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幸せをありがとう。

フッと書きたくなって書いてみた。

 

 タンタンタン、タンタンタン、


 同じ感覚、同じスピードで、ネギを切る。リズミカルにまな板を叩き続けた。


 その時、ふと考えてしまった。


 ——あと、どのくらい一緒にいられるのかと






「今夜は何を食べたい?」


 私は、受験勉強中の息子に、携帯でメッセージを送った。



 ピロン


「蕎麦!」



 今日のお昼は、勉強の邪魔にならないように、サンドイッチを沢山作った。アレを全て食べたなら、軽い食事が良いのだろう。



「単品?」



 息子に合わせ単語で、返信をすると、



 ピロン


「うん」



 やはり単語で返ってくる。



 本人が単品希望だし、今日はらくをさせてもらおう。後から果物でも出せばいい。


 私はそう思って、キッチンで湯を沸かす。



 動画をラジオ代わりに、支度を始める。



『子育てで、後悔した事まとめ』


 キッチンに立つ時に、子育て動画のまとめサイトをつい見てしまうのは、一体いつからだろうか?



 もう、高校3年生だ。


 子育ては、もうすぐ終わる。


 なんなら、既に終わったも同然だ。



 息子の大学受験に関しては、私は全く口出しをしていない。本人がさっさと調べて、先生に相談していた。



「私に相談とか確認とかしないの?」


 息子に尋ねた事もあったけど、


「だって、聞いても反対しないでしょ?」


 と、言われ、


「確かに?」


 と、思っていたら


「僕が行きたくて探すんだし、決まってからで良くない?」


 と、言われてしまったくらいだ。



 後は、親の役目は金を出すだけね…



 そんな事を考えながら、キッチンで汗を流しながら蕎麦を茹でる作業をする。


 動画からは、様々なお母さん達の小さな子供の悩み事などが流れてくる。


 それを聞きながら、ああ、そんな時もあったななんて、微笑ましく聞いていた。



 動画が終わり、自動再生で息子が好きだったアニメ映画の主題歌が流れはじめた。



 ——また、次のシーズンはやるのかな?



 なんて、呑気に考えていた時、ふと気づいてしまった。



 次のシーズンを、息子と一緒に見る事は出来るのかしら?



 一緒にテレビを見て盛り上がったり、お気に入りの曲を聴いたり、息子とケラケラ笑いながら過ごした日々



 それは、私には当たり前の毎日だった。


 でも、ずっと続くわけではないのだと


 そんな、当たり前の事に気づいてしまった。



 後、どれだけ一緒にいられるのだろう?


 後、何回一緒に遊びに行けるかな?



 息子が進む道の邪魔をするつもりは無い。


 私の事など、捨て置いてくれて構わない。


 自立出来るなら、それは誇らしくも思う。




 まだ、何も決まったわけでは無いけど、いつか来るであろうその日に、


 息子が家を出て行くときに、私はちゃんと笑えるかな?




 笑いながら、送り出す事が出来たらいいな。




 子育て中、ずっと楽しくて幸せだったよ


 幸せな時間をありがとう。


 あなたの未来を応援してるからね。





読んで頂きありがとうございました。

気が向いたら、また追加するかもしれません。

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