表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

平和維持省

作者: 東銀座

この世界は1日に無作為無作為(ランダム)に選ばれた人達を抹殺することで平和を維持している。


「今日はどいつだ?」

「No.142857、シューウィッツに住んでる小娘さ」

「行くかぁ」

平和維持省の男二人は、緋色緋色(あかいろ)のスポーツカーに乗って軽快に海岸沿いを走っていく。


「今日も平和だなぁ」

「いいことじゃないか。それを守るのが俺たちの仕事なんだから」


「ここの家だな」

それは森の中にある小さな一軒家だった。玄関近くには花が多く植えられていて、母親と思われる人物が水やりをしている。


「平和維持省の者です。娘さんはいらっしゃいますか?」


「えぇ…」


その母親は少々涙声で途切れにいった


「あの…!…娘は何もしていないんです。もうすぐお嫁さんに行くところなんです。だから…私が…殺されます...なの…で見逃してはいただけませんでしょうか………」


「残念ですがお母さん、これは法律で決められてることなんです。そのお気持ちよくわかります。ですが、人を選ぶことはできません。」


「そんな…そんな…」

「お母さん?どうしたの?」


木の陰から出てきた娘が今回の目標目標(ターゲット)〈No.142857〉だ。

俺は専用の銃を構える。


「やめてぇ…やめてください………」

「キャァ!!ヒャァァ!!」

「逃げないでください」


次の瞬間、俺の銃から一筋の光が放たれ、娘を直撃した。

そこにいた母親は泣き崩れ、地面にうずくまった。


「今日はこれで終わりか」

「あぁ。そうみたいだなぁ」

「こんな仕事、いつまで続けるんだろう」

「さぁな。」


政府会館に帰ってきた二人はそれぞれ飯を食って自分の家に帰った。

平和維持省の執行役員はあまりにも重い任務なため、やることが終わればすぐ家に帰れるのだ。


俺は相方と別れて地下鉄に乗り込んだ。


「まもなく横浜 横浜です。京急線、JR線はお乗り換えです。」


俺の家は横浜。嫁と一緒に住んでいる。


「ただいま」

「おかえり」

「ごはん?お風呂?」

「じゃぁ風呂で」

「はぁーい」

その後、風呂に入り飯を食って寝た。


朝が来た。

「行ってきます」

「行ってらっしゃい」


鶯の声が響き、車の走行音が聞こえる。今日も平和だ。

地下鉄に乗ってあざみ野駅まで来た。政府会館は隠された場所にあって、ここから専用の車に乗って向かう。


「今日は誰だ?」

「No.789787……」


そのIDまさしく俺のIDだ。


「とうとうこの日が来たか」

「いずれ…いずれ来るとわかってたよ。」


「さぁ早く。()ってくれ」

「じゃぁな。良介」


この世界は1日に無作為無作為(ランダム)に選ばれた人達を抹殺することで平和を維持している。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ