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3.私には王道的お約束が来ない。

訓練を開始して、あれから1年。順調に進んでます。

といっても、教えてくれる先生が私の性格に合わせた方法でしてくれるからです。特にバイオリンでそれを実感しました。教えてくれる人によって、学ぶ意欲がそそられもっと頑張れると思えてくるのです。これはかなり違いますね。


魔物退治の訓練は、実践もし始めました。これは、前世で異世界トリップをした経験もあって、うまくやっています。トリップの仲間内では私が一番戦闘能力があったのです。魔術を使えるわりには、ほぼ打撃系で敵を撃退した変わり種でしたが。だって、自らの手で敵を倒したいじゃないですか。




某国某所の山奥にある洞窟_____。


天井から台座に光が射しこみ、そこはどこか神聖さと邪悪さが混じったような雰囲気があります。

その台座に、3つの水晶が置かれています。

付き添いは、クリスさんとリリー。一緒に来ているのは他の訓練生で、クリスさんが教育係をしている同じ日本人の高橋蒼とアリスティア・ウェルヴァー。

これから台座の水晶に触れ、水晶が作り出す空間の中で武器の取得を行います。武器が持ち主を選ぶので、失敗することもあるそうです。クリスさんとリリーは武器失敗の場合、対象者を空間から引きずり出すためついてきています。その中でも、特別なのが魔剣と呼ばれるもの。魔力持ちしか取得できません。属性は、闇・光・水・火・土・風。これらは、空間から引きずり出すのが難しくなります。現在、組織の中で持っている魔剣の属性は水・火・土・風。クリスさんは風属性、リリーは水属性。訓練生の中でも、魔剣取得率トップの蒼さんの補佐に二人が選ばれたそうです。

私は、オ・マ・ケ。気楽にいけそうです。蒼さんは緊張し、アリスティアさは自信たっぷりです。


水晶に触れたとたん、そこは真っ暗な闇の中。辺りを見回してみるけど、何処をどう見ても深い闇。心臓がドキドキしてうるさいのですが、それすらも分からなくなってきます。そして、自分の語感が失われていく感覚。どれだけ時間がたったのか分かりません。私はそれでも意識を集中し、神経を一本一本手繰り寄せました。

気がつけば、黒い竜の前に立っていました。

「お主が、儂のあるじか」

「下僕はいらないですよ」

「儂は闇属性の魔剣。数百年ぶりに人間界に行くことになるのか。下僕はいらんと言ってるが、お主が儂のあるじである限り、儂が下僕であることは変わらんぞ」

「それなら、友達で。あなたが下僕であることより、私は対等な立場を望みます」

「前のあるじと同じことを言うのか。だからこそ、お主が選ばれた。さて、お主はわしの契約者じゃ。さっそく儂の名を名付けよ」


私は大真面目に名前の候補を挙げたのですが

「どれも、人間界における最悪の独裁者の名ばかりではないか」

「私は真面目です」

まことか?」

「本当です。仕方ないですね。シンプルに、ブラックかクロで」

「それはシンプルすぎではないか」

「それなら、本気で考えましょう」

「それだけはやめてくれ。クロにしろ。頼む」



元の場所に戻ったら、少し眩しく感じました。

そして、人の声がする方向に向くとアリスティアさんがクリスさんに抱きついて泣いてました。リリーが台座に寄り添い寝ていたので、状況説明をしてほしいと蒼さんを見上げました。

「ああ、アレか。俺がここに戻ったらああなっていた。どうやら、あの空間で怖い目にあったらしい。魔剣じゃないから、俺たちより難易度が低いはずなんだけどな」

「でも、難易度が低いからといって簡単だとは限りませんよ」

「確かに。でも、魔剣こいつに聞いた限りじゃ思ったより簡単だぞ」

「そうなんですか?」

「ああ。なんていうかものすごく簡単に終わることだ。それと、魔剣こいつの名前はエクスカリバーⅢ世だ」

「この魔剣の名前はクロです。後から言ってなんですが、魔剣の名前を言ってしまってよかったんですか?」

「光属性と闇属性は、便宜上お互い魔剣名を言った方がいいんだってさ。それにしもてクロか。禍々しい雰囲気のわりにはかわいい名前だな」

「色々名前候補を挙げたのですが、最終的にクロになったんです。本気を出すと言ったら、やめてくれと言われて」

「それ、俺も言われたわ」


リリーは欠伸をしながら起きて、私たちの方を見てからクリスさんたちのほうをみました。

「やっと終わったわね。なんで、ああなっているかは興味ないからおいといて取得した武器の説明の続きをするわね。武器は普段、契約者の好きな動物で見えてるわ。そう、例えばアニメのポコマルのような感じね。契約者だけがその存在が見えるの。契約者が契約者外にもその姿が見えるようにすることもできるわ。戦闘時には、その時に使いやすい武器に変化するの。...どれだけ、あの状態にすれば気が済むのかしら。私たちは帰りましょう」



そうして、私たちはあの二人を置いて山を降りました。

「リリー・シングルトンの設定」

主人公と同じ前世で異世界トリップした仲間のうちの一人。

幼女好き。年下美少女の恋人がいる同性愛者。

我儘な身体を持つ美女。

『日本語? 前世が日本人だからって、今でもしゃべれるわけないでしょう』とは彼女の談。



「クリス・デヴィッドソンの設定」

日本での任務時に大怪我をして、病院で主人公と同室になる。

怪我以降は、新人の教育係になる。

アリスティア・ウェルヴァーを特別視してるようなそぶりを見せるが...



「ドン・シルヴァーマンの設定」

有名資産家の子息だが、家が合わなかったので魔物対策課に入る。

資産家のパーティーに今でも参加し実家とのつながりを持っているのは、そこにある独自の情報網を利用するため。ぶっちゃけこの人がいなければ、資産家とは関わることがなかったという。


【アニメの「ポコマル」】

この世界の人気アニメ。アニメ「ポケ●ン」のようなもの。

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