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黒い森

連日投稿が止まり、申し訳ありません。

風邪で寝込んでいました。

まだ体調があまり良くないので、2日で一話投稿していこうと思います。

よろしくお願いいたします。

 龍人族の結界を抜け、目の前に現れたのは変わり果てた森だった。


 「おい、これはどうなってんだ?」


 青々とした森は黒く染まり、ところどころ地表が見えている。

 そして、森だけではなく地面全体が黒く染まっているようだ。


 「これは」


 宗太が黒く染まった地面の砂を触り確かめる。


 「魔力を感じない。別の何かが宿っている?」


 宗太は不思議そうに触っていた瞬間、バチンと弾かれるように砂から離れる。

 息を荒くしながら自分の手と黒く染まった砂を見比べる宗太。

 その様子に日向が心配そうに駆け寄った。


 「おい、大丈夫かよ」

 「今は近寄るな。少し待て」


 近づこうとした日向を手で制し、自分の手に魔力を込めている。

 手に光が灯ったかと思うと、次の瞬間には黒い何かを外へと弾いていた。

 その弾かれた黒い何かは宙をさまよい消えてなくなる。


 「ふぅ、危なかった」

 「一体どうしたんだよ」

 「大丈夫か、もう近づいて良いよな?」

 「ああ、大丈夫だ。それとその黒くなった地面に触らない方がいい。森に生えた黒い木も同じく止めた方がいいだろう」


 宗太は経緯を話しだす。

 宗太が砂を触った確認した時、宗太の手に何かが侵入しようとしたらしい。

 その際に元から守るため薄い膜を張っていたのだが、それが破壊され先ほどの音が鳴った。

 そして、それを魔力で何とか外へと弾き飛ばしたとか。


 「気を付けて進もうか」


 斗和はそう言い、まずは近くにある元ドヴェルグタウンに向かう。

 山を上がったり下ったりしながら向かう途中。

 斗和達はそれに出会った。


 「魔物だ」


 最初に気が付いたのはミアだった。

 警戒し現れるのを待つ。

 そして、現した姿はとてもグロテスクなものだった。


 「あれは……何なんだ?」


 四本脚で動く何か。

 両目は空洞で、皮膚は爛れいたるところから木や岩が生えている。

 何とも不可思議な生き物だ。

 それが見えないはずの目をこちらへと向けてきた。


 「来るぞ」

 「仕留めるよ!!」


 美貴の放った矢は当たる直前で爆裂する。

 体全体を巻き込んだ爆裂の衝撃はその音と振動で威力を示す。


 「やったか?」

 「おい、宗太。それは言っちゃならねぇお約束だぜ」

 「ほら生きてんじゃねぇか」


 前足は捥げ、頭も無くなっているがこちらに近づいてくる。

 日向と充が未だ動きを止めない生物にとびきりの炎と、素早い雷撃を食らわす。

 手ごたえがあったようでその生物は声一つも上げずに動かなくなった。


 「終わったと思うぜ」

 「ああ、切り刻んでやった」


 残った後ろ脚は切られ、体は丸焦げになっている。

 注意して近づいてみた。


 「これからは魔力を感じません」

 「逆に魔力以外で動いているのかのう?」


 メルが近づいて確認したところ魔力は感じないらしい。

 普通この世界で生きている者全てに魔力は宿る。それが無いというのは常識に反するのだ。

 まさに俺が体に持っている神力みたいな何かしらの力が宿っている。

 いろいろ見ていると、その死体はすうっと薄くなり消えて行った。


 「おいおい、消えたぞ」

 「気持ちわるぅ」


 フリジアが剣先でつつこうとしたら消えて無くなってしまった。

 一体これは何なのか、謎が深まるばかりだ。


 「それにさっきの匂いがしなかった」


 ダリルが言った通り、匂いも感じない。

 まるで何も無かったかのようにそこには戦闘跡だけが残されていた。


 「先に進もう」


 まずは先に進んだ方がいい。

 そう思って、歩を進める。

 結構な異常事態が起きているのは確かなので、警戒を怠らずそれでも速く移動する。

 そして、一時間ほどが経った頃、斗和達は元ドヴェルグタウンの前まで来ることができた。

 ドヴェルグタウンにつながる洞窟の入口は落石により埋まっていて入れそうにない。


 「また来たっ」

 「それな~」


 亜里沙が指を指した先には数体の先ほどと似た生物が群がっていた。

 その数は8体ほど。

 その8体の生物はところどころ違う箇所が見られ、全く一緒の外見をしたものはいないようだ。

 一つ言えることはどれもがグロテスクなことだが。


 「突っ込んでくるぞ」


 異様に後ろ脚が発達した奴が一体その頭に生えた角で突進してくる。

 動きはとても速く歪な体の構造からは予想だにしない攻撃が飛んできた。


 「いてっ」


 避けたと思った日向は、次の瞬間体に隠されたもう一つの頭の角で手を引っかかれた。

 手の甲からは血が滴る。

 その様子を見て他の7体も攻撃を仕掛けてきた。

 口から何かを吐き出すもの、尻尾から棘を飛ばしてくるもの、四本の腕で引っ掻いてくるもの。

 多種多様な攻撃により翻弄される。

 しかし、その攻撃も初見でしか通用しない。

 見切り避けその首をはねる。

 それでも動くため四肢を破壊した。


 「たああっ」


 ミアがクレイモアでその体を両断した。

 リーシャが炎であぶっていく。

 フリジアがヘカトンの剣で切り刻む。

 それから戦闘はすぐに終わった。


 「よし、もういないな」


 周りを確認するが気配はない。

 キリンにも頼んで探してもらったがいないようだった。

 一旦ここで休憩とする。

 地面にテント用の布を敷き、その上に座った。


 「おい、日向その腕」

 「え?」


 最初の方に攻撃された時に受けた傷が黒くなり、その黒色が右手を侵食していた。

 亜里沙とメルが急いで治療に当たる。


 「全然良くならない」

 「だめです。回復魔法じゃ治りそうにありません」


 亜里沙とメル二人による回復魔法であっても回復する予兆は見られない。

 そして、それを見ていた芽衣が倒れた。


 「芽衣っ!!」


 駆け寄った宗太は倒れた芽衣を抱き起し、揺さぶりながら起こそうとする。

 しかし、意識は戻らない。

 その様子を見て、コマチは左腕に指を指した。


 「左腕が黒くなってる」


 確かに左手がどんどん黒くなっている。

 これはまずい気がする。

 でも治す方法は分からない。


 「トワさん、一度エルフの国――マールズ国に行きましょう」


 メルは一度近くの安全な場所へ移動をする方がいいと言ってきた。

 それには他の仲間達も賛成で、もちろん俺も賛成だ。

 気を失ってしまった芽衣を宗太が背負い、今も苦しんでいる日向に充が肩を貸す。

 そして、この不気味な生物も生息していであろう変わり果てた黒い森の中へと、斗和達は入って行った。


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