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6.自称ヒロイン(笑)が、もたらす被害。

作中に全治二ヵ月の怪我が軽傷とありますが、実際は違います。ご注意ください。


【重要】

ここは、乙女ゲーム世界ではありません。ここは、乙女ゲーム世界ではありません。

大事なことなので、二度書きました。

人物紹介:アリスティア・ウェルヴァー

魔物対策課アメリカ支部の女性戦闘員で、問題児。

自分が乙女ゲームヒロインだと思い込んで、美形(男)をはべらせている。

周りがドン引きして、自分と関わらないようにしているのは全く気付いていない。



魔剣を取得してから数年、仕事のランクを上げざるを得ない状況に私と蒼さんと同じ年に武器取得した一部の人たちはありました。特に、私と蒼さんは学校に通いながらしないといけなかったので大変でした。そして、人が書いた報告書を読めるまでランクを上げた現在は組織の頭痛の種である「アリスティア・ウェルヴァーについての報告書」を学校で読んでいます。人に見られてもすぐに分らないように日本語で書かれています。

学校生活の新たな学年にも慣れ、仲良くなったシャーロット・ウェルヴァーと双子の妹グレースが私の読んでいる報告書の写真を見て同時に顔を顰めました。

「これ、うちの姉さんじゃない」

「うん、そうだね」

「そうだったんですか?」

「私のラスト・ネームはウェルヴァーじゃない。ボケてるの?」

「知ってますよ。全く性格と違うので、彼女の身内だと思わなかったんです」

「あんなのと同じなら、人生事体悲観しないといけないじゃない。日記のタイトルに『私の乙女ゲーム攻略記』なんてタイトルをつけてるのよ」

「それなら、なんでシャーロットは日記をコピーしたの?」

「家にコピー機があったから使いたかったのよ。」

「それ見せてもらえませんか? 興味があります」

「いいけど、その紙にはなんて書いてあるの?悪いことでしょ。英語で書いてないから、読めないじゃない」

「アリスティア・ウェルヴァーが起こしたことによる被害の報告書です。彼女によってもたらされた被害が書いてあります。訳しましょうか?」

「読んじゃダメだ。読んじゃダメだ。読んじゃダメだ...」

「グレースっ!?」

「身内が読めばものすごく後悔するしかない内容ですが」

「それって、ここで読まれれば身内の恥を公共の場で晒すってこと?」

「そうなりますね」

「それじゃあ、今日の放課後私の部屋でどうかな? 内容を知りたいし」

「なんで、私の部屋じゃないのよ」

「シャーロットの部屋ものすごく散らかってる」


そして、放課後になりウェルヴァー家のグレースの部屋にいます。

「ユキ、どうやって姉さんと知り合ったの? 姉さんのアルバイト先?」

「そうですよ。家族は日本にいるので、お世話になっている家のお手伝いをしているんです」

「お姉ちゃん、ちゃんと仕事しているの?」

とグレースが純粋に聞いてきたので私は思わず視線をそらし、シャーロットは頭を抱えました。

「......で、それにはなんて書いてあるの?」



ーーアリスティア・ウェルバーによる被害報告書 ~一部抜粋~ーー


Lさんの証言

アリスティアが、自称乙女ゲームのヒロイン(笑)になってからだわ。

職場で人気の男どもがヒロイン(笑)に夢中になり、使い物にならなくなったの。でも、仕事に支障はないわ。私と私の幼女でその分カバーしているもの。

この間なんて最悪。ヒロイン(笑)と仲間たちと仕事で組んだの。仲間たちはヒロイン(笑)を守るばかりで、私一人で必死に戦ったわ。やっと終わったと思ったら、何もしなかった仲間たちのCに「やっと終わったのか」と呆れて言われたわ。そこで私は切れて、仲間たちを叩きのめして、全治二ヶ月の軽傷を負わせたわ。ヒロイン(笑)には何もしなかったのかって? 私の幼女にアドバイスされたの。「ヒロイン(笑)に何かするよりも取巻きの下僕どもを叩きのめした方がいいですよ。 その方がストレス発散できます。盾がないとヒロイン(笑)は何もできないですから」と言われたの。その通りだったわ。


Dさんの秘書の証言

アリスティアが馬鹿どもをはべらしてからは、所長の機嫌は悪くなるばかり。おかげで丈夫が自慢だった私の胃の限界がそろそろきそうです。しかし、仕事に支障はありません。優秀な部下たちがそろってますからね。最近、とある幼女に言われたのです。「自称ヒロイン(笑)をエサに馬鹿どもを馬車馬のように働かせではどうですか?」と。

確かにそうですね。今まで、馬鹿どもの仕事を他の部下に肩代わりさせていたのですが今度からはそうはいきません。奴らの怪我が治ったら仕事のランク上げ、それで文句を言ったら、私が直々にしごきあげて痛い目にあわせてあげましょう。仕事よりもあの女を守ることを優先するぐらいならそれぐらいできますよね?


Sさんの証言

ここ数年、自称ヒロイン(笑)と仲間たちのせいで、魔物退治と学校生活の両立は死ぬほど大変だ。親友の幼女は涼しい顔をしながら仕事をこなしているように見えたので、それを指摘すると大変いい笑顔で威圧してきた。やはり、幼女もキレてるようだ。俺の教育係のCは、ヒロイン(笑)が魔物退治の任務に就くと知るや否や現場復帰した。教育係の時は頼れる兄貴という感じがしたのだが、今は違う。アレは錯覚だったのだろうか? 正直、ヒロイン(笑)が纏わりついててうざい。職場の人たちは同情的にみるのだけど、ヒロイン(笑)の取巻きが睨みつけてくる。 取巻き、いい加減、自分の仕事を人に押し付けるな。仕事の邪魔をするな。迷惑掛けていることはきっと自覚していないだろうな。 

姉に乙女ゲーム世界モドキのことを報告すると「なに、このダメイン。」とヒロイン(笑)を嘲笑っていた。



ーーアリスティア・ウェルバーによる被害報告書 ~一部抜粋~ーー【終了】

「ウォルター・ジョーンズの設定」

所長の秘書で、彼が唯一頭の上がらない人。魔物対策課アメリカ支部の良心。

主人公の教育係はこの人。

全世界にある魔物対策課では、『千匹狩りの魔王』『アメリカ支部所長に唯一勝てる男』と恐れられている。


「高橋椎菜の設定」

高橋蒼の姉。魔物対策課日本本部に所属。ドイツ支部に勧誘されていたが『新作の乙女ゲームができないじゃない』と拒否。そして、日本本部に所属することとなった。今日も、携帯ゲーム機片手に任務を遂行中。

弟の報告後、虹彩市が乙女ゲーム世界の舞台であることを思い出し、数年後に進路変更して教職員免許を取ることになる。その時に周囲を慌てさせたことは言うまでもない。

実は、主人公と同じ前世で異世界トリップした仲間のうちの一人。

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