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ミアとデート

一か月ぶりです。

作者は元気に旅をしておりました。

一か月と長い旅でしたが、皆様はどうお過ごしでしたか。

私は自分の家が一番だと思い知りました。

無駄話はさておき、本編をどうぞ。

 リーシャとのデートが終わった次の日。

 次にデートするのはミアに決定し、今斗和は宿屋の前でミアを待っていた。


 「お待たせして申し訳ありません、トワ様」

 「…………」

 「トワ様?」


 振り向くとそこには昨日のリーシャとは違った、黒のドレスのような服を着たミアが立っていた。

 黒い服がミアの白い肌に映え、無言で見つめてしまう。


 「あっ、ああ、よし行こうか」

 「はいっ」


 正気に戻り、デートらしさを出すためにミアと恋人つなぎをしながら町を歩く。

 商店街は今日もにぎやかで、至る所から声が飛んでくる。

 その中をミアと露店の商品を見ながら進んでいく。


 「見てください、これなんてどうでしょう」

 「お、嬢ちゃんこれがどうかしたのかい」


 ミアが指さす先には大きな一振りのクレイモアが置いてあった。

 クレイモアは何の細工も無いシンプルな形をしていた。

 そしてそれに気が付いたのか、露店の店主がミアに話かける。


 「それは太古の昔に英雄が使っていたとされるクレイモアで――」

 「ふむふむ、なるほど」


 武具屋の店主が熱心に聞いてくれるミアに感心したのか、話が熱中していく。

 その話をまたミアは興味深そうに聞いていた。

 それから数分が過ぎ、やっとクレイモアに関する話が終わる。


 「だがな、このクレイモアは大男三人でやっと持ち上げれるぐらい思いからな、誰も買うやつは居ねえんだわな、がはははは」

 「いや、笑いどころじゃねえだろ」


 話を片手間に聞いていたところ、結構な値段で仕入れたのだが思ったより重く運ぶのも大変だったのに売れないという不幸話だ。

 このクレイモアの歴史が本当ならこのクレイモアは恐ろしく価値のある物なのだと思うが。


 「まあ、そういうこった。今では店の置物としての役目を」

 「よっと」

 「してくれてって、あれーーー?」


 店主が信じられないという顔で俺の横に目を向けている。

 そして、俺の横では大男三人でやっと持ち上がるクレイモアを片手で持ち上げているミアが。

 うん、だろうね。

 大男三人で持ち上がるなら、今のミアなら片手で持ち上がっても不思議ではない。


 「おい、大丈夫か」

 「…………はっ、嬢ちゃん何者だい、こんなに軽々とこのクレイモアを持ち上げるなんて」

 「えっと、トワ様の従者兼仲間です」


 俺のかけた声には一切気づかず、ミアに店主が寄っていく。

 その目はまるで英雄を見ているかのようだった。

 まあ、昔の英雄が使っていたんだから、そのクレイモアを使えるミアが英雄と変わりはあまりないのかもしれない。


 「良ければ、ここの店で働かないか宣伝としてとてもいい」

 「いや、私はトワ様の元に一生いるつもりなのでお断りします」

 「む……そうか、その目は無理そうだな……そうだ、そのクレイモアを持っててあげてくれ」

 「えっと、いいんですか」

 「ああ、武器は使い手がいてこそ一番輝く、ってのがうちの信念みたいなものだから気にせず持ってってくれ、そのかわりうちの店を贔屓にしてくれよ」

 「はい、ここの店の武具はどれも質が高そうなのでまた見に来させてもらいます」

 「ああ、また武具はフェンゲル武具店で頼むよ」


 さすがに無料でもらうのは忍びないため、その後に原価で買うことにした。

 店主はプライドがとか、あげると決めたからとか、お金を貰うのを渋っていたが最終的には折れる形でお金を受け取ってもらえた。

 なんでデートでクレイモアを買っているのかはなはだ疑問だが、まあミアらしいのかもしれない。

 満足げにクレイモアを片手で担いでいるミアの横を歩く。

 大きいクレイモアを美少女が持ち上げて歩いているという不思議な光景に、町の人から注目の的となっているのだがあまり気にしないようにする。

 すでに俺達は人外と言っていいほどの力を得てしまったため、こうやって注目を浴びることも少なくなくなるのだろうとこの時思った。

 そして、デートにはクレイモアは邪魔だということで、宿屋に一旦置きに戻り、次にミアが行きたがっていた公園へと向かう。

 その際、奴隷のように扱われているリザードマンが横を通り、それをミアが横目で見ていたのが見えた。



 公園にて。

 公園には日本のような遊具は無いが、噴水がありその周りを花が埋め尽くしていた。

 その花が群生している辺りでは、ここの近くで住んでいる子達なのか仲良く追いかけっこしたり、花で遊んでいる子もいる。


 「ここは良いところですね」

 「そうだな」


 子供たちが笑いながら遊ぶ姿は微笑ましいものだ。

 ミアと斗和は子供たちが遊んでいるところから少し離れたところに座り、一旦落ち着く。

 遊ぶ子供たちを二人で眺める。


 「どうして、人間と我々の種族は仲良くできないのかな」


 それは、ふとしたつぶやきなのだろう。

 だがそれこそが何だかリヒトと俺が追い求める夢の答えのような気がした。

 なぜ魔物と人間は仲良くできないのか。

 魔物との意思疎通ができないから、人間とはまったく違った姿形をしているから、このほかにもたくさんの理由があると思う。

 ミアと一緒にいて俺は魔物の印象というものが変わったように思える。

 魔物も人間と同じで意思を持っている。人間と同じく必死に生きている。

 しかし、この世界の人間達はなぜか魔物を毛嫌いし、または道具としてしか見ていない。まるで()()()()()()()()()()()()()()()()()()()かのように感じた。

 他の種族に関してもそうだ。

 なぜかこの世界の人間は他の種族に関しても嫌悪感を抱くのが当然、というような考えが普通となっている。


 「そういや、どうしてなんだろうな」

 「あ、すいません。で、デートなのにこんなこと言っちゃって」

 「いや、いいんだ。町にいたリザードマンを見て気分が悪いよな」

 「…………はい、どうしてなんでしょうか」

 「俺には今のところ分からないが、一つ言えることは意思疎通のできる魔物達も皆手を取り合っていくのが目標だからな」

 「はい、そのためにももっと修行しなくては!!」

 「あまり無茶はやめてくれよ」


 さっきまでのしおらしい態度とは裏腹に、今度は立ち上がって闘志を燃やしている。

 まあ、ミアはしおらしい態度をとっているよりも、こっちの方がよっぽど魅力的なのだが。


 「やってやりますよ、全種族が手を取り合える世界を作るまで」

 「俺も頑張らなくてはな」


 そして、その後公園を出て夕方また町を出歩いた。

 その際、夕食までまだ時間があるので食べ歩きをしたり、ガラス細工を見たりと一日を満喫した。

 今日が終わるのはさみしい、と言うミアがとてもかわいかったのは内緒だ。


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