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「ぶっちゃけ、店長とソフレ続ける理由ってなんなんですか?」


啓人さんが仕込みをしている間、ふたりきりになったところで琴律ちゃんに尋ねられて、なんと答えたらいいか分からない。


「え、何目当てですか?心?体?…温もりが欲しい〜とか、本当はそんな生ぬるい事じゃないですよね?」

「ん〜…、まぁでも、啓人さんはその生ぬるいのしかいらないみたいだから俺は…。」

「俺は…?」

「俺は!琴律ちゃん!俺どうすればいいの?マジでもう限界なんだけど!ねぇ、カフェのトイレ、ダーマ神殿にしていい?何?ベッドクエスト行く前に賢者になればいいの?そういうこと?そういうことだよねぇ⁉」

「ちょ、待って、待って、佐野さん!怖い、怖い、落ち着いて!」

「ごめん、こんな事琴律ちゃんに言っても何にもならないのに…。」

「…そんなにツラいなら、店長に直接伝えてみたらどうですか?」

「ダメだよ、…啓人さんは俺のことそんな目で見てないもん。言ったらもうベッドにあげてくれなくなっちゃう。」


ふっ、と呆れたように笑って、琴律ちゃんがポケットからキャラメルを差し出してくる。

それを受け取って口の中で転がすと、塩キャラメルのほろ苦い甘みとほんのりと塩気のきいた独特のやさしい味がした。


「佐野さん、明日も休みなんですよね?今日もダンジョン攻略ですか?」

「うん、でも花の管理があるから一旦家帰ってアトリエ寄ってから戻って来るよ。」

「そっか、ダーマ神殿にも寄らなきゃだしね。」

「ははっ、琴律ちゃん、エグいジョーク言うね。…でもまぁ、そうね、寄っておくか。」

「あははっ、…今夜もあなた様が無事に生還されることを祈っております。」


琴律ちゃんが目を瞑り、祈りのポーズをして言った。



アトリエで花の在庫管理を終え、一度家へ戻って夕食とシャワーを済ませてカフェに戻る。

念のため自宅の神殿にも寄っておいたが、正直な話、そんなのは気休め程度の効果しかない。

何故なら今から啓人さんとの添い寝までの間には何時間も間が空くせいで結局は正気に戻ってしまうし、そもそも敵が強すぎる。

最近は向こうの攻撃もレベルアップして強烈な技を繰り出してくるようになったし、そうなるとこちらは太刀打ちできず、逃げるコマンドをひたすら連打するほかないのだ。


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