我が愛猫よ
猫を飼っている全ての人へ
我が愛猫よ。君は何故、そちらへ行くのだ。
我が愛猫よ。君は何故、私を置いて行くのだ。
我が愛猫よ。君に言いたいことがあった。
私と君があったのはそう、私が小学生1年生の頃だった。
ペットショップで君と会ったわけでもなく。
ただ、ただ道端で私たちはあったのだ。
ダニもいない綺麗な君。首輪はしていない曖昧な君。
何もかもが私にとって普通ではない特別な日だった。
母は「脱走した猫」だと言い、近所に君を見せに行った。
君は大人しくて、ただジッと買い物籠の中にいた。
結局君の飼い主はいなくて君は我が家に来た。
首輪も君は優雅に着こなした。チリンチリンと鳴らしながら。
それから君は我が家の猫になった。
名も付けられた。君もきっと頷く良い名前だった。
君のことが大好きだった。けれど幼い私の愛情表現は歪だった。
君のことを追いかけ回してしまった。
君の嫌がることばかりをしてしまった。
ただ君が好きだと言い訳をしながら私はいつも自分勝手で横暴だった。
そして君は私に近付かなくなった。
その頃には他の猫も加わり私は子猫の方に気を取られていた。
君はぶくぶくと成長しデブと言われるほど体重が重くなった。
そんな君は毎日ダイエット食を食べていた。
私も成長した。中学生になり高校生になり。
君も太っていた時期が嘘のように痩せ普通の猫になっていた。
あの頃のことを許してくれたのか、はたまた忘れてしまったのか。
君は私に近寄ってくれるようになった。
にゃあと鳴く君はエサを欲しているようにしか見えなかったが。
ああ、我が愛猫よ。君は何故、自由気ままなのだ。
私がいる時ではなく、私がいない時に。
ああ、我が愛猫よ。君は私を好いてくれたのだろうか。
君をいじめ、嘘のように優しく振る舞った私を。
ああ、我が愛猫よ。君の温もりをまた味わいたい。
寝ている君に触れ、私も同じ夢をみたい。
ああ、我が愛猫よ。君は何故、猫なのだ。




