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僕の彼女は異世界人  作者: 藤乃叶夢
第二章 異世界訪問編
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第二十八話 彼女と学院再び

いつもお読みいただきありがとうございます。


 一時間程学院を見て歩いていると学院長の時間が取れるようになったらしい、別な教師が俺達を呼びに来た。そのときに生徒達から注目を浴びてしまい、大勢の視線に晒された。きっと何者かと思っているのだろう、生徒達の間で囁かれているのが耳につく。

 呼びに来た教師は注目を浴びさせてしまったのに気付いたのだろう、申し訳ないと俺達に頭を下げるがそれが更に目立っている。


 「どう見てもどこかのお偉いさんが学院長に会いに来て、教師に頭を下げさせてるって構図だな」


 俺は誰にとも無く呟いた。姉は聞こえたのか苦笑しているが否定をしないという事は、そう捉えられる可能性はやはりあるのだろう。今後学院に足を伸ばしたときに変に見られなければいいが。


 「何か言って来ても相手にしなければいいんですよ、どうせ噂なんてすぐ消えますって」


 アリスは気にし過ぎとでも言うかのようだ、自意識過剰だっただろうか。俺も苦笑して教師二人に案内され学院長の下へと向かった。

 学院長の部屋へと案内され、俺達三人だけが中に入った。この前と違い護衛の四人は居ないようだ、身元がはっきりしたから心配要らないということだろうか?


 「お婆ちゃん、呼ばれたから来たよー」


姉が開口一番で学院長へと話しかけた。他人の目がないので他人行儀な喋りはしない事にしたようだ。学院長は姉の言葉を聞くと嬉しそうに微笑みながら言葉を返してきた。


 「やっぱりその呼び方は嬉しいわねぇ、家の子らは堅苦しくて他人行儀なのよね」


 「いや、それは仕方ないんじゃないか?格式に則って話しをしないといけないだろうし。俺達がイレギュラーなんだと思うけど」


 俺は出して貰ったお茶を飲みながら学院長へ言った。学院長はそうなのだけれどね、と困ったような表情をしたが、すぐ笑顔に戻り話を続けた。


 「でも、トーヤとチアキが来てくれてからは「お婆ちゃん」と呼んでくれるのだし満足だわ!内孫もかわいいのだけど、やっぱり親しげに話ができる子も欲しかったのよ」


 しばらく学院長と取り留めの無い話を続けながら長年会わなかった溝を埋める、お袋の小さい頃の話から駆け落ちまでの経緯とか、今まで知りえなかった事をあれこれと教えてくれた。

 そうして一時間くらいも喋っていただろうか、学院長は本題を思い出したようで話題を変えた。


 「それで、二人に住んでもらう予定の館が見つかったの、アリスティアも含めて三人かしら?少し大き目だけどなかなか良い物件を用意したわ」


 学院長はそう言い不動産屋で扱うような間取り図をテーブルに広げた、2m四方くらいの大きな紙を拡げ、学院長が各部を説明してくれる。


 「ここが玄関ね、そして大広間、お風呂もあって部屋が八つでキッチンが・・・」


ん?なんか部屋の数がおかしくないか?説明を聞きながら間取りを見るとあり得ない広さの家だとわかった。一階に普通の部屋が8、大広間が1、風呂とキッチンがあるのだが、更に二階があるようだ。二階には部屋が6とそちらにも風呂と小さなキッチンがある。どれだけの豪邸なんだよ!


 「あの・・・、お婆ちゃん?なんか三人で住むには大きすぎない?」


俺は学院長の説明を止め尋ねてみた、すると何か問題でも?という表情で


 「あら、下級貴族くらいでもこの程度の館には住むわよ?上級貴族であれば別宅にすらならない程度の小ささね。このサイズくらいならメイドを4人も雇えば十分だわ、それに私がお忍びで遊びに行く時があれば私と護衛がお世話になるくらいの部屋数は欲しいもの」


 どうやら価値観が全くズレていたようだ、俺は姉と顔を見合わせてどうしようと悩んだが結局用意してくれる家なのだから俺らに拒否権は無いと思って諦めた。


 「ま、まあ・・・この家でいいとしてメイドとか雇うの?給金とか俺らで払えるのかなぁ?」


 メイドは雇わなくても掃除くらいは魔法でなんとかなるし、料理は姉も作れるから要らないんじゃないかと思ったが、学院長から叱られた。


 「あら、冒険から帰ってきてからの料理なんて億劫おっくうなものよ?それに掃除やベットメイキングなんか毎日できるの?使ってない部屋まで全部よ?ね、メイド雇ったほうが楽でしょう」


 ちなみにメイドを一人雇うのには月に500エル(約5万円)らしい、安すぎないかと尋ねると住み込みだから食事は俺達に用意した余りを食べるそうだし、寝泊りの心配も要らないからそのくらいでいいらしい。

 親父の倉庫にあった要らない物を売った金が3万エル(300万円)くらい残ってたな、それに一昨日冒険で得た金もある。メイド三人くらいは一年くらいは雇えるか、そういえばこの家っていくらするんだろう?


 「お婆ちゃん、そういえばこの館って値段いくらくらいになるの?あまり高いと家賃とか払えないんだけど・・・」


 「あら、この館はこっちで用意するものだから諸費用含みで私がポケットマネーで払うわよ?家賃とかも無いから気にしなくていいわ。精々そうね、何かあったら修繕とか細かな改修とかが必要な時はトーヤ達が払う必要はあるわね」


 どうやら学院長が支払いをするらしい、ポケットマネーというからどの程度か念のため聞いたらなんと10万エル!(約1千万円)もするらしい!余りの値段の高さに断ろうとしたが、既に頭金を払って物件を押さえたと言われた、ここで断ると半分の5万エル(500万円)が無駄になるそうだ・・・。

 俺と姉は頷くしか行動は残されていなかった・・・。

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