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第5話 温泉とカレー

ブクマ、高評価、☆、感想をよろしくお願いいたします。

私はサキと一緒に家の中に戻ると、そのままお風呂場へ直行した。

この家にはもともとお風呂なんてなかったけど、数十年前に造ってもらったのだ。正確に言うとお風呂じゃなくて温泉なんだけど。

私が山の中でモンスターと戦ってる時に、私が指定したよりも広範囲に爆発したことがあった。

その理由を探る為にその周辺一帯を爆破させたら温泉を見つけ、その広範囲爆破の原因は温泉のガスってことになった。

一応、その温泉はパイプで家の裏まで引いてもらって、一般の人向けにそれなりの安価で開放してたりするけど、誰も来てくれない。


「何か、ガスみたいな匂いがしますね」

「この家のお風呂は温泉だからね」

「そうなんですか。でも、そこに神聖作用とか入ってませんよね?」

「神聖作用?」

「はい。精霊の加護がかかってる温泉だと神聖作用という、人間やその他の生き物を悪魔から守る作用のあるものが入っていることがあるんです。もしそこに入ってしまえば上位魔人の私でも苦しむことになりますし、もしも源泉にその精霊がいたら排除しに来てしまいます」

「それなら、私が交渉してどうにかするよ。交渉してダメなら戦うだけだし。いや、神聖作用が入ってる前提で進めるんじゃなくてまず確かめよう。人間に神聖作用って確認できる?」

「いえ、できません。私が身をもって確かめる他ないです」

「そうなのか…」


私としてはぜひとも入ってほしいんだけどなぁ…。

ここは、コップか桶に汲んできて指をつけてもらうか。


「じゃあ、温泉の水汲んでくるから、それに指つけてみてよ」

「そうすれば、もし神聖作用があったとしても私が感じる苦痛が少なくて済むということですね。ありがとうございます」



私が温泉の水を持ってきてサキに指をつけてもらった結果、神聖作用が入っていないことが分かり、2人で入ることにした。

互いにちょっと恥ずかしいような気もして、2人とも体にタオルは巻いたけど。


「背中、流しましょうか?」

「いいよ、そこまでしなくても」

「そこまでって、私はまだ腕試しに付き合うこと以外何もやってませんよ?」

「そっか。じゃあ、お願いするよ」


私はタオルを背中側だけ外し、風呂場の小さな椅子に腰かけた。

サキにボディタオルで背中をこすってもらうのはとても気持ちよかった。


「どうですか?私も初めてなのでどうするのが正解かよく分かりませんが」

「ああ、全然気持ちいいよ。もう毎日やってもらおうかな」

「それでは、全身洗いましょうか?」

「いいよ、それはさすがに恥ずかしいから」

「ふふ、冗談です」


背中を流してもらった後は、個々に体を洗ってから温泉に入った。

今更だけど、サキがお風呂で背中を流すことを知ってたのは私の日本人因子が継承されてるからだろうか?


「気持ちいいですね。魔界のマグマよりも体が芯から温まるような気がします」

「でしょ?…ん?マグマ?」

「はい。魔界では体を温める方法の1つとしてマグマに浸かるというものがありました。けど、温泉の方がよっぽどいいです」

「気に入ってくれたんならよかった。それじゃあさ、いつか温泉街に行ってみない?」

「温泉街、とは何ですか?」

「温泉がたくさん湧いてる街で、その特徴を生かした商売とかがされてる場所だよ。一番近いところだと、アトラテンっていう南に数十キロ行ったところの場所にあるかな」

「へぇ。それはいつか行ってみたいです」


数十分も湯に浸かってたのはどれくらい振りだろう。そんな感じで、私とサキは話しまくった。



サキには代用品の服を着てもらったけど、やっぱりちょっとサイズが合っていない。

まあ、可愛いからそのまんまでいっか。

とりあえず、私たちは夜ご飯にした。昼間に作ったのがカレーでよかったと私は昼の自分に感謝したい。

ちなみに、こっちの世界でもお米は栽培されてた。


「アマネ様、この料理は何ですか?」

「カレーライスっていうんだよ。ちょっと辛いかもしれないけど、おいしいよ」

「それでは、いただきます」


私は、サキの一口目を見届けることにした。口に合えばいいけど…。


「ん!?おいしいです!」

「でしょ?ちなみに、これは私の元居た世界の料理なんだけど、町のみんなには私が考案したってことにしてるんだ」

「そういえば、アマネ様は転生者でしたね」

「私から生まれたから分かったの?」

「まあ、そうですね。それに、エルフの血を一滴でも受け継いでいるならば耳の先が尖っていますが、耳の先が尖っていないのに100年以上生きて、挙句一切老いていないとなれば周囲から転生者であることはバレバレでしょうね」

「え、つまり…?」

「カレーライスがアマネ様考案の物ではないと気づいている人もいるでしょうね」

「そ、そっか…」


その真実を知って冷や汗をかきながらも、私とサキは楽しく食事を済ませた。

その時、私は忘れていた。ベッドが1つしかないという事態を。

結局、2人で1つのベッドで寝ることになり、ちょっとだけドキドキしちゃって寝るのに時間が掛かったのだった。

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