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僕の彼女は異世界人  作者: 藤乃叶夢
第二章 異世界訪問編
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第三十二話 彼女と蜂退治

本日二話目の投稿となります。前の話からお読みください。

少しでも楽しんでいただけると嬉しいです

 しばらく森を進むとちらほらと魔物からの襲撃があった、ほとんどは狼でそれぞれで対応できる程度の強さだった。俺は剣で数回打ち込み倒したし姉は槍で性格に首を狙って刺していた、アリスは魔法で遠巻きに見てる狼を各個撃破していた。


 三十分くらい森を進むとやっと目的の殺人蜂キラービーを見つけた。まだこっちに気付いていないようで木の隙間を飛んでいたのをアリスが見つけたようだ。

 俺はアイテムボックスから魔物用の発炎筒を取り出した、姉もアリスも同様に用意しているようだ。このまま殺人蜂キラービーに巣まで案内して貰い、一網打尽にする計画だ。


 木の陰に入られ見失いそうになりつつ殺人蜂キラービーの後を追う、今の所他の蜂はこの周辺に飛んでいないようだがもし見つかってしまえば追跡どころか俺達が包囲されてしまうだろう。

 慎重に進むとブーンという羽音がかなり大きく聞こえてきた、巣が近いのだろうと思い戦闘態勢に入る。羽音のする方向を凝視すると何やら薄茶色の巨大な塊が見えた、あれが蜂の巣だろう。しかし、なんて巨大なんだろうか。下手な家一軒程もあるじゃないか?


 俺は発炎筒を数本両手に持ち、アリスに火を点けて貰ってから巣の方向へとダッシュする!

蜂の数匹が俺に気付いて向かってくるが、俺は身体強化の魔法で回避しつつ巣へ向かう。完全に巣の形が見えた時点で発炎筒を巣の周囲を囲うように投げ捨てる。まず右手に抱えていた発炎筒を全て投げた時点で殺人蜂キラービーを義手で迎撃する。


 俺の義手は金属製なので牙でも針でも構わず打ち砕いていく、今ならオリハルコン製だし鋼鉄に向けて殴っても壊れないだろう、もっとも肩が抜ける可能性があるが・・・。


 俺のパンチで向かってきていた殺人蜂キラービーの数匹が撃墜される、そうこうしている内に両手で持っていた発炎筒の全てを投げ終わった。姉とアリスが煙の範囲外から逃げる蜂に対して攻撃しているはずなので、俺も煙の範囲外へと下がりながら蜂を殴りつける。

 だいぶ薬の成分が効いてきたのか蜂の動きが鈍くなってきた、俺は剣を抜き高度が下がってきている蜂の首や胴体を切り落としながら移動していった。

 数分が過ぎ、煙が薄れてきた周囲で見たのは地面に転がる殺人蜂キラービーの集団だった。これだけの蜂が転がっていると気持ち悪いな・・・、軽く見た限り50匹は越えているようだ。

 俺達は直ぐ様武器で転がっている蜂に止めを刺していく、巣に向かって進むと他の蜂に比べて2倍くらいのサイズの蜂がまだ動いていた、これが女王蜂だろう。流石に飛べないようだが他の蜂が転がっているのに対して動けるだけ生命力が強いのだろうが、飛べなければ狼より楽にとどめがさせた。

 殺人蜂キラービーと女王蜂を倒した俺達は素材をアイテムボックスに入れる作業をしている。


 「しかし、この発炎筒すごい効果だよな?これがあれば簡単に蜂退治とか出来るんじゃないか、蜂蜜とか安く買い叩かれそうじゃないか?」

 「いいえ、そもそも殺人蜂キラービーの巣にあれだけ近く近づける冒険者って少ないと思いますよ?その前に察知されるか近づこうとして刺されて大概は逃げちゃうんです」


 そうなのか?俺結構簡単に近づいたと思ったんだけどな。まあ大量に流通してるんじゃなければ俺達が持って帰るコレも高値が付くと嬉しいな。


 「蜂蜜は巣ごとだとして、蜂の死骸は素材以外燃やしてしまいますからどこかに纏めてください。あと蜂の子はさなぎか幼虫問わず売れますので、洩れなくお願いします」


 「うわー、流石に蜂の子は気持ち悪いわ・・・、私絶対食べれないと思う」


 姉が木の棒で箸のように蜂の子をつまんでいる、確かに素手で触るのは遠慮したい姿だ。

しかし、いい値段で売れるならこのくらいは男である俺が頑張らなければ!と思ってアリスを見ると、素手でぽいぽいと蜂の子をアイテムボックスに入れていた・・・。



 王都に戻り、ギルドへと向かう。ギルドでは討伐依頼の報告だけで、素材は万屋よろずやに持っていく事にした。まとめて売ることで俺達にはまとまった金が入るし、万屋が流通量を微妙に調整して捌く為相場の値崩れが起きないんだそうだ。

 これがギルドなど複数に売ると一気に流通してしまって値崩れが起きる、そうすると次の討伐依頼があっても依頼料が下がってしまうらしい。


 ギルドへと行くと、受付に居たのは以前ギルドマスターと一緒に居た女性職員だった。今日は名札付けてるな、『マリナ』さんと言うらしい。


 「あら、トーヤさんとチアキさん、それにアリスティアさん。依頼達成の報告ですか?」


 どうやら普段受け付けにいる職員が休みの為、代わりに受付をしていたようだ。


 「そうです、殺人蜂キラービー駆除の依頼達成です、素材はアイテムボックスに入れてるので向こうの買取カウンターに出しますよ」


 俺はそう言ってアイテムボックスから女王蜂の羽を出してみせた、女王蜂の羽は通常の殺人蜂より大きいのと虹色に輝いていてとても綺麗なのだが、これで女王蜂及び巣の駆除が成功したと分かってもらえる。


 「あら、流石ね。依頼受けたの昨日の午後でしょ?すばらしい手腕ね、この前の依頼達成と合わせて次の依頼内容次第ではランクもアップしちゃうかも?」


 つい数日前に冒険者になったばかりなのに、そんなに簡単に上がっていいのだろうか?普通はかなりの依頼を達成しなければいけなかったはずだが。


 「以前の説明覚えているかしら?ランクDからCへは依頼を20回達成しなければならない、これが基本なのだけど。どう見てもDランクより上の実力を持っている場合にはランクアップをギルドマスターの権限で行う事が出来るのよ?」


 へぇ、知らなかった。といっても前回のバーサークボアと今回の殺人蜂キラービーしか倒してないんだが・・・。俺が不思議に思っているとマリナさんが呆れた顔で言った。


 「あのね?バーサークボアはともかく殺人蜂キラービーの巣ごとこんな短時間で片付けれる人なんて普通Cランクのチームでも何チームか居るかどうかなのよ?Dランクチームって腕じゃない事くらいわかるわよ」


 そんなに殺人蜂キラービーの討伐って難しかったかなぁ?アリスにも言われたが簡単に行った所為か今一理解できなかった。

 何にせよ、次の依頼次第ではCランクへのアップが可能になるかもしれないなら、俺達の目的の名前を売る事に一歩近づくのだ、喜ぶべきなんだろうと納得することにした。

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