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僕の彼女は異世界人  作者: 藤乃叶夢
第二章 異世界訪問編
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第二十一話 彼女と冒険の心構え

本日二話目の投稿となります。

 登録が済んでから俺達はもう一度ギルド長の部屋に通された。


 「おう、無事に登録済んだようだな。本来はFランクからスタートの所だがカード見てもわかるように初級冒険者の数値じゃ無い、Dランクからで十分だ」

 そうなのか?今一ランクの凄さが分かっていないので戸惑っているとギルド長が説明してくれた。


 「ランクFってのは初心者ニュービーだ、戦いのイロハから教えないとまともに魔物なんて殺せない奴だ、そういう奴は街からまず出さない、薬草採取や素材集めで街を出ても魔物や盗賊に殺されるか捕らえられて奴隷にされるのがオチだ。

 次いでランクEだが、最低限の戦闘技術を得た奴らの事だ。何か一つの武器を獲物に出来、魔法なら攻撃魔法か回復魔法の一つ使えりゃ成れる」


 ふむ、そうなると俺と姉は格闘技も武器も一通り扱えるし魔法も全系統使えるからDが順当なのか。


 「Bランクまでは戦闘能力とギルドへの貢献度で上がる、DからCは20回の依頼達成、CからBは50回だ。ちなみに失敗するとペナルティとして成功回数3回減るからな?無茶な依頼は受けるな。事実確認をして落ち度が無いと判断されても1回は減る、そうそうBに簡単には成れないようになってる」


 依頼失敗ごとに成功3回減るのは痛いな、理不尽な原因での失敗でも減るのか・・・。


 「そしてBからAへは魔物のランクが関係してくる。そこいらの雑魚をいくら倒してもAには成れない。魔物のランクもFからSSSまで登録されていて、Aランクに上がるには最低でもAランクの魔物を倒したと証明できなければ成らない。あと、Aランクから貴族や王族と関わる機会が多くなってくるから礼儀作法を100時間は講習受けないとダメだ」


 成るほど、魔物のランクがあるのか。俺は分からないことがあってギルド長に尋ねた。


 「あの、モンスターのランクってどうやって調べるんですか?」


 「ああ、ギルドのカウンターの近くに図鑑がある。依頼書を読んでモンスター討伐に関わる場合は必ず確認して行け、あとは最低この近場に出没する魔物は特徴と弱点くらいは把握しておけば生きていける確立がだいぶ変わるぞ?」


 なるほど、知らない魔物との初戦闘は死ぬリスクが高いらしい。是非確認してから出かけよう、ある程度は俺でも覚えれるだろう。


 「わかりました、ありがとうございます」


 しかし、礼儀作法100時間の講習って嫌だな・・・。1日4時間としても一ヶ月かかるじゃないか。


 「あと、数人で一緒に行動するならチーム名を登録しておけば知名度が上がり易いぞ?お前達の冒険者になった理由からすれば知名度が上がるほうがいいんだろう?」


 ギルド長が親切にも教えてくれた、そうだ俺達は両親を探す為に冒険者になって名を売る事が目的だ。親父達が見てすぐ俺達とわかるようなチーム名がいいんだろう。


 「わかりました、チーム名は後で考えて登録させて貰います。親切にありがとうございます」


 俺は頭を下げた、ギルド長は珍しい物でも見る目で俺をみた。だが、親身に何かを教えてくれているのだから礼を言うのは当然だ。


 「構わん、有名なチームや冒険者は何時も必要だ。英雄クラスの冒険者や騎士なんかは市民の心の拠り所にもなったりする。そういう奴らを見てまた若い奴らが冒険者になってくれるからな」


 魔物が蔓延るこの世界では騎士や冒険者は常に必要とされているようだ。あれかな、有名なサッカー選手とかをテレビで見て俺もサッカー選手になる!って事なのかな。


 「目的もありますが、男として英雄と言われるような人になってみたいですね」


 俺は笑って言った、ギルド長も「そのくらいでちょうどいい」と笑って返してくれた。


この後、チームでの連携を試すなら練習場を使えと言われ俺達はギルドの建屋の裏手にある練習場に行くことにした。未だに親父の倉庫から手に入れた武具を使った事が無かったし、感覚を掴まないといけないと思ったからだ。


 「さて、それぞれ武器は何でいくか?」


 俺は前衛職だ、格闘系と刀が得意なので殴っても大丈夫な手甲と刀をアイテムボックスから取り出した。遠距離は魔法で対応できるが、一応投擲用のナイフでも後で買っておくか。


 姉は中距離ミドルレンジを担当し、武器は1.5mの槍をメインにするようだ。接近された時の為にショートソードも腰に着けている。魔法も得意だからよほどの事が無いと接近戦はしないだろう。


 アリスは完全な遠距離ロングレンジを担当する、武器は魔法の威力を増幅できるスタッフを使うらしい。


 一通り立ち居地や武器の素振りなどをして体を武器に慣らしていく。一時間も訓練をしているとだいぶ体も温まってきた。


 「ふう、このくらいでいいか。あとは実践の経験を積むだけだな」


 俺は汗を拭きながら二人に言った。二人とも結構汗をかいていたのでそろそろ宿に戻ってお風呂に入ろうと言って来た。


 武器の扱いは多少慣れては来た。問題は魔物でも盗賊でも戦いになった時に殺せるかどうかだ。日本で生きてきて動物ですら殺す機会は少ない。田舎だったから鶏の屠殺とさつした物などを近所から貰って捌いた事は何回かあったが、殺した事は皆無だ。


 宿でお風呂に入り、飯を食った後に二人にその懸念を話した。


 「そうね、私も当然殺した経験は無いし・・・。いざと言う時に躊躇ためらってこっちが殺される可能性も否定できないわね」


 姉がそう言って唸る。殺さなければ殺される、そんな事ですら向こうの世界ではあり得ない事だった。でも、この世界では躊躇ためらったら殺されるのだ。


 「私は学院の実地研修で魔物との戦闘は経験があります。こちらの世界の住人なので特に忌避感は無いですね、流石に人を殺せと言われると出来るかわかりませんが」

 アリスは流石というか、こちらの世界の住人だけあって魔物を殺したことがあるそうだ。


ともかく、一度弱い奴からでも戦って慣れるしか無いのだろう。悩まず殺せるような人間にも成りたくは無い。でも、殺せなかったから自分が、二人が殺されると言うならば覚悟を決めるしか無いのだろう。

寝れなかったので書いてました。

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