恋愛技術の複雑さ
「......」
「......」
「......」
桜の部屋に、沈黙が訪れる。
三宮は、ついに桜と対面したのだが、互いに顔を伏せており、話すどころか見ることすらしていない。
「えーと、お二人さん?」
しばらく待ったが、一向に進展の気配がないのを感じ浦風が声をかける。
「おい浦風!なんて話しかければいいんだ?俺たちろくな交際もしてないのに!!」
浦風の体をガクガクと揺らしながら問う三宮。
「さーくら!琴の演奏をおー!」
揺らされているので、半分悲鳴なような声で桜に指示を出す浦風。
彼の中では「困ったら音楽」という方程式が成り立っているのだ。
「兄様ー!こんな状況で琴なんて弾けませーん!!!」
手足をジタバタさせて喚く桜。指が完全に震えている。
「じゃ、じゃあ双六は?それなら大丈夫では?」
浦風、屋内で手軽にできる遊びを提案。
「あ、それなら」
すぐに同意を示す三宮。さすが皇族である。
「三宮様、桜には双六を教えたことはありません。どうか、よろしくお願いします」
ぺこりと頭を下げ、返事が来る前にさっさと部屋を出る浦風。
これで、強制的に二人は会話せざるを得なくなるのだ。
そのまま走って、紅葉のところに向かう浦風。ここで呼び止められてしまっては、しばらく動けそうにないからだ。
「紅葉!」
息を切らして、縁側にたどり着いた浦風。桜も三宮も追ってきてはいない。
「兄上、苦戦されたようですね」
浦風の表情より察する紅葉。ねぎらいの言葉をかける。
「んじゃ、女性に受ける和歌の作り方教えてくれ」
とにかく、お手紙には和歌がつきもの。上手くないと返事すらもらえないのだ。
「はいはい。まったく、そこまでしなくていいと思いますけどね。私は、和歌のいろはを教えようと思っただけなんですけど」
「なんで?」
あまりにもレベルの低い話をされ、きょとんとする浦風。クオリティは、高いに越したことはないと考えているのだ。
「だって、女四宮様は宮中随一の和歌下手っぴ女ですよ。兄上に負けない」
「あ」
浦風、ようやく大事なことを思い出す。
そう、浦風も女四宮も和歌が超下手なのだ。
もし仮に、浦風がハイレベルな和歌を女四宮に送ったとしたら、気後れされてしまうことだろう。
現に、そうやって女四宮相手に玉砕した男性は多いのだった。
返事に「和歌のことはよくわかりません」と書かれてしまい、その後返事をもらえなくなってしまうという。
「ですので、女四宮様が物おじしない程度にしか教えません!」
「はい、よろしくお願いします・・・・・・」
紅葉の提案を、頭を下げて受け取る浦風。
さてさて、まだ次の日まで時間はある。
変化が起こらないはずがないのだ。
なんか、桜と紅葉が出てくるだけでいきなり恋愛ゲームぽくなった気がします。
そろそろ、キャラ解説入れようと考えており、パラメーターつけてみようと思います。




