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浦風中将物語  作者: 里見レイ
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最強の妨害者

「珍しいな、突然お前から会いに来たいだなんて」


「すみません。急がなければいけない要件について、あなたの協力が必要なんです......」


 右大臣邸での会議の後、浦風は大急ぎで三宮に使者を送り、対面にこぎつけた。

 浦風の味方でなおかつ帝に顔が利くのは三宮だけだからである。


「実は、先日橋立から縁談の件を聞きまして......」


 その後の出来事を、なるべく手短に伝える浦風。

 一通り聞いた後、三宮は、


「女四宮は独身のままでいいと思うか?」


と問いてきた。


「いえいえ、人は結婚することが道理でしょう!」


 慌てて弁明する浦風。確かに彼の説明の範囲だと、女四宮が独身になってしまう。


「ま、結婚すると俺があいつを連れ出しにくいとは確かに言ったんだがな......」


 困った顔をする三宮。


「お前に女四宮をやれればいいんだがなあ......」


「! 無理、何ですか?」


 思わぬ発言に、戸惑いを隠せない浦風。三宮が「できない」と断言してしまったことに驚いているのだ。


「あ、俺はお前らいい夫婦になると思ってんよ。けど父上が反対しているんだわ、これが」


「み、帝が!?」


 そして、思わぬ妨害者。まさかここまで言われるとは思っていなかった。


「なんか父上、結婚に反対ではなくて、橋立を気に入り過ぎててな。あいつの出世をお前が邪魔したって考えているみたいで」


 橋立が帝の推挙する頭中将に昇進するのを拒んだのは、浦風が中将に昇進しようとしていたからだ。それにより、お気に入りの橋立の敵だと帝から認知されてしまったらしい。


「......」


 橋立が浦風を尊敬していたからの行動なので、この件において浦風は別に悪くない。もちろん、橋立も悪くない。

 つまり、単なる帝のわがままなのだが、このくらいの理不尽は許されるのが帝である。

 浦風は、あきらめの意思表明のため黙り込む。


「まさか皇族を側室にするわけいかんし、そしたら婿養子はできないし、まいったな」


 これは、橋立が女四宮と椿の両方を妻に取ることはできないという三宮の説明。

 そして、橋立の結婚が八方ふさがりである以上、浦風の縁談もなくならない。


(弁中将を落として、橋立を頭中将に出来れば......あー、駄目だ!紅葉が悲しむ)


 中将職に橋立を就けるため黒い方法を考えるが、弁中将もほぼ身内だと気づき思いとどまる。


「わ、私が辞任すれば......」


 中将の定員は左右の二人。向こうがだめなら自分がっと言ってみる浦風。


「正直、それも考えた。だが、代わりの仕事がなくてな......」


 三宮、あきらめの表情。


「......ずっと、あの方をお慕いしていたのですが......」


 言うことがなく、半分愚痴を言う浦風。


「見てれば分かるよ。お前が惚れてるってことくらい」


「え!? そんなにあからさまですか?」


「つーか、橋立がお前のとこに来たのもお前が女四宮を愛してるって知っているからに決まっているだろうが。はいはい、揃いも揃って自分のことはそっちのけなんだから」


「......」


 今まで、三宮にも話したことなっかたので驚くと思っていたが、どうやら三宮どころか橋立にもばれていたらしい。

 羞恥で顔を赤くする浦風。

 その肩をポンポンと叩く三宮。

 

 もはや、浦風に出来ることは何もなかった。


帝に関しては、しばらく名前しか出てこないですね。浦風が簡単に会えるような身分ではありませんので。

里見レイ

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