 「いいに決まってるじゃない!部屋はお母さん達の部屋片付ければ使えるし、お父さんの書斎を研究室にすればいいわ。ご飯も三食提供するから私にも魔法教えてね?」


 やはり姉も魔法覚えたかったみたいだ、俺も頷いてアリスへ言った


「じゃ、アリスこれからしばらくよろしく。色々わからないこととかあったら姉貴に聞いてくれ!」


「十夜も教えなさい!」


姉に頭を「ぺしっ」っと叩かれた。


「ありがとう!流石にどの程度かかるか判断できなかったから、住む場所が出来てよかったわ!」


アリスも嬉しそうだ、アリスのようにかわいい子が家にいてくれると最近の荒んだ心が和みそうだ。


 今晩からアリスは両親が使ってた部屋に寝泊りして、親父の書斎で今後の研究をすることになった。ちなみに資料とか向こうの世界にあるんじゃないかと尋ねたら、空間魔法の一つアイテムボックスという魔法で異空間から資料や自分の私物などが取り出せるから大丈夫との事だった。

 その魔法も便利そうだし是非教えてもらおうと俺と姉が心に固く決めた。


明日から昼の間はアリスが家で魔王の痕跡の再調査と帰還のための準備をしつつ、夜俺と姉が帰宅してから俺達に魔法を教えるという事に決まった。


 こっちの世界の事を色々教えるために、近所のスーパーやデパート、ホームセンターなど連れて行く事も約束した。こっちの科学技術で一般に売られている物で向こうの世界で価値があるものなどが無いかも調査するそうだ。アリスは「せっかくの異世界!ついでに一攫千金よ!!」とか叫んでいたが、俺は聞かなかったことにした。・・・価値の高い物があったとして、それ誰が金出すんだろう・・・・。


 翌朝、朝食を食べながらアリスが同居してもおかしくない設定を考えることにした。やはり今まで二人暮らしに可愛いらしい外人少女が居たのでは世間から不思議に思われる。

 買い物の最中に学校の奴などに会った場合極めて面倒な事態が想定される。


「普通に海外からのホームステイでどうかしら?」


姉がパンにジャムを塗りながら提案してきた、確かにホームステイなら別段嘘でもないし問題は無いだろう。


「どこから、と言われたらお母さんの昔の知り合いの娘さんとでも言って、国はイギリスででもいいかしら?」


 アリスはホームステイとイギリスが分からなかったようで、姉に詳しく教えてもらっている。

姉が母方の、と言ったのには理由がある。実は親父は日本人顔なんだが、母さんは銀髪碧眼の外国人なのだ。といってもどこの国の出身かは聞いたけど答えて貰っていなかった。

 母さんは「日本で育ったから産まれの国は知らない」と聞く毎に言っていた。親父も母さんも両親は早くに他界したと言ってたから、生まれのルーツがわからないのはその為だろうと俺はずっと思ってた。


 そして、俺と姉はハーフといっても容姿は何故か純和風の顔立ちである。普通ハーフだともうちょっと彫りが深くなってたりって聞くんだが、変にこれぞハーフ!って顔よりはよかったかもしれない。


 結局姉の提案を採用して、アリスはイギリスからのホームステイという事にした。ついでに母さんの出身国もイギリスってことにしようという事で話がまとまった。


俺達は朝食後それぞれ行動を開始した。俺は学校だし姉は会社に行く、アリスは書斎と寝泊りする部屋の片付けとアイテムボックスから資料を広げ調査を開始する準備をするようだ。


 その日の夕方、俺と姉が帰宅してから三人でアリスの当面必要な服や生活雑貨を買いにホームセンターに出かけ結構な量の買い物をした。アリスは何を見ても「これは何?!」と俺や姉に尋ねまくっていたのでとても賑やかな買い物になった。


 アリスが気に入ったものとしてはボールペンや大量のコピー用紙だ、ノートのほうがいいんじゃないかと言ったけど、コピー用紙のようなバラバラな紙のほうが拡げて見ることができて便利らしい。

 やはり向こうの世界は羽ペンや羊皮紙、パピルス草で作った紙が主流らしい。

安価な値段でこんな上質な紙があるなんて!ってすごい驚きようだったなぁ。


 あと、今後俺や姉への魔法の授業用に人工水晶玉を買って欲しいと頼まれた。なにやら魔法の適正を調べるのに必要らしいので二つ返事で購入した。


家に帰宅したものの、部屋の片付けや魔法の授業用の資料を準備する関係上俺達への魔法授業は明日からになった。残念ではあったけど、今日は買い物の片付けもあり授業をしても中途半端な時間になると思ったので断念した。


「はぁ~、すごいですねこちらの世界は!こんなに物が溢れていて全てが上質な物ばかりです!」


アリスはホームセンターに感動しまくりで帰宅してからもずっと興奮状態だった。

お読みいただきありがとうございます

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