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ちょっと変な国語の先生の話

ユニークな作文シリーズ その2 「送元二使安西」を読んで

作者: マボロショ

国語の時間には、漢詩の勉強もふくまれていました。

実業高校の生徒は、こういう勉強は、好きでないという者が多いです。

しかし、こんな感想を書いてくれる生徒も、ちゃんといるのです。

中国の、国の広さを感じるのは、この詩一つではないけれど、仕事の都合で遠くに行ってしまう友達を心配して、別れの杯をかわしているこの詩からは、特にそれが感じられました。


友達が遠くに行く。中国はとても広いので、そんな遠くに行ってしまうと、もう二度と生きては会えないかもしれない。そう思うと、もう一杯お酒をつぎたしてやりたくなる。私はここの部分がとても好きです。

「お酒をつぎたす」……これだけで、この二人の親密さっていうか、友情の深さが伝わって来そうです。

先生も、授業の時、「お酒をつぐ人と、つがれる人との間には、親密な関係ができる」と言っていました。

お酒の中には、いろんな思いがこもっていて、無言のうちでも、お互いの気持ちが通じるっていうか、……そんな感じがして、ああ、お酒って、なんか人とつきあいする時、とても大切なものなのかなあ、と思いました。


私はお酒は飲めないし、今は飲んだらダメな身分なので、「お酒の重要性」など、よくわからないけれど、この詩の二人を見ていると、お酒と友情とは、別々のものじゃなくて、一つになっているものだなあ、と思いました。


今まで、あまりお酒を飲みたいと思ったことはなかったけれど、この詩を読んでお酒ってどんなにいいものだろうと思い、お父さんのブランデーを、こっそり、少し、飲んでみた。全然、変。おいしくない。「なに? これ? 」という感じだった。ますますお酒のよさがわからなくなったけれど、このお酒がおいしく感じられるころには、私はきっと大人になっている。ということは、元二と王維は、大人のつきあいをしていたんだなあと、それだけは、ハッキリわかりました。


ローカルな雰囲気の強い、この高校の生徒たちは、総じて、純朴な者が多いのですが、特に、この生徒は、純粋、素朴という感じの印象の強い子でした。

「文は人なり」と申します。

この子だからこそ書けた感想文だろうと思っています。

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