2024/08/08(木)
妻の三回忌も終わった。いっとき賑やかになっていた我が家も、孫たちが引き波のようにさあっと帰ってしまっては、後に寄せるのは寂しさばかりだ。妙にがらんとなった空間に居た堪れず、ちょうどちり紙も切れていたところだったので、補充がてら外出することとした。気晴らしになるといいが。
買い物は早々に済んでしまったので、特に目的もなく町内を散歩する。私ほどのとしはいになれば、ともすれば徘徊と誤解されそうなのがいささか滅入る。まだ頭はしっかりしているつもりだが、さりとて自分のことは自分が一番よくわからないのが世のならいだ。せめて老醜をさらすことなく生きたいものである。
2丁目のタバコ屋の角の電柱の下に、捨て宇宙戦艦が一隻、みかんの空き箱に入れられてふるえていた。ひどく古典的だったので、ついうっかり拾ってきてしまった。いけない。口先の乾かないうちにすぐにこれだ。家まで連れ帰ってしばらく後悔したが、ここまで来て放逐するというのも流石に忍びなく、飼育することにした。
これも老後の楽しみの一つと、肯定的にとらえることとする。また、ボケ防止を兼ねて明日からこの日記を観察日記とするつもりだ。三日坊主とならねばいいが。
明日は近所のホームセンターにでも行って、飼育環境を整えようと思う。宇宙戦艦にはすまないが、しばらくはパンくずと段ボール箱で辛抱してもらおう。