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第1話 転生

始めマして。ブクマ、高評価、☆、感想をよろしくお願いいたします。

そこは、空間なのかどうかすら判断できない場所だった。

でも、天国や地獄の類いっだってことは分かる。

目の前には、顔を布のようなもので隠している人物がいる。胸を見るに、女性だろうか。

うう、私もこれくらい欲しかったな…。

私は、ついさきほど時限爆弾の処理に失敗して死んだのだ。爆弾処理班班長の仕事はやりがいがあった。そもそも、小学生の頃に見たドラマに影響されて憧れたのが始まりだったっけ?

何で、せっかく処理班の班長になれたのに、すぐ死んじゃったんだろう。


「あなたの名前を伺ってもよろしいですか?」


目の前の女神様らしき人が喋りかけてきた。


「あ、はい。私の名前は望月周(もちづきあまね)です」

「私は見ての通り女神だ」


こんな顔を布で隠してる神様なんて某アニメスタジオの映画でしか見たことないよ?


「さっき、私は爆破で死にましたよね?他の班員はどうなったんですか?あの通報してきたおじさんはどうなったんですか?」

「心配なさらずに。他に死者も怪我人も出ていません。犠牲はあなた1人で済んだのです」

「ならよかった…」


他に犠牲者がいないことが嬉しいのは事実だけど、やっぱりもう少し生きていたかったような気はする。


「それで、ここはどこですか?私はどうなるのですか」

「ここは私の作り出した亜空間、あなたたちでいう天国や地獄といった部類に近いものです。私があなたをここに連れてきたのは、あなたにぜひ転生してもらいたいからです。無論、どのような容姿で転生したいかという要望にはお答えしますよ?」

「いいんですか!?」

「もちろんです。あなたは人の為に命を懸けて任務を果たし、その身を滅ぼしたのですから」


正直言うと、私はこの瞬間を待っていたのだ。アニメやラノベで異世界転生という現象に憧れ、自分も転生したら勇者や大魔導士になりたいと思い、妄想し…。

最近じゃ仕事が忙しすぎてそれどころじゃなかったけど。


「じゃあ、赤ちゃんからやり直しってのはイヤなのでまずは年齢決めてもいいですか?」

「いいですが、不老不死になるという点だけ警告させてもらいます」

「え?不老不死はさすがにマズくない?」

「大丈夫です、上からの許可は下りてるので」

「なら、女子高生くらいの見た目でお願いできますか?」

「もちろんいいですよ。胸や髪色、デフォルトの髪型の方はどうされますか?」


女神様がデフォルトなんてメタ発言して大丈夫なのかな…?


「そうですね、胸の大きさはこの世界の全女性の平均くらいでお願いします。あと、目は緑色、髪の色は赤色で、髪型の方はポニーテールでお願いします!」

「分かりました。それら全ての条件を踏まえた容姿にしてこちらの世界へお送りいたします。それと、転生直後に命を懸ければ家が手に入るようイベントを設定しておきますので、ぜひ挑戦してみてください。拒否権はございませんので」

「いや!?転生してすぐに死ねっていうの?」

「大丈夫です、そうはなりません。爆破を防いで人の命を守るのではなく、今度は爆破で人の命を守ってみませんか?」

「え?何それ?私、スローライフが送りたいんですけどぉぉぉぉぉ!!」


私の叫びも空しく、女神様の言ったことの意味を知ることなく転生させられてしまったのだった…。



晴れ渡った空。どこからか聞こえる鳥のさえずり。澄んだ空気。

この世界は、どうやら私が思っているよりもいいらしい。

しかし、辺りを見回しても遠くに町が見えるだけで特に何かあるわけでもない野原だった。


「助けてくれぇ!」


どこからか、おじさんのような叫び声がした。

その声の主を探すと、馬車を庇うようにして、おじさんが1人立っていた。

ああ、服装からして異世界アニメの平民みたいだなぁ。

いや、何かマンモスみたいなバケモノが今にもおじさんを襲いそうなんですけど!?

これがまさか、あの女神様の設定したイベント!?

こうなったら、何ができるか分かんないけど使える手段は何でも使ってやる!

まずはパンチが効くかどうか試してみよう。まあ、どうせ私の脆弱な体じゃ…。

いや待て。今の私は転生、生まれ変わったのだ。前の体と一緒で運動が苦手な体とは限らないし、女神様の加護でチートな体になってるかもしれないし。

ここは一発、本気でパンチを見舞ってやるのもいいかもしれない。


「おじさん、大丈夫?」

「ああ、儂は大丈夫だ。それより嬢ちゃん、あんた冒険者じゃなさそうだな。このマンモルドは一般人じゃ敵う相手じゃない。冒険者の人が近くに現れるのを祈るしか…」

「私が倒すから。それと、危険だから馬車と一緒に10メートルくらい私から離れて!」

「まさか嬢ちゃん、あんたそんなすごいことができるのかい?」

「ま、まあね…」


どうしよう、勢いで適当なことを言ってしまった。ここは、責任持って倒すしかないのかな。

女神様が本当に爆破の力かなんかを与えてくれてるんなら、こんなヤツ造作ともないだろうし。


「こ、これでもくらぇぇ!」


スキルが使えるかどうかは気にせず、とりあえず当初の計画通りパンチを入れてみる。

全力でパンチした所為か、反動で腕にピリピリした感覚が走る。


やっぱり、パンチじゃ倒せないか…。


そう思った時、もの凄い爆発音がして、それと同時にそのマンモルドとかいうモンスターは倒れた。

え?何が起きたんだろう。


「じょ、嬢ちゃん!?あんた、そのスキルは何だ?若い頃は儂も冒険だったが、そんなスキル見たことないぞ!」

「え?何が起きたんですか?さっきヤバい音してましたけど」

「何がって、嬢ちゃんがパンチした反対側でマンモルドが爆破して、血肉が溢れてたんだよ」

「え?」


よく見ると、足元の血濡れた肉や毛皮の欠片はどれも焦げ付き、中にはまだ燃えているものもあった。

えぇ…。私の爆破スキル、強すぎ…。

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