異世界転移された先で
「…………っ」
光が収まり、目が機能し始める。
最初に見えたのは、膝をつき頭を下げている甲冑の騎士だった。
数にして軽く百体を超えていると思う。
「あ、あれ、ここは……」
三嶋悠太がそうつぶやいたのを聞き、辺りを見回す。
自分たちのいる部屋は天井が高く、高そうなシャンデリアが向こうの壁まで一直線に続いており、地面に目を向けると、そこには赤い絨毯が床全体に敷かれていた。
いわゆる豪華絢爛な部屋、というのがしっくりとくる。
「私たちって異世界って所にとばされたのよね」
と女子三人組のボケ担当の笹原美貴が。
「うん、確かに神様がそういってたからそうなんじゃない」
と女子三人組の聞き手担当の区杉芽衣が。
「おい、俺たちはやったんだよ。夢にまで見た異世界転移じゃねぇか。俺はハーレム王になる」
「そして、俺は異世界最強チート主人公になる」
とゲームオタクの田村日向と刈谷充が。
のんきにおしゃべりをしている。
それ以外の黒田和也と三嶋悠太は自分と同じく、今がどのような状況なのか適格に判断しようと周りから情報を得ようとしていた。黒田和也はただ黙っているだけかもしれないが……。
そうこうしているうちに、状況に変化が訪れる。
「「「ザザザッ」」」
動く気配がなく、置物ではと疑い始めていた甲冑の騎士達が一斉に動き、目の前に一本の道ができている。
そして、できた道の向こうから誰かが来ているのが見えた。
よく見ると三人の人物がこっちに向かってきている。一人は綺麗な金の色をした髪に、黄金律で作られたかのような顔立ちをし、ドレスを着た美少女でたぶん典型的な展開でいえばお姫様なのだろう。二人目は身長が180cmを超えている大男でゴリマッチョ、貴族の衣装を着ているのだが筋肉で千切れそうである。
三人目はローブをまとった老人で、フードをかぶっているが、立派な白いお髭(サンタさんの髭を想像するとわかりやすい)がはっきりとわかる。
そして、5メートル離れたところで立ち止まり、その三人は一礼し。
「ようこそいらっしゃいました。勇者様」
お姫様(仮)はもう一度深くお辞儀するのだった。