表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
91/135

ドヴェルグタウンで一日目

 次の日。

 俺達はまたドワーフの若者たちに襲われるかもしれないため、代表の家に止めさせてもらうこととなった。

 襲撃などは無く、朝を迎えることができた。


 「おはよう」

 「おはようなのじゃ」

 「おはようです」

 「おはようございます」

 「おはよー」


 朝起きと、そこにはリーシャ達が。

 もう驚きはしないし、最近はこれが主流となっている。

 そして、今日新しく起きた際にすることが増えたのだ。


 「ほら、トワ来るのじゃ」


 リーシャから順番にミア、メル、コマチとハグしていく。

 リーシャは大胆に、ミアは思いっきり、メルは恥ずかしながら、コマチは幼女化して。

 ぎゅっと包み込んだ体からは淡い体温が感じられる。

 ハグした後、皆恥ずかしくなって少し顔を赤くした。


 「これはいいのう、毎日するのじゃ」

 「毎日する!!」

 「そ、そうですね」

 「グッジョブ」


 俺もコマチにならって心の中でグッジョブする。

 そして、皆でベットから下りようとしていた時、部屋の扉が思いっきり開いた。


 「もうっ、私をのけ者にするなんてひどい!!」


 扉のところに立っていたのはダリルだった。

 ダリルは怒った様子で、トワの前へと来る。

 手を広げて、ほらという表情で待っていた。


 「うん?」

 「うん?じゃなあい。ハグだよ、ハ、グ!!皆としたように思いっきりしてよ」

 「と言ってもな」


 もうすでに獣人国ガーベラの姫としての身分は無くても、王の娘であることは変わりないのだ。

 もしもハグしたことを知り、ダリルの父親(王)が怒るかもしれないため、ダリルの扱いは気を付けなくてはいけない。

 ハグをする気のない俺を悟り、ダリルは強制的に抱き着いてきた。


 「えいっ」

 「あ、おい」


 避けようと体をよじったが、間に合わず片腕取られてしまった。


 「ほらほら~、もう体は密着してるんだし、もうハグしたとしても変わらないよ~」

 「いや、でも……」

 「もしかして、ダリルのこと嫌い?」


 泣きそうな声で上目遣いで聞いてくる。

 俺はそんなことあるわけないため、即座に否定した。


 「そんなことは絶対ないよ!!」

 「やったあ、じゃあいいよね」


 獣人族の強い腕力に引き寄せられ、そのままリーシャ達にしたようにハグすることとなった。

 どうしよう、お父様がぶち切れる……。


 「私のお父さんのこと心配してたでしょ。でも、大丈夫だよ、お父さんは君にならって言っていたから」

 「えっ」

 「あ、これは秘密だったっけ~」


 耳元で囁かれた言葉に驚かされる。

 俺が驚いている間に、ダリルはすぐベットから下り、朝食出来ているからという伝言を残して廊下へ消えて行ってしまった。

 残されたのは俺とリーシャ達で。

 リーシャ、ミア、メル、便乗してコマチが、何を言われたの?と手と足を抑えて問うてきた。

 惚れ惚れとする完璧な連携。

 そして、俺に逃げ場はない。の隊形が出来ていた。

 隠すことでもないので、すぐに言われたことを白状する。

 ふーん。

 反応はうすいものの、捕まれた足と手にはぎりぎりと万力のような力が込められていた。

 手足が爆散してしまうぅ。


 『朝から君はハーレム王、だね』

 「ハーレムってこんなに苦しいものだっけ、物理的に」


 呆れた感じのキリンが内からその様子を覗いている。

 それから5分でやっと解放された。






 解放されてすぐに着替えをし、大きなテーブルが置いてある部屋へと向かう。

 すでに美味しそうな匂いが漂ってくる。

 部屋への扉を開けると、そこにはテーブルに並べられた豪勢な朝食があった。


 「お、うまそうだな」

 「やっと来ましたか、まさかまたお楽しみをしていたんですか?」


 ジト目をしたダリルの何気ない言葉が、日向と充の怨嗟の呪歌を発動させる。

 三人娘はキャッキャウフフフだ。

 宗太は無言で前にある料理を食べていた。


 「俺だっていつか、こんな可愛い子に囲まれるんだ」

 「おうよ、日向。俺達ならできるさ」


 宗太は無言だ。


 「え、えっと、それでこの料理はどうしたんだ?」

 「私達が作ったんだよ~」


 三人娘とダリルがどうも作ったらしい。

 この料理に使った具材もデックさん本人から許可はいただいている。


 「じゃ、俺達ももらおうかな」


 宗太は無言。

 そして、俺達は朝食をいただいたのだが、そのどれもがおいしかった。


 「ほら、トワ、あーんじゃ」

 「こっちもあーんしてください」


 皆から餌付けみたいに口に料理が運ばれてくる。

 なんか皆の前でやっているので、すごく照れてしまう。

 ダリルもやろうとしていたら、リーシャ達全員でガードしていた。


 「なんで!?」


 あの優しいメルも特に異論はないらしく、ダリルはしぶしぶ諦めたようだ。

 宗太無言。


 「俺達だってこうしてほしいよな、な、日向」

 「そうだよな、宗太」

 「…………くっ」


 宗太は耐えかね、ご馳走様と丁寧に言った後、庭へと出て行った。

 その顔には少し涙が浮かんでいたような。

 日向と充が肩を組み、そのまま宗太を追いかけて外へと出て行く。

 朝食は男俺一人だけとなった。

 まあ、その後は変わらず食べさせられ、また食べさして上げるということをして朝食は終了し、それから自由時間として町を見て回ることにする。

 デックの了承も得て、町を回る。

 見たこともない道具や、とても出来の良い銀食器、宝石で彩られた指輪など見ていて飽きない。

 価格もラーマで売っていた物よりも質が良く、女性陣は興味津々だ。


 「これもかっけーな」

 「あれも、すげーぞ」


 最終的に宗太を置いて来た日向と充は、町を歩いている操縦ロボを観察していた。

 一つ一つ形が違い、装備している武器も違う。

 店の中にはその操縦ロボに取り付ける武器を専門に扱っているところもあった。

 日向と充は乗りたそうにしていたが、この操縦ロボ(一般的にはヘカトンと呼ばれている)はドワーフように作られているため、ドワーフより体の大きい俺達は乗ることができない。

 と、商品を見ていたら昨日のドワーフの若者たちがまた現れた。


 「借りを返しに来たぜ」

 「俺達に喧嘩を売ったことを後悔させてやる」


 そう言い、体が光り始め次の瞬間には操縦ロボ――ヘカトンに乗っていた。


 「今度は油断なんてしない」

 「こっちへ来い。まさか逃げるなんて言わないよな、その場合、俺達はてめぇらの大事なものをぶっ壊すことになるからな」


 と言って走り去ってしまう。

 逃げも隠れもしないが、俺の大事な物はここに全て揃っているから壊すことはほぼ不可能と言っていい。


 「あんの、クソガキども。燃やしてやろうか」

 「魔法剣のさびに変えてやる」


 煽り耐性の低い二人は挑発になんなく乗せられている。

 残りのクラスメイトは呆れているが、俺も合わせ行くことは変わりない。

 いつも突っかかってきたら面倒だし、ここは相手が本気だと言っている今の時に打ち負かしておこうと思った。


 「せっかくの観光だったけど、しょうがないか」

 「しょうがない、ガキじゃのう」

 「あのドワーフ達をびびらせましょう」

 「しばきましょう」

 「つぶす」


 うん、皆やる気満々だ。

 俺達は言われた通り、彼らを追いかけた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ