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商売の町へ

PV30000達成、ヤッフウウウ。

読者の皆さんに感謝感激雨あられ状態です。

これからもがんばっていきますので、応援よろしくお願いします。

新章、突入。

 一方、斗和達は。


 「全然、情報が集まりません」

 「そうだな、このマルバーン王国ではあまり情報が集まりそうにないな」

 「そう、です、ね」

 「そうじゃのう」


 今の状況について説明しておこう。

 各々とのデートも終わり、その後三日間ほど情報収集に資金稼ぎに、とあたふたとした時間を過ごしたがうまくいったのは資金稼ぎだけで、結局世界情勢についてはあまり分からなかった。

 そして、今宿の庭にてミアは手に入れたクレイモアで素振りをし、メルとリーシャは魔法を精細に練る練習をしながら話し合っている状況だ。


 「なら、商業の国に行ってみたらいいかも」

 「商業の国というと、八百屋の親父さんから聞いた国か」


 商業の国。

 マルバーン王国から北の方向に進んだところにあり、そこは唯一他種族が一緒に暮らしている国だ。

 その国の考え方としては『商業するのなら種族は関係なく商業できる者はこの国の住民である』というなんとも今の他種族排斥の思想が広まる中で、その時代の波に逆らうかのような国風だと説明を聞いて思った。


 「確かにそこなら情報が集まりそうだな」

 「そうだね」

 「それはよい。この国にも飽きてきたからのう」

 「私も賛成です」

 「マスターもそれでいい?」

 「ああ、そうしよう。それなら旅の準備をしなくちゃな」


 そうして、斗和達は商業の国――ラーマへと出発した。

 ラーマへの道のりは平原の中を進むだけなので、さほど苦しくなく馬車は少し良いものを買ったために旅自体はそこまで苦ではなかった。

 途中、馬車で酔ったリーシャが寝込んでしまうということもあったが、まあそれ以外特になにもなかったから良かった。


 「ううう、死ぬかと思ったのじゃ」

 「リーシャさん、元奴隷だったから馬車は乗り慣れているんじゃないんですか?」

 「いや、我は馬車よりも自分の足で歩きたいと馬車に乗らず歩いたのじゃ」

 「は?それ許されたのか……」

 「我は龍人族だからのう」


 言ってる意味が分からないが、コマチが要約してくれると龍人族は高貴な種族とされており魔力や身体能力はずば抜けて高く、魔法を奴隷の鎖により封印されたとしても高い身体能力により殺されることがあるそうだ。そのため、奴隷商人は奴隷の鎖をかけたとしても他の奴隷のような扱いをせずにできるだけの自由を与えているという訳だ。


 「いや、それなら誰も龍人族を奴隷にできないんじゃないか」

 「それがね、龍人族も昔ほど強いわけではなくて今は弱体化してるんだ」

 「我は近接戦闘が苦手じゃからのう。昔のご先祖様は両方得意としてたらしいのじゃが」

 「そうですか、なら私と近接戦闘ができるように鍛えませんか?」

 「いやじゃ、死んでしまうぞ」


 ミアは気に入ったクレイモアを使いたくて、ずっとうずうずしている。

 ってか、町の中でクレイモアを出すなよ。

 仕舞うようにミアに言いつける。


 「それで、どこで情報を集めるのマスター」

 「そうだな、確か門番の人には情報屋というのがいると聞いたが……」


 きょろきょろと周りを見渡すが商業の国とあって至る所に店、店、店が並んでいる。

 これじゃどこに向かえばいいかも分からない。

 おまけにマルバーン王国は人間しか歩いておらず、その人口密度はあまり高くなかったがここは他種族が一緒に暮らしているというだけあって人が多く、歩きずらい。

 そして、こんな人口密度が多いところでおのぼりさんのようにきょろきょろしていると定番の事が起こる。


 「ちょっと待ってくださいね」

 「待つのじゃ」


 メルとリーシャの二人に手を掴まれたのは、さきほど前から歩いてきた小汚い格好の男だった。


 「な、なんだよう。その手を離せよ」

 「そのポケットの中身を返してくれたら手を放しましょう」

 「な、何の事だかさっぱり」

 「そうですか、では」


 メルの手に魔力が集まる。

 その魔力の動き方は繊細で無駄がなかった。

 そして、今にも逃げようと画策している男の手にその魔力は電気に変換され走った。


 「あぐっ」


 それは一瞬のことだった。

 放電は男の意識を奪ったが見る限り体に傷は無い。


 「すごいな」

 「それほどでもないですよ」


 すぐに気絶させた男から奪われた財布を抜き取り、道の端へと運んでおく。

 誰かが踏んで転んでもいけないからね。

 男を置き終ったあとはすぐさまその場を離れ、情報屋が見つかりそうにないために宿屋を探すことになった。

 宿屋に関してはやはりここに来るのが人間だけではないため、その種族に合わせた宿などがあり多種多様な宿に驚いた。

 そして、宿に関しては自分達は少し稼げるようになったために少しランクの高い宿に泊まることに決定。

 その際に部屋割に関しては。


 「大部屋一つで」

 「お願します」


 ミアとメルがこれ以上の無駄使いはいけない。それならどうするか、なら部屋は一つでいいだろうという結論に至った。

 お金に関しては人間の国の通貨であるパラルも使えるらしく、還元の比率にあまり差はない。


 「これでトワ様と一緒に寝れますね」

 「作戦通りだね、トワさんも満更じゃなさそうだよ」

 「そうじゃのう、我もトワ様を抱いて寝たいのじゃ」

 「ぐふふふ」


 部屋に入るなり、女性陣は部屋の隅に集まって作戦会議を始める。

 俺は部屋の中央で耳を閉じ、精神統一をしていた。

 旅の途中で寝る時はテントと馬車で分かれて寝ていたために久しく一緒に寝るのだ。

 今夜は緊張で寝れそうにない。

 そして、今日は旅の疲れを癒すために温泉に入りに行き、そのまま一緒に寝た。


 うん、俺だけ疲れが取れ無ねえ。


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