表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/27

1.この世界に私は対応できるだろうか?

父と母の仕事の都合で、虹彩市に引越してきました。


私は、秋月優希。

前世の記憶があったりします。前世では一度だけ異世界トリップをしました。


今日は初めて来たこの街を家族で探索しました。

そして、どこか見覚えのある高校まで来た時に思い出してしまったのです。

この世界は、乙女ゲーム「虹色に彩る恋の花」。通称、虹恋。

攻略キャラはテンプレで、

俺様会長 花京院椿。

腹黒副会長 蓮花寺れんげじ総一郎。

双子会計 栗花落つゆり陽斗はると・海斗 。

ホスト教師 花乃井悠。

王子様な幼馴染同級生 夏月かづきこう

書記は隠しキャラ秋月湊。このキャラクターはシスコンなので攻略するには、サポートキャラの協力が必須だったりします。

この虹恋には、「虹色に彩る恋の花〜禁断バージョン〜」というものがあります。

前世持ちのヒロインが逆ハーを目指すというものです。所謂、ヒロインが電波になっているというものですね。ここでは書記が、攻略不可となります。禁断というのは、ヒロインが攻略対象者を監禁する18禁ルートがあるからです。

私の立ち位置はサポートキャラ。ヒロイン花咲桃香の親友です。


明日からは、幼稚園に通うことになります。

一つ下の弟と妹も一緒です。前世からコミュ障を引きずっている私は平気な振りして内心ドキドキです。うまく、ヒロインと仲良くできるでしょうか?



そして、幼稚園の入学当日。

なんとかうまく初日は過ごしたのですが、翌日からは違いました。

ヒロイン花咲桃香を中心として、同じ年の年齢の子供たちが幼稚園の門をくぐると同時に私に石を投げつけてきたのです。ジャングルジムの上に登って、私の頭をめがけて何度も石投げつけます。私は我慢しました。

これはショックでした。あの天使のようなヒロインがこんなことをするなんて。

それに、自分が中心としないと気に入らない劣化女王様になっていることにも。

これまた別の日。ヒロインと同じお箸セットだった時に、「私のを盗んだ」と言って自分のお古と私のを取替えました。気の弱い私は反論できずになすがままです。他にもいろいろ嫌がらせをしてきます。



そんなある日、事件は起きます。

いつものように、私に向かって石を投げつけてきましたが当たり所が悪かったのでしょう。出血多量になって、気絶しました。

気がつくと病院のベッドに寝ていました。

私が目覚めたとたん弟と妹が抱きついてきて、大泣きしました。

父によると私は3日間目覚めなかったそうです。

いろいろ検査があるため、あと数日は入院しないといけないようです。

翌日、幼稚園の園長先生と担任の先生が来て事件のことを知った花咲両親が、ヒロインをつれて謝りに来るからどうかと両親に訊いてきました。

両親に訊かれたのですが、私が両親の言葉を遮って「顔も見たくないし、関わりたくない。やるんなら、私以外でして」と拒絶しました。




ベッドの上で寝ているだけで暇だなと思った私は、お隣のベッドに寝ている人とその周りの黒いスーツを着た男の人たちの話を聞いてしまいました。

魔物と戦う人たちのようです。戦闘集団です。

あれ? この世界は乙女ゲーム世界だったはずでは? まあ、ヒロインがサポートキャラを幼少時にいじめるなんて時点で世界観崩壊してる気がするし、気にすることではないですね。それにしても、この世界は危ないです。魔物が跋扈する世界ですか。何故、今まで気づかなかったのでしょう。

興味津津に訊いている私にお隣の人たちは気づいたようですが、それよりも今危機が迫っています。

病院の周りのに大勢の魔物たちが、一瞬のうちに集まってきました。

男たちは焦っています。私はそれを見て冷静になりました。これはアレですね。実は私も戦闘集団の一員になってしまうという展開でしょうか。

それは仕方ありません。あんな性悪ヒロインに関わって利用されるくらいなら、その中に入ってしまいましょう。


私は手を胸元で組んで意識を集中し、病院の周りを結界で守るイメージを作ります。そして、結界の範囲を徐々に膨らませて魔物たちを何とか撃退させました。

マジでできるとビックリして、意識を手放したとたん眠くなり眠ってしまいました。


次の日には、なぜかお隣さんと私は二人部屋に移動してました。

両親は、言いくるめたそうです。

昨日はあんなことがあったんです。他の人には聞かれてはまずい話をするのでしょう。

お隣さんは、クリストファー・デヴィッドソンさん。アメリカ出身です。クリスと呼ぶよう言われたので、クリスさんと呼びます。

クリスさん曰く、この世界は魔物たちが蔓延っていて一般の人たちに気づかれないように魔物たちの脅威から世界を守る組織があるのです。

クリスさんが所属しているのはアメリカの「魔物対策課」。これは一般に知られていないだけで、各国にあるそうです。

戦闘員は募集などではなく、組織の人が見つけて勧誘するそうです。15歳以上の親元を離れても大丈夫な子供たちからが対象になるようです。

私のように、5歳からこの能力に目覚めてしまうのはごくわずか。分かったとしても、親元から引離しません。

この魔物対策課は各国の所属になるということで、出身国に所属するというよりも自分を見つけた国に所属するというのが一般的。

そして、ここからが本題です。

本来なら私の年齢では組織に所属しないのですが、昨日の能力を見る限り、組織に入って訓練を開始して欲しい。家族には、嘘の理由を話して納得してもらうというのものです。

私としては弟と妹と離れるのは寂しいですが、ここがあの乙女ゲームの世界で弟が性悪ヒロインの毒牙にかかる可能性を潰すため、思わず了承してしまいました。

私がヒロインと幼稚園のころから友達にならなければ、弟とは接点が全くもてないのです。ヒロインに恋心すら持ちません。

前世の弟と妹と違って現世の弟と妹はものすごくかわいいので、猫かわいがりをしてました。なのでこのままいけば彼らは、ヒロインに嫌悪して関わらなくてすむでしょう。


ヒロインが前世持ちかは知りませんが、これで隠しルートがなくなりましたね。さようなら、ヒロイン様(笑)

「魔物対策課」が自分を見つけた国に所属するというのは、スカウトされた人がもとからその国の言葉をしゃべれるためです。魔物対策課にとってはかなりご都合主義(笑)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ