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何度でも君と  作者: 星川過世


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4

 また連絡する、そう言ってはいたが、大して期待はしていなかった。

 あれはいわゆる同窓会マジックというやつだったかもしれないし、単なる社交辞令かもしれないし、そもそも酔っ払いの言うことなんて当てにならない。

 そう思っていたのに、週末にはメッセージが来た。久しぶりに見たアイコンはバッシュから某テーマパークのオブジェになっていた。彼女と行ったのだろうか? と邪推しかけてやめる。仮にそうだったとしてなんだと言うのだ。

 優輝は近いうちに会いたいという旨を送ってきたばかりでなく、いくつか行先の候補まで挙げてくれた。最後に俺のアパートにも行きたいという言葉を添えるのも忘れない。

 どうやら本気だったようだ。

 優輝の行動の意図が、何一つ読めない。どうして今になって自分に接触してくるのか。思い出話に付き合ってくれる友人くらい、他にも居そうなものだが。

 非現実的な状況になんとなく落ち着かなささえ覚える。

 今チャットで優輝と話しているという事実さえ信じ難かった。おそらく中学時代の自分に言っても信じてもらえないだろう。

 「かっこよくなってたからさ」

 別れ際の優輝の声が頭を過る。あれはどういう意味だろう。

 ついついポジティブな方へ思考が引っ張られ、軌道修正する。きっと揶揄われているだけだ。そういうやつだったじゃないか。

 当時のアイツは、俺に興味なんてなかった。今になって、なんてことはきっとない。そんな漫画みたいなことは。


 「やっほー」

 駅で手を振る優輝。これも俺が小学生のときには考えられない光景だった。

 映画を見て、お茶をして、ウィンドウショッピングを楽しむ。高校生のデートみたいだった。変に大人びたプランではないからこそ、自分が今どこにいるのかわからなくなる。あの頃に戻って初恋の続きをしているかのように錯覚しそうだった。

 しかも優輝は時折反応を試す様に腕を絡めてきたりスプーンを差し出していわゆるあーんをしようとしいてきたりする。人目が気になるので断固阻止したが。

 もうこれは完全にデートと言って差し支えないだろう、などとこれまた高校生のようなことを考えてしまう。

 しかしそういうありふれたプランだからこそ、あの頃の俺たちにもできそうなことだからこそ、あの頃とのちょっとした好みや行動の差が目立った。それは悪いことではないのに、ついその差を埋めたくなってしまう。それはどうやら優輝も同じらしかった。

 優輝は一体、なにがしたいのだろうか。揶揄いたいだけなら手間を掛けすぎているし。

 「あ、あそこ行こ」

 優輝が俺の腕を引きながらゲームセンターを指さした。周りからはカップルに見えてるんじゃなかろうか。

 いや、男同士だしそれはないか。

 前回は酔っているせいかと思ったが、やはり雰囲気というか振る舞いというかそういうものが変わった。

 ただ大人っぽくなったというだけではなく、変わった。いや、当たり前か。八年もたったのだから。

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