ワンピース
皆さんこんにちは。
最近忙しく投稿速度が遅くなっているゆうちょふです。すみません。
なんとPVが10000を超えました。
ありがとうございます、感謝感謝です。
これからも楽しく書かせてもらいます。
――朝。
起きるとまだリーシャ達はまだ寝ていたため、一人で温泉へと向かう。
途中ピコちゃんとその両親に会い、挨拶を交わした。
温泉にて。
「ふぅ~、癒される~」
朝早く起きたために今温泉は自分以外誰もいない。
温泉に浸かってリラックスしている中、ダンジョンで聞こえてきた声の事を思い出した。
「あれは一体何だったんだろう」
リーシャやメルに聞いても声は聞こえなかったと言っていたし。
誰が自分に語りかけていたのか、もしくはただの幻聴だったとか。
でも魔石を食べさせる事は自分は知らなかったわけだし、幻聴だと少しおかしい気がする。
じゃあ、あれは……。
「あ~もう、分かんねぇ」
その声はダンジョンでしか聞こえてこないからたぶんまたダンジョンに行けば分かるかもしれない。
うん、そうしよう。
半ば諦めた感じで、体も温まったので温泉を出る。
その後、リーシャ達を起こして食堂で朝食を食べ、リーシャ達の入浴を待ってから冒険者ギルドへと向かった。
――冒険者ギルドにて。
冒険者ギルドに入るとやはりテーブルや椅子がきれいに並べられ、俺が読んでたラノベとは違った整えられた酒場兼冒険者ギルドがあった。
いつ来ても定番とは違うなと感じるが、暴れたりする奴はギルド長やその娘さんに力づくで追い出されるので荒れることはないのだろう。
まあ、暴れるやつほど弱いっていう理由もあるけど。
その噂の受付嬢兼ギルド長の娘のメリアさんの受付に向かう。
「あ、トワさん。お帰りなさい」
「あ、ただいま」
「あれ、リザードマンのミアさんは……?」
メリアさんはミアと仲良くしており、よく魔物雑談に花を咲かせていたため、すぐにリザードマンの姿のミアがいないことに気が付いたのだろう。
「それなんですが、この娘がミアです」
「またまた~そんなご冗談を、また新しい娘を連れてきた……ってえええええええ」
「えっと、ミアです。人型に進化しちゃいました」
どうもメリアさんは鑑定眼というスキルを持っており、それで新しく来た女性がミアだと判明した。
魔物が人型に進化するのは稀らしく、敵として出てくると非常に厄介なのだとか。
まぁ、その後ミアが人型になったのを喜び一緒に買い物に行こうと約束をしていたが。
「すみません、ドロップ品を売りたいのでどこか広いところはありませんか」
「あ、はい、すいません。取り乱しちゃって」
「あ、いえいえ」
「では、こっちについて来てください」
そして、案内されたのは冒険者ギルドの裏口から出たところにある広い庭だった。
ここはよく冒険者の訓練や決闘などで使用するところなのだが、最近はあまり使うことがないそうだ。
「では、ここにドロップ品を出してください」
「はい」
アイテムポーチから一つずつ芋虫の肉や、その芋虫の糸、その他にも十階層にいくまでに出会った魔物達のドロップ品を並べていく。
数的には芋虫の肉が一番多く、その次にゴブリンの錆びたナイフや耳などが多そうだ。
「す、すごい量ですね。それにこの肉はタイラントキャタピラーの肉じゃないですか!」
「はい、リーシャ達が頑張って倒してくれたんです」
「倒したって……タイラントキャタピラーは確か十階層のボスの中で一番厄介な魔物だった、はず」
「ふむ、確かに大変だったのう」
「そうですね」
「そのおかげで進化できた」
「ってかダンジョン一回目から十階層まで行ったんですか!」
メリアさんがすごい剣幕でぷりぷりと怒り出し、ギルドの庭に訓練に来た冒険者はそれを見てそそくさと庭を後にする。
メリアさんの説教は長く続いた。
「もう、このぐらいにしときます。無茶はあまりしないでくださいね」
「分かったよ」
「はあ、分かったらいいんですが。では調べさしてもらいます」
そう言って、メリアさんはドロップ品一つ一つを念入りに調べ査定額を出した。
「えっと、全部でざっと百二十万六千パラルですか」
「そんなに!」
「ええ、この芋虫の肉はあまり食べられず希少とされてますから、それにこの糸はレアドロップですよ、あ、でもこの糸を使って服を作ることができるんですが、売らないっていうのも手ですよ」
「うーん、ならそれは売らないことにします」
「はい、では合計で百万六千パラルですね」
一旦冒険者ギルドの 中へと入り報酬を貰いに行く。
受付で待っていると奥からメリアさんが戻ってきた。
「これが報酬となります」
渡された袋の中には金貨と銀貨がたくさん入っていた。
一応説明しておくと、金貨=一万パラル、銀貨=千パラル、銅貨=百パラル、石貨=十パラルという風な価値となっている。
日本円で直す場合、一パラル=一円ぐらいの価値があるのでちょっとした小金もちとなったということだ。
「あ、あとこれが新しいギルドカードです」
渡されたギルドカードは人数分あり、今持ってるギルドカードと違い金属でできていた。
ギルドカードは銅色で輝いている。
「本当は十階層まで行けて、タイラントキャタピラーも倒せるトワさん達はシルバーランクの実力があるんですけど、基本的には飛び級はできないのでブロンズランクに昇格です」
「ありがとうございます」
その後少しだけメリアさんと世間話をし、買い取りにしなかったタイラントキャタピラーの糸で服を作ってもらうために店へと向かう。
服に関しては自分の服を作るのではなく、リーシャ達の服を作ってもらう予定だ。
こんなこともあろうかと、メリアさんと話している時にさり気なく服を制作してくれる店を教えてもらっている。
冒険者ギルドを出てから数十分、目的地が見えてきた。
「あのトワ様、いったいどこに向かっているのか、まだ教えてくれないんですか?」
「いや、もう着いたよ」
服をプレゼントするのはサプライズにしたいので、どこに向かうのかは言っていない。
黙々と歩く俺に対し、ミアが疑問に思って聞いてきたが目的地はもう目と鼻の先だった。
店の名前は『トール・ファッションズ』と看板に書かれており、雰囲気的には貴族とかが買い物をしてそうな高級感溢れる外装となっている。
ここに入ると知ったリーシャ達はこんな所に何をしにきたんだと不思議そうにしていた。
「すみませーん」
「はい、いらっしゃいませ、お客様」
店に入ると迎えてくれたのは高身長でゴリゴリマッチョのサングラスをかけた男性だった。
その顔と体格がやはり兄弟なのだと分かる。
そう、店の名前で分かった人がいるかもしれないが、ここは冒険者ギルドのギルド長をしているギル・トールさんの兄弟がしている洋服店である。
その店長であるトールさんは自分達の格好を見て、少し警戒していた。
なんせここは貴族御用達の店であり、俺達のような一般市民が来るような所ではないからだ。
「今日はどういったご用件でしょうか」
「ええと、メリアさんに勧められて来ました。」
「なるほど、あなた方がメリアのご友人でしたか。メリアから連絡は貰っています、どうぞこちらへ」
たくさんの服が飾られている店内の奥へと進み、裁縫の道具が置かれた部屋へと案内された。
「どうも、申し遅れました、私はガイル・トールと申します。知っているとおもいますがギルド長であるギル・トールの弟です、よろしくお願いします」
「「「えっ」」」
リーシャ達は当然知らされていないため、そんな事は知らない。
そんな事は置いておいて、さて、本題へと入ろうか。
「ではお願いできますか」
「ええ、おまかせください。それで素材と料金になりますが、料金に関して今回は珍しい素材で作成さしてもらうのでいりません、ただ余ったらそれをもらっていいですか?」
「はい、それでいいです。それじゃあこれ渡しておきますね」
「はい、それでは、そこの三人のお嬢さん達ですね。サイズ調整をしたいのであの女性の元に着いて行ってください」
「「「……へっ?」」」
リーシャ達は続く会話に流されるまま店員の女性に連れて行かれる。
実はサプライズにしたのは自分達に服を作ってもらうのは主人を差し置いてありえないと拒否されないようにという意図もあり、その作戦は成功した。
リーシャ達が採寸してもらっている間に、メリアさんに貰った情報の一つについてガイルさんに詳しい情報を知るために聞いてみる。
メリアさんから貰った情報、それは黒田和也の死と第二王女メフィア・マルバーンの病についてだった。
一見その二つの事柄には関係が無さそうに思えるが、繋がりがあると最近分かったという。
黒田和也を死に追い詰めた三嶋悠太は俺が城から追い出された後、城の庭にある井戸に向かっているのがたびたび見られたらしい。その井戸は王家の者が飲む為に用いられる井戸でそこの水に細工がされていた。
毒見役の人も病になるのが遅かったために、即効性の毒ではなく遅効性の毒だと判明。
運悪くメフィアさんがその水を口にしてしまったために病となり今に至る。
俺はその事を聞いた時、その情報が信じられなかった。
優等生で正義感が強かった三嶋悠太がそんな非道なことをするだろうかと疑問に思ったが現実に起こっている事なのだから信じるしかない。
ガイルさんもその事を知っているそうだが、俺が知っている以上の事は知らないらしいので話はそれで終わった。
「採寸終わりましたー」
「では、作業に移りますのでここでお待ちください」
話が終わったと同じタイミングでリーシャ達の採寸も終わり、三人ともこちらに来る。
その顔は少し怒っているように見える。
「どうして、こういうことを言わないんですか」
「そうですよ」
「我も同意じゃ」
「いや、だって言ってたら素直にしてくれなかっただろ」
「確かにそうですが……」
まだ不満があり、言いたそうにしていたが何とか納得してもらう。
それに自分はそこまで服に拘っていないし、それならリーシャ達みたいな綺麗な女性に着てもらったほうが良いと思うんだけど。
その事を言葉にして伝えると三人とも何だかそわそわし始めた。
「私達が綺麗って……」(ぼそっ)
「そんなこと一度も言われたことないよ」(ぼそっ)
「我も一度も言われたことなぞないのう……」(ぼそっ)
「ん?」
三人ともひそひそと何やら話しているようだが、声が小さすぎて聞き取れない。
その三人は置いといて、ガイルさんにどのくらいに作り終わるのかを聞く。
この世界での裁縫技術は地球よりも発達しており、魔法や魔道具によって時短することが可能となっている。そのため、もう目の前にはタイラントキャタピラーの糸でできた大きな布が出来上がっていた。
「あと二、三時間はかかりますからそれまでそこに座って待っていてください」
店内に置いてある椅子に腰かけ、他の店員さんからもらったお茶を頂き出来上がるのを待つ。
その間、リーシャ達は店内の洋服を見て回っていた。
それから三時間後。
「完成しましたよ、どうぞお嬢様方はこちらへ」
ガイルさんが完成の報告を告げ、リーシャ達は早速着るために店の奥へと向かう。
ガイルさんはすごく満足げに「やはりタイラントキャタピラーの糸はいいですね」と言っていた。
良い仕事をした後の満足感に浸っている顔をしている。
それから少しして、着替えたリーシャ、ミア、メルが姿を表す。
「こんな服着るのは初めてだのう」
「こんな服が着れる日が来るなんて」
「うー、下がすうすうする」
皆が来ている服はワンピースである。
全員同じ物を着ているわけでなく、一人一人のワンピースに少しだけアレンジを入れてもらった。
まずリーシャのワンピースは所々に赤色と黒色が使われており大人チックな感じに仕上げている。
ミアのワンピースは少し制服に似せてみたのだが、これがまたミアに似合っていた。
メルはこの中では一番背が低く可愛い感じに仕上げてもらおうと、ワンピースの端にフリルを付けてもらった。ある童話に似た出で立ちとなってしまったがそれは言わぬが花である。
やはり、自分の目に狂いは無くとても似合っている。
「皆かわいいな」
「…………」
ついぼそっと本音が漏れてしまいどちらも赤面してしまう。
「そういうのは外でやってくださいませ」
ガイルさんと店員が居るのを理解し、より恥ずかしくなったため三人を連れ店を出る。
店員さんはにまにまとした顔でこちらを眺めていたが、ガイルさんの目は笑っていなかった。
後で聞いたことだが彼は独身だったらしい……。
店から出た後は寄り道はせずに宿屋へと帰ることにした。
それからというもの、ワンピースを気に入ってくれて、街で買い物をするときなどによくワンピースを着てくれるようになった。




