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僕の彼女は異世界人  作者: 藤乃叶夢
第二章 異世界訪問編
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第三十七話 彼女と爬虫類討伐2

本日二話目の投稿です

 前半の部分は主人公視点ではない書き方になっています

途中から視点戻ります。

 時間になったので姉とアリスを起こしにテントへと行く、中へと入りアリスを起こそうとしたが寝顔が可愛くてつい見入ってしまった。少しだけ寝顔を堪能してからアリスと姉を起こす。

 特に変わった事は無かったと聞かれたので探知魔法に狼が引っかかったけど、問題は無かったとだけ答える。姉とアリスと交代し、俺と御者はテントへと入り寝ることにした。


 アリスと千秋は焚き火に木を足しながら十夜と野営を交代した。千秋がアイテムボックスからコーヒーを出して二人分淹れる、アリスにコーヒーを渡しながら周囲へと探知魔法を張りなおす。

 ちなみに十夜は半径1kmが限界だが、千秋は半径5kmまで張ることができる。これは千秋が放出系に特化しているからだが、地球にいるときよりも範囲が広がっていた。先程十夜が感じていたこの世界へ来てからの変化は千秋も同様のようだった。


 「さっき、十夜が言ってたけどあれ絶対狼叩いてきたよねー」


 どうやら姉の千秋には十夜の行動はお見通しのようだった。探知魔法では魔物の種類までは分からない、だけど十夜は”狼”と言った、つまりは目で見たという事である。


 「私達を起こさないようにという配慮は嬉しいんですが、手に負えない魔物だったら後手に回るかもしれませんから、注意はしておくべきなのでしょうね」


 アリスも同様に気付いていたようだが、自分を起したくないという気持ちからだとは分かる。だから強くは言えないという気持ちもあるのだ。

 アリスと千秋の場合なら前衛・後衛と相性も良い、それに遠距離からの魔法によりここから離れる必要も無いのでいいのだが、十夜の場合相方が御者で非戦闘員であり魔物に対応するには近接しか手段が無い。だから本当は二人を起こすのが正解なのだが十夜の優しさを理解しているだけに強くは言えない、しかし不測の事態を考えればやはり今後は注意しなければと二人は考える。


 この後二人は取り留めの無い話題で夜を明かす、主にアリスと十夜の恋仲に関しての話題なのでアリスが真っ赤になったりするだけなのだが。

 特に問題なく夜が明けて来た所で十夜だけが起きてくる、御者は昼間に馬車を動かしてもらうのでまだ寝て貰っている。


 「おはよう、起きてくるのまだ早いけど寝れたの?」

 「ああ、問題なく。どうせ昼間揺られながらでウトウトしてたからな」


 姉が声を掛けてくる、俺は欠伸をしながら答えた。姉が俺にコーヒーを淹れたのでブラックで飲みながら意識を覚醒させる。

 姉が朝ごはんの支度をするというので、アリスと二人見張りをする事になった。


 「トーヤ、夕べの見張りの時ですけど・・・」


 この後、アリスに狼を単独で迎撃した事を指摘され、短くだが注意を受けた。


 「でも、トーヤの気持ちはわかっていますから。そういう所は嬉しかったですよ」


 注意だけではなく、二人を起こしたく無かった点については褒められた。だけど優しさを履き違えていたのは理解できた。今後は全体の安全の為におこすことにしよう。

 その後、朝食が出来るまで二人で後一人欲しいですねという話になったが、女性は俺が浮気するかもしれないから駄目という話になったり、男はアリスが取られるかもという話になり、戻ってきた姉にバカップルと呆れられた。

 やはり姉に彼氏が出来た時に、そいつを入れようという事に纏まった。苦労をかけた分、姉にも幸せになってほしいので帰ったらお婆ちゃんにでも誰か紹介してもらおう。

 朝食を食べ、依頼書に記載されている目的の場所まで移動を続けた。


 今回の目的の場所まであと数キロというところで御者には馬車と待って貰う事にした。

今回は二つの目標が近くにいると書かれていたので、慎重に探知魔法をかけながら進むことにした。暫く進むと姉の探知魔法に反応があった。どうやらそれ程離れていない場所に3つと2つの反応があるらしい、3つがリザードマンで2つのほうがラミアだろう。


 俺達は相談し、2つのラミアから先に倒すことにした。リザードマンは強靭な肉体を持っていてランクもBだ、ラミアはCランクだし特殊な攻撃もしてこない。


 俺達は気配を可能な限り殺し、ラミアの居るだろう方向へと進む、荒野といっても枯れ木や岩が点在しており、身を隠す事はできそうだった。反応のあるところから100mくらいの距離でやっと視認できた、上半身は裸の女性で下半身は蛇だ、向こうの世界の神話とかで登場するものと特徴が一致している。


 「ラミアは蛇の胴体を使っての締め付けに注意が必要です、捕まると吸血してくるくらいですが毒は無いようです」


 よし、特に問題は無さそうなので俺、姉、アリスの順で突っ込む事にした。俺が一旦左側から回り込み、俺に気を取られた隙に背後から姉とアリスが奇襲を掛ける作戦だ。

 俺は慎重に二人から離れ、ラミアの左側へと移動する。ラミアを挟んで対角線上に位置する場所に二人が来たタイミングで俺が岩陰から飛び出す。


 「うぉおお!」


 ラミアの意識をこちらに向ける為雄叫びを上げ走り出す、ラミアは俺に気付きこちらを向いた。ラミアの陰から二人がそっとこちらに向かって来るのが見える、俺はラミアに近づき剣で切りつける!

 ラミアは予想以上に動きが早かった、シュルシュルと蛇の胴体で地面を滑るように移動し、俺の剣を避ける、流石に昨晩の狼と同じって訳にはいかないか、と俺はラミアの爪を避けながら考える。

 そのとき、二人の魔法が完成し俺とラミアの方に飛んで来たのが見えた!後ろに跳躍し巻き添えにならないよう距離をあける。


 ラミアの体に氷の槍が突き刺さる!どうやら『氷の槍アイスランス』の魔法のようだ、奇襲だから手数の『氷の矢アイスアロー』より一発で仕留めれる魔法を選んだようだ。氷の矢は同時に複数の矢を飛ばすことができるが、威力が足りないのである。


 一匹が上半身を貫かれて絶命する、しかしもう一匹は肩に刺さったようで苦痛の悲鳴を上げる。


「キュアアアアアアアアア」


 甲高く、嫌な悲鳴だ。俺は顔をしかめて残ったラミアの首を落す。

これで片方の依頼は達成だな、と気を抜いた次の瞬間!アリスと姉の背後に何時の間にかリザードマンの姿が現れていた!


 「二人とも!あぶない!!」


 俺は二人に向かい大声で叫ぶ、同時に全力で身体強化を掛け走り出した。

二人は接近に気付いていなかったらしく、後ろを向いて驚愕した。同時にリザードマンの内二匹がそれぞれ二人に棍棒を振り下ろした。

 姉は持ち前の身体能力で辛うじて直撃は避けたが左腕に食らったようだ。だが、俺達より身体能力で劣るアリスは避けきれる訳が無かった。

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