第6話 買い物
ブクマ、高評価、☆、感想をよろしくお願いいたします。
「サキ、一緒に住みたいんだったら買い物に行こうよ」
サキが私の家に来た翌日、よく晴れた空が気持ちいい朝のこと。
私の突然の提案に、サキはキョトンとしていた。
「服も寝床も足りてますし、問題無いのではないですか?」
「いや、今パジャマ代わりに来てるやつだってサイズ合ってないじゃん。それに、2人で寝ると窮屈でしょ?」
「そんなことないですよ。むしろ、アマネ様とくっついて寝られるなんて最高じゃないですか!」
「そう言ってもらえるのは嬉しいけど。で、買い物は行くの?」
「アマネ様がどうしてもって言うなら私は行きますよ」
「はいはい、分かった。どうしてもだよ」
「なら行きましょう!」
サキはあまり買い物に行きたさそうな感じじゃなかったけど、結局ウキウキで昨日の服に着替え始めた。
あれ?その服は確かボロボロだったはず。それなのに、何故か綺麗になっている。
「ねえ、どうして元通りになってるの?」
「あまりやりたくはありませんでしたが、魔力で修復したんですよ。まあ、無理やり修復した分質感や艶も落ちてますが」
「そっか。じゃあ、服も買ってあげるよ。私がサキに似合うのを選んであげる」
「いいですよ、もし私が魔人って知られたら試着すらさせてもらえないかもしれないですし」
「問題ないと思うよ。魔力はただ高いだけにすればいいし、サキよりも強い私が横にいれば魔族だなんて思われたりしないよ」
それに、私の言うことに従わないとどんな目に遭うか分からなくてみんな無理やりにでも信じちゃうからね。
*
私たちは、私がいつもお世話になっている町、トテレス町に来た。
「ここが、アマネ様のお世話になっているトテレス町ですか」
「逆だよ逆、私がお世話になってるの。ここの人たちとはほとんど全員と顔見知りだよ」
「へぇ、私もそれくらいになれるよう目指したいです」
「まあ、20年近く通えば目指せるでしょ」
そんな会話をしながら、私はあの200年前のおじさんの頃から常連の、今はおじさんの曾孫が経営しているアドネス商店に到着した。
曾孫、アルネは女の子で、エルフと人間のハーフなのも相まってとっても可愛く、今年で37歳のはずだけど一切10代の頃から衰えを見せていない。
「いらっしゃい、アマネさん。今日はどうされたんですか、お友達と一緒だなんて」
「この子はサキ。今日から私と同居することになったんだ」
「羨ましいです、私もアマネさんと同居したいとか考えたりしてるのに」
「二十数年振りに一緒に寝てあげてもいいんだよ?あの頃はちっちゃくて可愛かったなぁ~」
「今だって可愛いじゃないですかー。アマネさんより背も低いですし、まだ妹みたいじゃないですか」
「冗談だよ、今も可愛いよ」
私とアルネの会話に置いてけぼりにされてる所為か、ちょっとサキがふくれっ面気味になってるような気がする。
「それじゃあ、本題に入るかな。私とサキが同居するにあたって、ベッドを買いたいんだけど、今って在庫ある?」
「実はですね、3日前にテルト山地で起きた土砂崩れの所為で入荷が遅れてて今は在庫がないんですよ」
アルネは申し訳なさそうに言う。
「これでまだ数日は一緒に寝れますね」
サキは嬉しそうに言う。
「分かった。じゃあ、とりあえずこれとこれとこれと…」
私はサキの日用品やそろそろ在庫がなくなりそうなものなどを買い、アドネス商店を後にした。
*
次に私たちは町の服屋に来た。ここはホントに色んな種類の服があって私は好きだ。今も昔と同じ白いブラウスと茶色のフレアスカートしか買ってないんだけどね。
「さあ、どんどん試着しちゃって!ここは試着自由だから」
「試着ですか。分かりました、やってみます」
そして私は色んな組み合わせで色んな服を着せまくった。けど、どれもあまり似合う感じではなかったけど。
「じゃあ、こういうのも着てみてよ」
「えっ、これってメイド服じゃないんですか?」
「いや、案外今まで着てもらったヤツがしっくりこなくてね…」
大丈夫、100年も前のことはうっすらとしか覚えてないけど、フレンチメイドではなかったはず…。
そして、着てもらった。
「何だか、動きやすいような感じですね。スカートの丈も長すぎず短すぎずで、黒と白だけのシンプルな色も悪くないですね。これにします」
「じゃあ、ついでにコレも買ってあげるよ」
「これは?」
「ヘアゴムだよ。ピンクの大きいリボン付いてて可愛らしいし、丁度ツインテール用だし。サキに似合うかなと思って」
「ありがとうございます」
結局、サキはそのフレンチメイドのメイド服を買った。ぶっちゃけ私が選んでおいてだけど、サキはあれでよかったのかな?
そして私たちは服屋を後にした…。はずだったけど、何故かサキの姿が見えない。
周りを見回したけど、どこにも姿は見えない。まだ店の中なのだろうか。
私が店内に戻ると、サキはとある物を見つめていた。
ほどよいサイズのピンク色のウサギのぬいぐるみ。そういえば、ここはぬいぐるみも売ってたんだっけ。
まさか、それを某アニメの女の子みたいにボコボコにするんだろうか?いや、サキに限ってそれはない。
「どうしたのサキ?」
「あ、いえ、何でもないですよ?」
「これ、欲しいの?」
「いえ、ど、どうでしょう…。けど、このヘアゴムも買ってもらったのに、そんなワガママは…」
「別にいいんだよ、それくらいのワガママは」
「そ、それでは…、お願いします」
サキの可愛らしい一面を知ることができた。もしかすると、サキはピンク色が好きなのかもしれない。
私がレジでそのぬいぐるみの支払いを終わらせ、今度こそ家に帰った。