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5.私と彼は初任務で踊る。

今更ですが、秋月優希と高橋蒼の表記についてです。

日本人の場合はそのまま漢字ですが、それ以外の国の人だと片仮名です。

訓練を終えて、今日から任務開始です。

私と蒼さんは、今日だけ一緒に組んでそれ以降は単独任務となります。

本来は武器所得時のグループで初任務を行うそうですが、私と蒼さんと一緒にするとなるとアリスティアさんはかなりの実力不足になるためのこと。ぶっちゃけると足手まとい。


所長室に着くと言い争うような声が聞こえてきました。

「どうしてよ? 当分、武器所得時のグループで任務をするはずでしょう?」

「そうよ。おかしいわよ。幼女は私の物だわ」

「所長、アリスティアは足手まといだ。はじめに言った通り、俺と優希ちゃんで共同任務だろ」

「幼女は初任務になるのよ。私が手とり足とり腰とりするはずよ」

「私はソウと一緒の任務がいい」

「黙っていろ。ユキが呆れているだろ。それに、アリスティアは別のグループと一緒の任務になっている。早く行け」

「わかった」

と言って、不満げにアリスティアさんは出て行きました。

「で、私はもちろん私の幼女と一緒なのよね?」

「お前もアリスティアと行くことを聞いていないのか?彼女が実力不足なのは知っているだろ。任務で危険に会えば自覚することを期待したい。切実に。その後のフォローは任せた」

「アリスティアさんの教育係はクリスさんですよね。彼に任せないんですか?」

「クリストファーはアリスティアに甘い。リリーは彼女のことを嫌っているが、任務に私情を挟まないからな。適任なんだ。それに」

「所長、優希ちゃんにその話はしないでください。教育によくない」

「そうだな。リリー早く行け」

「わかったわ。仕方ないわね。頑張ってあげる」

なぜか所長に上から目線で行って、出て行きました。

「でも、どうしてアリスティアさんは実力不足なのですか?真面目に訓練していれば、任務に支障はないはずですが」

「普通はそう思うよな。ただ、彼女は悪い意味で普通じゃなかった。例えるなら、高校受験で周りは落ちると分かっているのに自分は大丈夫と自信満々に言い切っている馬鹿な奴だ。それで、落ちて嘆く。それが、あの女。嘆かわしすぎる」

「何かのゲームのように主人公補正で何とかなると思っているとか?」

「そう、そんな感じ」

何とも言えない沈黙が所長室内に落ちた。数十分間、沈黙が続いた。その永遠と感じる沈黙を破るように所長が任務内容を告げた。

「これから、ニューレッジにある高層ビル群の屋上に魔物が出現するので行ってもらう。決して、魔物に空間を創らせるな。奴らの有利になる」


空間とは、武器所持者限定で創り出せるこの世界を模した場所。そこで戦闘によって起こりうる破壊行為は現実に影響を及ぼさない。空間を創り出し対象者を無理やり引き摺り込む。空間を創り出した者が有利になる。相手の空間に入ると相手死亡時に空間がら出れなくなる。稀に相手の空間から出るための対処法を持つ者がいる。できるものはごくわずか。


「それだけですか? 所長」

「ああ。アリスティアのせいで、他に言う気力を無くした」

「そうですね。失礼します」

「行ってきます」



ニューレッジにある高層ビル群に到着しました。

「優希ちゃん、どうする?」

「範囲分けして、担当を決めませんか」

「場所を半々にするか。どうやって戦うか決めてるか?」

「相手の空間に敢えて引き摺り込まれてあげます。そうして、誰に喧嘩を売ったのか身体と心と頭で理解させるのです。教えてあげないとかわいそうではないですか?」

「じゃあ、俺もそうしよう。それなら、一緒にした方が早くね? 空間から出る対処法は考えてるのか」

「もちろん、ありますよ。絶対にできないとは言われてないじゃないですか。来ますよ」

そうして、私たちは魔物が創り出す空間に引き摺り込まれます。魔物たちは姿を消しましたが、あらかじめ魔剣と同調している私には意味のない行為です。魔物の出現する場所の音を聞き寸分違わず、攻撃を仕掛けます。あまりにも躊躇わない攻撃に魔物たちは怯みますが、数の暴力とばかりに私に攻撃が集中しだしました。私は難なく魔物の攻撃を避けます。超余裕とばかりの態度です。

蒼さんの方は苦戦しているようです。

「優希ちゃん、どうやってる?」

「魔剣と同調すれば、簡単にできますよ。先日、所長と一緒にとある家に同行した際、やらないとまずい状況になったのですよ。火事場の馬鹿力というやつですね。」

「それは、どうやるんだ」

「気合と根性と言いたいとこですが、私自身よく分かっていません。多分、魔剣の意識を感じれば自然とできるんだと思います。動物姿でないと、魔剣の声は聞こえないじゃないですか」


しばらくすると蒼さんもできるようになったみたいで、躊躇いなく先ほどのストレス発散とばかりに魔物をぶった切ってます。どんどん魔物たちが湧いて出てくるのですが、それと同時に魔物たちの死体が積みあがってきます。キモイです。テンションが上がってきて、向かうところ敵なしになってきた私たち。気がついた時にはすべて終わっていました。


「さて、空間ここから出るか。どうするんだ」

「空間の裂け目を無理やり破るんですよ」

そういうと私は、10センチくらいの空間の裂け目に手を入れ、グッと力を込めて無理やり破きました。そうして、元の場所に戻ったのです。



本日の初任務を終え、私たちは帰って行きます。

アリスティアさんはどうなったのでしょう? 帰ったら、リリーの愚痴を聞きつつ成果を聞いてみたいと思いました。

「シンプル夫人の設定」

フルネームは、二ーナ・シンプル。

主人公のバイオリンの先生。

はじめは、飴と鞭で教えるが後にスパルタ教育に変わっていく。

自分の教育法にあわない人には、まったく教えない。

指揮者のテンプルトンとは、相性が悪い。

彼女の教え子は、全員有名になっている。


「主人公が前世でトリップした異世界設定」

魔法のある世界。魔王に対抗するため異世界人を召喚した。

前世の主人公の死亡後、仲間たちは元の世界に戻った。

ちなみに主人公はこの世界で魔法を使えるようになったが、魔法使いと名乗らず『魔術師』と名乗っていた。これは、異世界の者との魔法に対する認識の差からくるものである。

今生で主人公が結界を創ったり、相手の空間を破ったりetc.できるのは前世で行った異世界で魔術師だったことが影響している。

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