“俺の彼女が、俺を喰うと言うんだよ!”
俺の彼女は、○○県の村里離れた村の者だったらしい。
その村では、仕来りなのか? 風習なのか?
“好きな男性の肉を喰らう。”
彼女は、もうその村の者ではないというのに未だにその考え方が
取れないというのだ。
・・・まあ、この話を訊いたとき俺は血の気が引いた。
今でも両親や彼女の兄妹達は、その村で暮らしているとも聞いている。
ただもう、【人肉を喰らう】という事は大昔の事で今はないらしい!
だけど? 彼女から俺に一緒にその村に着いてきてほしいと言われる。
その話を訊いた後に、一緒に俺も行くというのが怖かった。
もし? 俺が彼女に着いて行って、俺が彼女に喰われたら、、、?
その考えが頭から俺は離れなくなった。
“うんとも嫌とも彼女に言えない俺に”彼女はこう言った。
『無理に一緒に行かなくてもいいよ、私一人で帰るから。』
『いや、俺も一緒に着て行くよ、』
『えぇ!? でもいいの?』
『あぁ!』
俺は彼女を信用してなかっただけだった。
彼女とは? “3年付き合って、2年は半同棲だ!”
俺の彼女が俺を喰らうはずがない!
そんな仕来りや風習は、もう存在してないんだ!
俺の彼女を信用しよう。
*
・・・3週間後、とうとうその日がやって来た!
俺は彼女と一緒に彼女の生まれ故郷に帰る事にした。
だが彼女から話は訊いていたが? なかなか着かない!
新幹線で3時間、そこからバスを何度か乗り継いで朝4時に家を出たのに
彼女の実家に着いた時には夜中の1時を回っていた。
まさか!? こんなに時間がかかるとは、、、?
海外に行くにしてもこんなにかからないと思う。
でも? 夜中の1時を回っていたというのに、彼女の両親や親戚、彼女の
兄妹も集まって彼女と俺を笑顔で出迎えてくれた。
『本当に遠い所からよく来てくださいました。』
『こちらこそ、こんな時間に来てしまいご迷惑をおかけしまして。』
『禊、随分と久しぶりねぇ~立派になって!』
『お父さんお母さん、元気にしてた?』
『禊ちゃん? 元気なんの?』
『おばさん、お久しぶりです。』
『今日はもう遅いから、早くお風呂に入って寝なさい。』
『文君、ご飯食べた? ご馳走作ってあるのよ。田舎の食べ物だから
都会の子の口に合うかは分からないけど?』
『いえいえ、いただきます!』
『さあさあ、お腹空いたでしょ、先にご飯にしましょう。』
なんだか不思議な気分だった。
夜中の1時を回っているというのに、誰一人眠そうにしていない!
活力があるというのか? ここの村の人達は元気が有り余ってるのか
俺はそんな気がした。
俺と彼女が彼女の部屋でもう寝始めた頃、、、。
下から何か話し声が聞こえてきた。
彼女は俺の横で既にぐっすりと眠っていた。
俺はその声が何を言ってるのか気になりそっと階段を降りて話し声の
方に耳を傾ける。
『あの子ったら? “なんてピチピチした若い男の肉を持ち帰ってきたの。”』
『おいおい? まだ生きてるよ。』
『でも久しぶりよね? “人肉を食べるのはいつぶりかしら?”』
『最後に食べたのは、3軒先の公寺篠ノ宮さんの息子が最後よ。』
『そう考えると? 10年ぶりぐらいだわ!』
『なんて美味しそうなの!』
『お姉ちゃん、彼氏の肉食べるのかな?』
『食べるに決まってるでしょ! この村の仕来りなのよ!』
『そうだな。』
『・・・いつ食べるの?』
『朝一、絞めましょう。』
『あぁ、オレも賛成だ!』
・・・俺は恐ろしい話を耳にした。
まさか!? このままこの家に居たら? 俺はこの村の人達に殺される。
彼女もグルなのか?
俺は直ぐにこの家から逃げる事にしたんだが。
その時、後ろから彼女が俺の肩に手をかけてこう言った。
『ここで何をしてるの?』
『えぇ!?』
『“全部、知られたのか?”』
『そうみたい、やっといい肉を持ち帰って来たのよ! 皆で美味しく
食べないと勿体ないじゃない!』
『・・・禊、』
『ごめんね、この村の仕来りや風習は絶対に無くらないの、でも皆で
あなたを美味しく食べるから大丈夫よ。』
『・・・な、何を言ってるんだ? どうしてこんな事を!?』
【ドスッ】
*
『10年ぶりにあんなに美味しい肉を食べたわ。』
『やっぱり都会の男の子の肉は美味しいわね!』
『普段から食べてるモノが違うのよ。』
『明日も残りの肉を皆で喰うぞ!』
『そうね、楽しみが増えたわ。』
『こんな山奥の村に楽しみなんかありゃしなしね。』
『“また新しい肉をここに連れてくるわ。”』
『頼んだわよ、お姉ちゃん!』
『禊は本当にいい子に育ったわねぇ~』
『オレの自慢の娘だよ!』
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