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オークション、開始

遅くなったことをお詫びします。

 朝、俺は夜の衝撃からあまり眠れず、太陽を拝むこととなった。

 寝不足の様子にミア達は不思議そうにしていたが、まだ明かすことはできない。

 不思議そうにしているミア達を極力無視し、顔を洗って支度する。

 今日は奴隷オークションが開催されるということで、その商品が朝早くから見れるらしい。


 「よし、これで支度は終わりっと」


 寝癖を池の水面を見ながら直し、今持っているなかで一番良い服を着る。

 今日の奴隷オークションの会場は一般の市民などは参加が制限されているらしく、少しでも見栄えの良い服を着ていくのがマナーらしい。

 そのため、俺は少し金の装飾がされたスーツのような服を着ている。

 そして、ミア、メル、リーシャ、おまけにコマチも落ち着いた感じのドレスを着ていた。

 コマチは魔法生命体だから姿を消すことも可能だから、そんな服を着ることもしなくていいと思うのだが、コマチ曰く――。


 「魔法生命体でも、女の子なのです。マスター」


 無表情に、そう少し最後が語気が強かったが、無表情にじっと見られながら言われた。

 そうか、コマチも女の子だよな。

 あれ、でもコマチって性別あったっけ……。

 そう考えていると、またコマチにじっと睨まれた。

 うん、考えるのはよそう。俺はその疑問を即捨てた。


 「よし、皆準備はできたか?」

 「はい、できましたが、私はこんな格好似合わないと思うのですが」


 そう言うミアは、白い肌に映えるように黒のドレスを着ている。

 少しだけフリルもついており、大人の女性の魅力というのが感じられる。


 「すごく似合ってるよ」

 「そ、そうですか。へへっ」


 後ろにでかい剣を背負っていなければ……。


 「わ、私も準備が出来ました」


 そう言ってその姿を見せてくれるのは、メルだ。

 メルは深い緑の色をしたドレスを着ている。

 ドレスは少しだけ丈が短くしており、メルの可愛らしさも十分に引き立たしていた。

 メルの薄い青色の髪にあっているな、と率直に思う。


 「すごくかわいいよ」

 「えへへ、トワさんにそう言ってもらえるとすごくうれしいよ」


 微笑む姿がとても輝いて見える。


 「我も準備できたぞ」


 次に登場したのはリーシャだ。

 他の三人の洋風のドレスと違い、和のテイスト――そう着物を着ていた。


 「え、着物か?」

 「うん?これは我が国で着ている正装じゃよ」

 「そうなのか、まさかこんな所に日本っぽいものがあるとは……」


 見た感じはまんま着物。

 紅をベースに細かな金の装飾がされており、その中はやはり白の肌着を着ており日本の着物そのままといった様子だ。

 それが、黒い髪のリーシャにまた映える。

 リーシャ自体日本人の顔とは違い、地球で言うハーフのような顔立ちなのだが、違和感なく着こなしているのはやはり、リーシャの国の正装だからなのだろうか。


 「どうじゃ、似おうとるかのう」

 「ああ、少しびっくりしたけど、すごく似合ってるよ」

 「そうかの、ふふ」


 くすりと笑う仕草が何とも言えない魅力にあふれている。


 「トワ様、どうしたんじゃ?」

 「あ、ああ、いやよし行こうか」


 いつもと違う皆の格好に見惚れていた、とは言えない。

 その事実を隠そうと速足でオークションが開催される国営の奴隷商へと向かう。

 向かっている途中に、自分達と同じ方向に進んでいる馬車が多く見かけた。

 どの馬車も見て分かるほど豪華絢爛な外装で、この国の有力な商人や、違う国から来た貴族とかなのだろう。

 その様子を見ながら、俺達は歩いて行った。




 国営の奴隷商。

 この国で一番大きい奴隷商であり、この国を支える財源の一つである。

 入り口が三か所あり、外からの王族やその側近用の入り口が一つ、この国の大物商人や外からの貴族が一つ、そして一般のもので裕福な者が通る入り口があり、俺達は三番目のゲートで順番を待っていたのだが、やはり人が多く1時間近く待たされた。


 「はい、次の方」

 「はい、身分証明を見せてください」

 「はい、これです」


 入り口で入室検査をしている職員に金のギルドカードを渡す。

 リーシャ達も全員見せた。


 「金ランクの冒険者様ですか!金ランクの方は貴族と同一とされていますので、真ん中のゲートでよろしかったのですが……」

 「あ、そうなん」


 こんなに長く並ばなくても良かったのか。

 無駄な時間だったなと落ち込むながら、奴隷商の中へと入っていく。

 中は少し薄暗く、席は半円形状に設置されていた。

 もちろん王族、貴族、一般と三つに席が壁により隔たれており、向こうの様子は見えない。

 俺達は金ランクの冒険者ということで貴族の席に着くことにした。

 その方が良くステージを見ることが出来るし、何より一人一人に広々とした空間が設けられているために、とても快適である。

 俺達は席の後ろの方に座り、オークションが開催されるのを待つ。


 「今回はどのような品が出展されるのでしょうね」

 「そうですな、私は新しい使用人が欲しくてね、家事全般が出来る者がいればよいですが」

 「私は戦闘のできる者が欲しいですな、ふふ、愛護用の奴隷もよいですな」

 「そうですな」


 横の貴族から聞こえる会話にあった愛護用の奴隷というのは、はっきり言ってしまうと性奴隷のことなのだが、貴族の間ではオブラートに包んだ言い方をする。

 お手洗いをお花畑に行く、という感じと一緒なのだろうか。

 そんな事を考えながら待っていると、ステージの方で照明が一つの場所を照らす。


 「皆様、お集まりいただけて光栄でございます。今回のオークションは一味違いますよ、最高品質の物を取り揃えておりますので、ではお待たせしました。オークションを始めていきます」


 盛大な音楽と共にオークションが開始される。

 まず最初に登場するのはダンジョンの奥深くで発見された武器や、宝石、魔道具類などが並べられた。

 真剣な表情で周りの貴族達は品一つ一つを見ている。


 「あれは鑑定スキルを使ってる」

 「そうなのか」


 コマチが言うにはここにいる貴族のほぼ全ては鑑定スキルを持っているそうで、レベルが高いほど詳細な情報が得られる鑑定スキルはこのオークションでは欠かせないだろう。


 「でも、俺達持ってないんだよな」

 「はい、だから残念です」

 「我も持っておらんからのう」


 仲間の誰も持ってないので、確実に俺は持っていない。

 品が全て紹介され、一つずつせりが始まる。


 「これらは目的じゃないからいっか」


 結構な力を秘めてそうな物がたくさんあるが、俺の目的は今回それらではないのでせりには参加せずに、ただ様子を見ている。


 「530番。1500万」

 「328番。1600万」


 せりは100万ずつ上げていくスタイルで、自分が買いたい場合は手元にあるボタンを押す。

 そうすると前の電光掲示板みたいな物に自分の番号が表示される。


 「そこまで、368番が2600万で落札されました」


 そして、十秒以内に誰もボタンを押さなかったら落札、買った人はオークションの最後にお金と品を交換するという仕組みだ。

 順々にせりは行われていき、全ての商品が2000万パラル以上で売れていった。

 そして、次は奴隷のオークションが始まる。



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