表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【挿絵多め】煌燈十二軍と供犠奇譚《サクリフィス・サーガ》  作者: HaiRu
第一部【フォルニカ公国篇】 第一章《奴隷少女》
20/73

第19話 『カレン=◼️◼️◼️◼️◼️』



 ~~~~。



 ――瞳を閉じれば微かに思い出す。


 果てのない、翠色に覆われた美しい草原。


 暖かな陽光は、私たちを抱きかかえるかのように、穏やかに降り注ぐ。


 心地よい風が肌を優しく撫で、若草の香りが鼻の奥を突き抜ける。


 最後に見たのはもう何年も前だが、その光景は私の脳裏に間違いなく焼き付いている。

 私――カレン=◼️◼️◼️◼️◼️の生まれ故郷だ。



『カレン。この青い空と蒼い大地、みんな私たちの家族なのよ?』



 かつて、大好きだった母が言っていたそんな言葉。

 その言葉通り、◼️◼️◼️◼️◼️一族は古くから自然と共に生きてきた遊牧民族だった。

 日の出と同時に目を覚まし、牛や馬たちの世話をした後は、一族のみんなと日が暮れるまで草原を駆け回る――そんな生活に明け暮れた。


 私にとって、大切な家族と一緒に、この草原を駆け抜けた時間はかけがえのないものだった。

 これからも家族でずっと一緒にいられる……それだけでとても幸せだと思えたのだ。



 だけど……そんな幸福な日常は、まるで夢から覚めるように、一瞬で消え去ってしまう。



 それは、普段と変わらない穏やかな朝のこと。

 いつも通り、餌やりを終えた私はふと頭上を見上げる。


 そこにはあれだけ青かった空が、一面薄暗くなっていた。あれほど良い天気だったのに、曇り始めたのだろうか。



 ――違う。



 目を凝らして見てみると、空を覆う暗闇が、もぞもぞと蠢いていたのだ。


 最初はそれが何なのか、私は分からなかった。しかし何となく、猛烈に嫌な予感がした。

 身体中がひどく冷え、汗が滝のように吹き出す。

 本能的に迫る嫌悪感を堪え、蠢く正体を突き止めようと、空に目を凝らすと――



『みんな、逃げろぉおおおおおおおお――――ッ!』



 誰かがそんなことを叫んだ。


 次の瞬間、空を覆い尽くしていた黒い何かが、大雨のように降ってきた。

 大地に近づいてくるにつれ、そのおぞましい正体が判明する。


 無数の獣を織り交ぜたような恐ろしい形相。大の大人の二倍以上はあろう巨駆。山羊のような角。そして――背中には禍々しい異形の翼。

どれも細かい姿は異なるが、それが何なのか、私は直感で悟った。



『――――あ、悪魔だぁああああああああああああ!!!』



 答え合わせのように響く、誰かの絶叫。


 安穏としていた草原は……地獄に変わった。


 数千を超える悪魔の大群が、私たち◼️◼️◼️◼️◼️一族を襲い始めたのだ。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ