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最終話.断罪とは、恥ずかしい思いをすること。私なら、穴の中に入りたい。

今日はお昼休みの後の授業時間を使い、生徒集会を体育館ですると朝のHRで高橋先生が言いました。

そして、お昼休みになると校長室に呼び出されました。そこには、校長先生・教頭先生・理事長がいました。生徒集会は予想通り、私が花咲桃香に対するやってもいないイジメの主犯として生徒会が断罪し学校を退学させる気らしいです。予想通りすぎて、笑えてきます。もう少し、どこかひねりが欲しいところですね。考えなしにやっているようで、ガッカリです。

理事長は顔色を無くしています。それでも、息子が可愛いのでしょう。彼らがでっちあげた証拠の反論は、校長先生と教頭先生にするように頼んできました。理事長は、校長先生と教頭先生の顔を見ていません。彼らは今までの分をヤリ返す気です。私はその分ラクできるからいいんですけどね。花家はないえ長男たちの残念思考の戯言を聞いてたら、爆睡する自信がありますし。むしろ、寝るしか選択肢がありません。生徒集会では、寝ないようにしないと。


生徒集会の時間になりました。

花家はないえ現当主たちも顔を出しています。普通なら、仕事で忙しくてこんな会に参加しないのですが、次期当主たちの行動を見守るためです。これは、私が出した温情のための条件の一つなんですけどね。この時点で彼らは不自然さに気づくべきなのでしょう。自分たちの父親が参加していることがおかしいことを。そして、父親たちの顔色がものすごく悪いことを。

そして生徒会副会長が、

「本日は、信じられないことをお話します。この生徒集会で、話さなければいけないことです。本校の生徒花咲桃香さんが、イジメにあっています。秋月優希という生徒が、イジメの主犯であることが発覚しました」

次々に告げられるイジメの内容と起こった時間。何この人たち、ご丁寧に時間まで言ってるんですか? その時間はすべて、アリバイがありますよ。この学校の監視カメラが証拠です。馬鹿ですか、アホですか、うんやっぱり間抜けなのですね。

実は構内の至る所に監視カメラがあるのです。この学校に来て必要以上に監視カメラがあることにビックリしたのですが、なんでもやってもいないイジメや嫌がらせをして、退学を余儀なくされた生徒が発覚したための対策だと高橋先生が転校初日に教えてくれたのです。生徒会長でなく生徒会副会長が司会をしているのは、花家はないえの中で一番権力があるからでしょう。普段は腹黒さを笑顔で隠しているらしいのですが、今は現当主として参加している父がいることを見て安心し調子に乗って、数々のイジメの内容を言っています。それに反して顔色を無くしていく蓮花寺れんげじ現当主。この雰囲気を無視して、高橋先生は大笑い。私の腹筋は大変なことになっているのに自分だけ指差して大笑いしているのはずるいです。私は、高橋先生をジト目で見ました。

そして生徒会副会長が言い終わると、次に花乃井先生が言いました。

「こら秋月、先生はこんなことをする生徒がいるなんて信じられないぞ。なんてことをしてるんだ。先生が授業を受け持った生徒はこんなことをしないぞ。何を考えてるんだ。いつも、先生の授業と話を聞いてなかったのか」

とどなり散らします。

私は仕方ないので生徒たちが並んで列を作ってる前に出ます。横には、校長先生・教頭先生・高橋先生も一緒です。

「ロリコン教師の授業なんて受けてないですよ」

「その言い方は、先生に失礼だと思わないのか。先生の授業を受けてないというのは、いつも数学の授業をさぼっているんだな」

「ロリコン教師~。秋月さんは~、ロリコン教師の授業なんて受けてませ~ん。私が担任するクラスの生徒で~、私が数学の授業を受け持ってま~す。それに~、ロリコン教師は~、秋月さんに会ったことも接したこともないはずで~す。決めつけはよくないと思いま~す」

「花乃井先生、構わないでしょうか?」

「ええ。もちろん、いいですよ教頭先生」

教頭先生が味方になったと思い込んで、余裕の表情をしています。

「今までの秋月さんがイジメを行っていたと言われる時間はすべて、構内の監視カメラでイジメをしていないと分かっていますよ。これが、証拠です」

と教頭先生は監視カメラの映像とイジメをしたとされる時間の私の行動を書いたプリントを花乃井先生に渡しました。

「こんなウソを信じるのですか?彼女にイジメられた花咲さんはとても傷ついているのですよ」

「花乃井先生...。ここ最近で、やってもいないイジメや嫌がらせをしたという理由で多数の生徒が退学になったことが発覚したのです。これ以上被害を増やすわけにもいかず、理事長の提案で構内では至る所に監視カメラがあるのは知っているでしょう」

「もちろんです」

「それが、この結果です。何か弁明はありますか?花乃井先生と生徒会の皆さん」

「「ウソだ。ウソだ。ウソだ」」

「仕方がありません。理事長もこの音声付監視カメラの映像を出すのはためらったのですが、これが不自然に退学になった生徒がいた理由です」



__音声付監視カメラ映像 一ヵ月前の生徒会室__


「この間、入ってきた転校生のことを知っていますか?」

「ああ。秋月優希という名前だったな。先生は、授業を受け持ってないからどんな生徒かは知らんが」

「「僕たちがせっかく『どっちがどっち? ゲーム』をしてあげたのに、変なことを言ってきたんだ」」

「はっ。そんなのやったのか。嫌がらせだろ」

「そんなことはどうでもいいのです。その生徒、私たちの桃香が嫌っているんですよね。なんとかしないと」

「「なら、いつも通り退学にしちゃおうよ。誰も僕たちに逆らえないよ」」

「最近、俺様たちは桃香が嫌いな生徒を退学に追い込みすぎないか?少し、大人しくした方がいい」

「気にしすぎだろ。俺たちの桃香のためだ。それに、お前たちは生徒で俺は先生で理事長の息子だ。先生は信用されているからな。問題ない」

「「そうだよ。パパたちだってきっと褒めてくれるよ。九条からの僕たちの見極め役を追い出したって」」

「そうだぞ。弟の湊は九条の人間だが、姉が九条とは聞いたことがない」

「なら、弟を取り込みましょうか?それなら、問題も片付きますよ」

「「ダメだよ。桃香ちゃんが僕たち以外を好きになったらどうするの?」」

「俺様もそれには反対だ。桃香は、両親たちに認められているんだ。余計な物を増やす必要はない」

「それには、先生も賛成だ。で、どうする? イジメや嫌がらせのでっちあげは誰がする?」

「相手は九条が送り込んだ子です。なら、蓮花寺れんげじでニセの証拠を作らせますよ」

「それじゃあ先生は退学させるための必要な資料を揃えるな」

「お願いします」

「「これで、桃香ちゃんをまた笑顔にできるね」」

「そうだな」

「ええ」

「先生も肩の荷が下りるな。桃香のためのいい環境ができる」


__映像終了__


「で、これはどういうことですか?花乃井先生」

「父さん」

「ここでは、父ではありません。理事長です。それで、あなたたちのいい分は」

「「なんで、理事長が裏切るの?僕たちの味方じゃないの」」

「裏切ってはいません。今までのあなた方の行動が、花家はないえに対する裏切りです。何を考えてこんなことをしているのですか?」

「父さん、いや理事長。こんなニセモノの映像を信じるのですか?俺たちがやったという証拠は?根拠は?」

「この映像を管理しているのは、花乃井です。そして、監視カメラは私の指示で設置されたもの。花乃井先生は、私をウソつき呼ばわりする気ですか?」

「そんなことは」

そして、理事長は彼らが不当に生徒たちを陥れ退学にした証拠を提示していきます。

一番はじめに観念した生徒会長は

「これから俺たちはどのような処分が下されるのですか?」

「「僕たちは悪いことなんてしていない。処分なんてされないよね?」」

栗花落つゆり兄弟は黙っていなさい。君はもう言い訳しないのですね」

「これ以上の言い訳は無意味です」

「そうだね。君たち花家はないえ長男たちは今を持って廃嫡する。それ以降は」

ここからが大人しくしていた私の出番再びです。

「はいここから私が説明します。おめでとうございます、花咲桃香さん。あなたが好きな退廃ハーレムルートに入りました。これからは、花家はないえ長男たちとの退廃ハーレムルートになります。申し訳ありませんが、幼馴染の夏月君と私の弟の湊はいません。それに花咲さんの攻略対象者様。家から廃嫡はされましたが、保護は受けられます。ご安心ください。では、生徒集会終了です。ありがとうございました。では、九条と六条と一条のりすぐりのSPの皆さん、花咲さんと攻略対象者様をこれから住むお家まで連れて行って下さい」

SPの皆さんが、花咲さんと花家はないえ長男たちを囲んで、体育館から引き摺りだし、連行していきました。



これで、私の日本での長期任務は終了です。

すぐさま、飛行機に乗り魔物対策課アメリカ支部に帰るのでした。

あとは、主人公弟視点と花咲桃香視点を書いて終わります。

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