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指輪

私と純は、同時に果てた。


純は、まだいれたままだ。


「煙草吸っていい?」


「動くと離れちゃうよ?」


「それなら、もう一度いれればいい」


そう言って、笑った。


純は、いったん離れると私の太ももの間にタオルをいれてきた。


「また、捨てるの?」


「うん」


純は、私としてホテルを汚さないように何枚かフェイスタオルを持ってきてる。


そして、ソファーには大きなバスタオルをひいてるのだ。


それを、全部終われば捨てるのだ。


「乗って」


私が上に乗ると、煙草に火をつける。


純は、これが堪らなく好きらしい。


「結婚指輪は、いくらの?」


左手の薬指を触っていた。


「120万だったかな?安かったよ」


120万を安いと言える感覚が凄い。


「そう」


「うん!愛、お金はあれで生活できてる?」


「充分だよ」


「赤ちゃんが、出来たら!もう少し増やすよ」


純は、私に毎月30万振り込んでくれていた。


少し田舎街な、この場所で女が月30万を稼ぐのは難しい。


「まだ、出来ないよ」


「出来たらだよ」


「純は、私に赤ちゃん産んで欲しいの?」


純は、煙草の火を消した。


いれている純が、また膨らんでくる。


「欲しいよ」


「何故?」


「愛を誰にも渡さない為の、安心が欲しい」


「何それ?」


純は、涙を流してる。


「不安なんだ!不安で堪らないんだ。愛が、どこかにいったらと思うと…」


「行くわけないでしょ?」


「そんなのわからないよ!こんなに可愛い女の子を欲しいと思わない男はいない」


純は、そう言ってまた私をベッドに連れてきた。


また、私の中で果てたのだ。


赤ちゃんか…。


一人で、育てる自信ないよ。


「ちょっと寝ようか?」


「うん」


私は、純の隣で眠った。


目覚めると、親指で私の唇をなぞってる純がいた。


「寝ちゃってた」


「知ってる」


「何してるの?」


「唇をなぞってた」


「何で?」


「気持ちいいから」


くしゃくしゃって、少年みたいに笑う。


「婚約指輪は、次に会うときに持ってくるから」


「次は、いつ?」


「纏まった休みがとれる。だから、来る」


「わかった」


「それまでに、家を決めといて」


そう言って、髪を撫でる。



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