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第7話 毒の王

ブクマ、高評価、☆、感想をよろしくお願いいたします。

私がサキの服にメイド服(に酷似してるだけの服だと思うけど)を買った影響か、サキは私よりも積極的に家事をやるようになった。

私の爆破による魔力と私の爆破によって死んだ魔物の魔力からしか体は構築されていない、つまりは私が知っている以上のことはあまり知らないだろうと思っていたけど、サキは私に比べれば掃除も洗濯も料理も上手だった。

特に、料理の面でいえば私の大好物である唐揚げをお母さんの懐かしい味で作ってくれた。

私がレシピを知らないのにどうやって作ったかを訊いたけど、


「アマネ様の記憶に残っていた味を解析してその味通りになるように作っただけですよ」


と言ってた。

つまり、サキは私専用の万能メイドになったのである。まあ、友達としてできることは私もやってるつもりだけど。



サキが私と一緒に生活つるようになって1週間が経った。

その日、私たちのところに森で見覚えのある顔のおじさんが訪ねてきた。


「どうも、『爆破の魔女』様。儂はこの近隣で環境や生態系の研究をしている、ネド・トーレンスと申します」

「あ、そう硬くなさらずに。私のことはアマネでいいですよ。こっちは友達のサキです。それで、今日はどうなさったんですか?何か爆破させてほしいものでもあるんですか?」

「それがですね、この1か月近く、ここから北に1キロくらい行ったあたりで毒による謎の環境汚染が行われているんですよ」

「その毒というのは?」

「こちらです」


ネドさんがバッグの中から取り出した瓶には、黄緑色の粘性が強そうな液体が入っていた。


「これって、見た感じは魔法によって生成された毒ですよね?」

「はい。しかし、半分は生物が体から分泌する毒と同じ成分になっているので、人間によるものなのか魔物によるものなのかよく分からないんですよ」

「それで、この町や周辺で一番強い私に依頼してその犯人を捕まえる、あるいは討伐して欲しいんですね?」

「はい。あ、もちろん報酬はそれなりに満足していただけるものを用意しましたので」

「まあ、報酬がどうとかそういう話はともかく、その毒がどういう時間に増えるのかなどは調べましたか?」

「前日の夜に毒を回収して翌日のどの時間に最も毒が増えるのかを1週間近くかけて調査したところ、殆ど毎日が朝の5時から6時くらいでした」

「分かりました。明日の朝、すぐに対処します」

「いいのですか!?ありがとうございます!」


私に依頼を受けてもらえるのが相当嬉しかったのか、ネドさんは笑顔で帰っていった。

まあ、ギルドに依頼を張り出そうと思うと手数料かかるし、個人にお願いして承諾してもらった方がいいもんなぁ。



翌朝4時、私は目覚まし時計の音が聞こえると同時に起きた。

サキと同居し始めたこの1週間で分かっているサキの特徴の1つとして、朝に弱いことが分かっている。目覚まし時計では絶対に起きない。だから、私が起こす他ないのである。

いつも通り、サキは涎を口から少し垂らしながら寝言を言っていた。


「うーん…、アマネ様…、待ってください…。まだ私…、寝てたいです…」


夢の中ではもう出発してるみたいだけど、現実ではまだ出発してないんだよなぁ…。

許してくれ、サキ。万が一私だけで対抗できる相手じゃなかった時、サキにも協力してほしいから。


「サキ、起きてー。もう4時だよー」

「…あれ?もう出発したはずでは?」

「やっぱりそういう夢見てたんだ。ほら、早く行くよ」

「あと10分くらい寝てもいいですよね…?」

「小学生みたいなこと言わないの!」


小学生の母親みたいなことを言いながら、私はサキから布団を剥いだ。

そして、サキは立ち上がったかと思うと私に抱きついてきた。


「えっ、ちょ!?何してるの?」

「やっぱりアマネ様は温かいです。5月とはいえ、まだ朝は寒いですし…」

「…」


もうちょっとだけこのままでいいかな、あと5分くらいだけなら。と思っていたら、気づけば20分以上経過していて私たちは焦って用意を始めたのだった。



多分5時半くらい、私たちがその現場だと言われていた場所に行くと既に汚染は始まっていた。

誰かが、あの黄緑色の毒をモンスターに向かって投げていた。

よく見ると、そこにはその毒と同じ髪色をした長髪と同じ色をしたトカゲみたいな巨大な尻尾、そして見事なアホ毛が頭に乗った少女、いや、幼女か?がいた。

ボロ布を纏っているところから考えちゃうとだけど、多分トテレス町のところの子じゃない。

私の知る限りでは、あそこにそんな貧乏な家庭はないし、奴隷を買っている家もない。

つまり、多分迷子の類いだ。


「君、どうしたの?毒なんかそんなに撒き散らしてたら植物が枯れちゃうよ?」


私がそんな声をかけると、女の子は自身に満ち溢れた眼差しと口元だけ満面の笑みでこっちを見た。


「跪け、愚かな人間よ!私こそは、“毒の王”ベルテ様だぞ!」


女の子の急な自己紹介に、私とサキは無反応を貫いた。

“毒の王”といえば、あの毒を使うモンスター達の長にして、地面を抉り、草木を貫通するほどの協力な毒を操るっていうあの?


「っておい!無反応やめろぉ!私はホンモノだぞ!」


急に威厳もなく駄々をこね始めた“毒の王”に対し、私たちはまた反応に困った。

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