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リーシャとデート

この話が出ると同時に私はパソコンを一か月間使えなくなってしまいます。

本当にすみません。

この後に続くであろう「メルとのデート編」、「ミアとのデート編」は約一か月後になってしまいます。

重ね重ねすみません。

読者の方々に日頃の感謝と投稿できない謝罪を送らせてもらいます。

これからもよろしくお願いします。

 皆の実力を確認した二日後。

 俺は宿の食堂でリーシャを待っている。

 なぜかと言うと。

 昨日の晩にリヒトの夢実現に向けて行動するのはどうしたらよいかと話し合った挙句、今の世界情勢について情報収集をすることとなったのだ。

 なったのだが、単なる情報収集ではなくなってしまう。

 それは、話し合っていた時のふとしたコマチの一言から始まった。


 『前マスターの夢を叶えてくれようとしてくれるのは嬉しいけど、休息も必要だと思う』(コマチ)

 『休息?私は全然大丈――』(ミア)

 『そこで、もっと仲を深めるために一人ずつマスターとデートしてもらおうと……思ったんだけどいらない?』(コマチ)

 『ちょっと待たんか』(リーシャ)

 『ちょっと待ってください』(メル)

 『お主もこっちに寄れ』(リーシャ)

 引っ張られるミア。

 『……それ……でも……これな……やっと…………一日……いい……決まりかのう』

 『その提案に乗ろうと思う』(リーシャ)


 コマチの提案により一つの円になり、リーシャ達+コマチが話し合った結果、一人一日ずつデートをすることとなった。

 そして、最初にデートをする相手はくじによりリーシャに決定。

 宿の食堂でリーシャの支度待ちというわけだ。

 この結果に男である俺としては嬉しくないわけがない、だがこういう時に限って今までのようにリーシャと接することができるか不安になる。

 主にデートという環境下に置かれることで。

 リーシャとデートしている間に他のミア、メル、コマチはどうするのかというとこっちはこっちで女子会をするらしいので、ご心配なく、だそうだ。


 「トワ様、お待たせしたのう」

 「ああ、いや、あんまり待ってないよ」


 ふいに後ろからの強襲にありきたりなセリフをはいてしまう。

 部屋が一緒なのだから待った時間は分かるのに……。

 白いワンピースを着たリーシャは俺の腕を取り。


 「それでは行こうかのう」

 「あ、え」

 「頑張ってこいよ、兄ちゃん」


 他のお客には生暖かい視線と突き刺さる視線がない交ぜとなったものを背中に感じながら、リーシャに腕を引っ張られ宿から出ていく。

 そして、引っ張られながら進んで場所は商店街。

 庶民街の中では一番活気のある場所で、外から来る商人が品物を下ろすために貴族の姿もちょくちょく見られる。

 その中をリーシャに腕を抱かれながら歩く俺。

 なんか周りの視線がとても痛い。


 「えっと、そのなんで腕を抱いてるんですか?」

 「いやかのう」

 「い、いやじゃないけど、なんというかその恥ずかしくて」

 「ふむ、コマチからデートの定番はこれと言われたのじゃがのう」

 「コマチの入れ知恵か……」


 恥ずかしいが腕に当たる感触が幸せなので、心の中でコマチにぐっじょぶとハンドサインをしておく。

 なぜかそれに対し腕を組みうんうんと頷くコマチが幻視できた。

 歩いていると、露店から客を呼び寄せるための商売文句が聞こえてくる。

 露店に置かれている商品を見ながらリーシャと歩いていると、ふとリーシャの首筋にある奴隷紋が目に入ってきた。

 それはリーシャが仲間となった際、奴隷商によって契約の証として付けられるもので、この紋がある限り奴隷としての身分としか見られない。

 これから夢を叶えるため一緒に戦っていく仲間として奴隷のままではだめだと思う。


 「リーシャ」

 「うん?」

 「ちょっと行きたい場所があるんだけど、いいかな」


 置かれていたガラス細工を眺めていたリーシャの手を取り、その行きたい場所へと案内する。

 そこは、リーシャと初めて会った場所。




 「いらっしゃいませ、おや」

 「なんでじゃあああ、トワ様どういうことじゃ!!」

 「その龍人の娘をお返しに来ましたか」

 「いやじゃあああ、なにか気に食わないことでもしたかのう、なあトワ様」

 「いや、リーシャを売りに来たわけじゃないよ」


 奴隷商に着いた瞬間、奴隷商の建物から気配を察したのかあの時の商人が顔を見せた。

 それを見たリーシャは顔を引きつらせて腕にしがみ付いて離れなくなった。

 その後何とかリーシャを宥めることに成功し、外に出てきた商人は何か話があるのだろうと商談の部屋へと招いてくれ、対面する形で座る。


 「それで、今回は新しい奴隷をお求めですか」

 「キッ」(リーシャが斗和を睨む音)

 「い、いや違う。実はリーシャの奴隷紋を外してもらおうと思ってね」

 「なんと、奴隷から解放すると。なんと酔狂な人もいるもんですねえ、見る限りあなたに彼女は懐いているようなので、確かに不要そうですが」

 「それで、できそうですか」

 「はい、もちろんですとも。彼女は犯罪奴隷ではないため国の許可などは必要とせず、こちらですぐに行えますよ」

 「それじゃあ、頼むよ」


 ええ、お任せください。と商人は部屋の外から黒いローブを着た細見の男性を連れて着た。

 奴隷紋は特殊な魔法により付けられるもので、付けた本人でしか解除できないとされている。

 そのためこうやって奴隷商に足を運んだのだ。


 「では、解呪します」

 「ええ、お願いしますね」


 黒いローブを着た男に商人が合図をすると、男の手の先から黒い魔法陣が浮かび上がりその魔法陣がリーシャの奴隷紋と重なっていく。

 そして、重なった魔法陣と奴隷紋はガラスが割れるかのように粉々に割れ消え去ってしまった。

 黒いローブを着た男は仕事が終わった、とそそくさと部屋を出ていく。


 「ん、奴隷紋が消えたかのう」

 「うん、もうリーシャは奴隷じゃないんだ」

 「良かったですね、リーシャさん。とても良い主人に巡り合えて」

 「ああ、最愛の主人だからのう」


 リーシャの嘘偽り無いその笑顔と言葉に顔を少し赤くしながら、解呪料の二万パラルを払ってまた商店街の方へと駆け足で向かった。

 その後も商店街で露店に飾ってある品物を見て回ったり、リーシャの服を買ったりと楽しい時間は過ぎ、気づけば日は暮れようとしている。

 商店街も昼から夜へ風貌を変え、淡い光がぽつぽつと店を照らす。

 その中を満足そうな顔をしたリーシャと共に歩いていた。


 「今日は楽しかったのう」

 「そうだね、なんか久しぶりにゆっくりした気がするな」

 「確かに、トワ様に会ってからというもの常に何かに巻き込まれておる気がするのう」

 「いや、俺はそんなにトラブル体質じゃない……ないはずだ、よな」


 ふとなぜかクラスメイトと比べて自分はなんかイベントに遭遇する率が高いのでは、と頭によぎる。

 考え過ぎだと頭を振って、考えを追いやった。


 「まあ、トワ様と出会えて良かったと思うがの」

 「そう思ってくれてうれしいよ」


 そこで会話が途切れた。

 夜の街をたくさんの人が通っていく音がよく聞こえる。

 どれくらい歩いたのだろうか、泊まっている宿が目視できる距離までたどり着いていた。

 朝の時のようにリーシャが手を絡ませてくる。


 「トワ様にはいずれ話しておかなくてはいけないのう」

 「えっ」

 「いや、なんでもないのじゃ。もっと勇気を持っていたらと思ってのう」


 周りの大きな声で会話する音などでリーシャの小さな声はかき消される。

 さっきまで楽しそうな顔をしていたのに、今はなぜかすごく暗く見えた。


 「リーシャは俺より強いと思うけど、こんな俺でも頼ってくれ大切な仲間なんだから」

 「!……そうか大切か。ふふ、そうじゃのう、我もトワ様が大切で愛しておるぞ」

 「……っ!!」


 リーシャは言い終えると同時に斗和の頬に唇を当てる。

 一瞬何をされたのか分からなかったが、理解するとともに火を噴きそうなほど口づけされた頬が赤く染まった。

 それはした本人であるリーシャも例外ではない。

 してしまったという恥ずかしさに耐えられず、リーシャは先に宿の方へと走って行ってしまう。

 遅れて真っ赤な顔をした斗和も宿へと帰った。



 一方女子会では。


 「それでトワさんはそこでなんと言ったんですか」

 「ゴクリ」

 「そこで、トワは好きです僕の彼女になってくださいと言った、けれど」

 「「けれど?」」

 「私彼氏がいるんでと断られた」

 「ああ~~、なんでもっと情報を集めないのかなトワさんは」

 「ふむ、トワ様の初恋はそこで散ってしまったわけだな」

 「そう、それで――」


 リヒトと会っていた時に、手に入れた斗和の記憶から恥ずかしいものをコマチが暴露していた。

 斗和が聞いたらなぜ知っている!?と問い詰められかねないので本人には記憶を見たことは言わないが。

 結構その日の女子会は盛り上がったという。

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