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僕の彼女は異世界人  作者: 藤乃叶夢
第一章 地球来訪編
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第十三話 彼女と日記

お読みいただきありがとうございます。

ちょっと頭が働かず後日手を加えるかもしれません。

 XX月XX日


 俺達がこの世界に来てから数週間が経つ、相変わらず言葉は魔法でなんとでもなったが文字が読めないのが問題だ。文字の練習もかねて日記をつけるとする。


 あちらの世界では執政にまつわる書物は書いていたが、このような日々の出来事について書く日記という文化には関わりが無かった、一般の民はこのようなものを娯楽にしているのだろうか?


 XX月XZ日


 向こうの世界から持ってきた装飾品を売り払ってまとまった金はあるが、何時までも宿屋暮らしも経済的に厳しい。住居が欲しいがこの世界のコセキなる物が無いので今しばらく宿屋で過ごすか。



 XX月ZZ日


 この世界で初の友人が出来た、居酒屋で会った奴だが絡んできたので軽く捻ってやったら意気投合した。色々と便宜を図ってくれるそうだ。腕や肩に綺麗な絵を画いている変わった奴だが根はいいやつだ。


 ZZ月XZ日


 住む場所も仕事も奴に世話になりっぱなしだ。気持ちで多少の報酬を渡そうとしたが「俺とお前の仲だろ?」と言って受け取らない、義理堅い奴だ。


---------------------



・・・この途中で書かれている友人ってヤ○ザだよな?他の事より世話になった人っていうのがヤのつく人だったことに驚いたわ。


 まあ、義理人情に厚いって言うからな。ともかく、最初の部分だけを読んでも完全に親父は異世界人だよな!?もう確定事項じゃないか!


 読み勧めてもらったが、途中でお袋の話も出ていた。やはりお袋も異世界人らしい。


この世界に来た異世界人、そして魔王本人かもしくは血縁者であることは間違い無いと思う。


 「はぁー、驚きの連続だぜ」


俺は溜息をついてソファーにもたれかかった。


 「でも、魔王とお姫様って確証に繋がる文は無いわね?」


姉も反対側のソファーに座って呟いた。そうなのだ、確定なのは異世界から来たことだけで、向こうでの名前も身分も全く書かれていなかったのだ。


 「そうですね、しかし異世界転移の魔法は当時の魔王が開発したといわれていますし、資料も魔王が居なくなった直後に王宮で資料として保管したそうなので間違いないのではないでしょうか?」


 アリスの推測は正しいのだろうか?だとすれば魔王と姫の間に出来た子供という事になるが・・・。


 「まあ、何にしろ駆け落ちした二人の子供だとしたら王族というわけでもないんだろう?」


俺は極めて楽観的に答えた、ぶっちゃけ異世界での両親の立場がどうであれ、俺達は俺達だ。


「そうですね、少なくとも魔王のほうは後継者が後を継ぎましたし継承権は無いかと。姫のほうも王子が後を継ぐらしいですし、その子供が居ますので変に名乗り出ないほうが揉めないかと思います。」


俗に言う継承権問題だ。もしも異世界に渡っても絶対に名乗らないぞそんなのは!


 しばらく日記の続きを読んで貰い、両親が異世界人であるという確証とどうやら魔王と姫の子供が俺達であるかもしれないという話でまとまった。


 「・・・という内容ですね。これで向こうの文字で書かれた部分の日記は終わっています。あとは日本語、こちらの文字で書かれていますので私は読めませんので、あとでトーヤとアキさんで読んでください」


 日本語で書かれた日記の部分に関しては、俺達に見られる事を考えたのか向こうの世界に一切関係の無い内容だった。


 異世界言語での日記をまとめると


 ・異世界から来た

 ・あちらの装飾品などを換金してそれなりの金を得た

 ・ヤ○ザと意気投合して戸籍を偽造、住居を手に入れた

 ・姉が生まれるまでヤ○ザの用心棒をして金を稼いでいた

 ・ヤ○ザの関連会社で働き始めたこと


 この5点だった。・・・あの会社暴力団の傘下だったのか、親父が行方不明になったときに色々親切にしてくれた社長は気のいいおじさんだったのに・・・。


 一先ず今日はこの現状を認めるので精一杯だったが、明日以降どうしようかという話になった。


 「私としてはお二人が海外でお亡くなりになったとは信じられません、武術もですが魔法を使えた筈ですし生きてはいると思うのです。しかし、先日調べた限り魔王の痕跡はこの世界にありませんでした。となると、元の世界に戻ったという可能性があります」


 アリスは推測を述べてくれた。可能性はあるだろう、こちらの世界に来たのも魔王・・・親父が開発した魔法だったのだ、逆の魔法も開発していてもおかしくない。

 その場合、何故俺達を残してあちらに渡ったのかだ。何か理由があったのか、突発的な出来事なのか?何故戻ってきてくれないのか?

 俺は色々なことが脳裏に浮かんでは無性に腹が立ってきた!ただでさえ両親が異世界人である事実を突きつけられ消化されていない状況だ、俺達を残して異世界に渡った両親に例えようの無い怒りが沸いてきた。


 「十夜落ち着いて、考えている事はわかるけど今日はここまでにしましょう」


姉が俺の思考を読んだかのように言った。


 「お父さん達に何があったかは当人に聞くまでは分からないわ?下手に悩むよりお父さん達を見付けた時に聞きましょう」


 さすが姉は落ち着いている、そうだな俺がどうこう考えても何も結論は出ないんだ。


 「ま、変な理由で残していったんだったら・・・フフフ」


前言撤回、姉もかなり怒っていたようだ。姉の笑い声が怖い・・・。

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